2019.11.28
連載6区
「チャンスを逃さないのが〝本当の強さ〟」
少し前の話になりますが、11月18日(月)に文化放送『岩本勉のまいどスポーツ』にゲスト出演させていただきました。陸上や駅伝についてお話しする機会をいただけて、すごくうれしかったです。アナウンサーやディレクターの方々から「連載読んでいますよ!」というお言葉もいただきました。
箱根駅伝の実況中継でお馴染みの松島茂アナウンサーには残念ながらお会いできませんでしたが、また機会があればぜひ駅伝について語り合えればと思います。
昨年に続いて『まいどスポーツ』に呼んでいただきました。みなさん聴いていただけましたか?
毎年楽しみな〝春夏秋冬〟
さて、気がつけば箱根駅伝まで約1ヵ月あまり。先日、BS日テレで放送されていた『密着! 箱根駅伝 春夏秋冬 前編』を視聴しました。私はこの番組が大好きで、毎年放送を心待ちにしているのです。この番組が放送されると、いよいよだなと実感が湧いてきますね。
番組は今年の箱根駅伝から始まり、出雲駅伝や全日本大学駅伝だけでなく、もちろん箱根駅伝予選会、さらには5月に行われた関東学生陸上競技対校選手権大会(通称:関東インカレ)の裏側まで、1年を通してのあらゆる大会に密着しています。これを見れば箱根駅伝がより一層楽しめる内容です。
〝夏を制する者が箱根を制する〟と言われるほど、学生長距離界では夏合宿が重要視されています。番組では夏合宿の特集ももちろん組み込まれています。
各チームがどのように夏を過ごしたのか、駅伝シーズンをどう迎えたのか、そして箱根にどう向かって行くのか、というのもよくわかります。
今年の箱根駅伝では東海大学が初めての総合優勝を果たしましたが、往路優勝と復路優勝を東洋大学と青山学院大学が分かちました。また、10区間で6大学の選手が区間賞、5区間で区間新記録が更新と、〝駅伝戦国時代〟に突入したと言われています。
夏合宿の様子を知るのも楽しみのひとつなんです
チャンスをつかんだ國學院
そんな中で私がもっとも印象に残っているのは、國學院大學が往路3位に食い込んだ瞬間です。箱根の最難関とも言われる5区で、浦野雄平選手(当時3年)が区間新記録をマークして区間賞を獲得。これまでの往路最高6位を上回る3位でフィニッシュしました。
國學院大學が昨年からスローガンとして掲げているのは「歴史を変える挑戦」。チーム史上初の3年生キャプテンに選ばれた土方英和選手を中心にチームが改革されていきました。今年の駅伝シーズン開幕の際はダークホースとして注目されていましたが、学生駅伝初戦となった出雲駅伝では悲願の初優勝を果たしました。
昨シーズンもっとも注目を集めていた青山学院大学、東洋大学、東海大学の〝3強〟の一角を崩したことで衝撃を与えたと思います。今では箱根駅伝優勝候補の1校として必ず名前が上がる存在となり、特に往路優勝の可能性は十分にあると思います。國學院大學の今後の活躍に注目されている方も多いのでないでしょうか。
以前、青山学院大学の原晋監督と新聞の企画で対談させていただいたことがあります(2016年)。その際は、原監督から貴重なお話をたくさんうかがい、とても濃い時間を過ごせました。
今年の出雲駅伝で國學院大學が優勝した時、原監督に当時言われた言葉を思い出しました。
「どのチームにも必ず勝てるタイミングがやってくる。そのタイミングを逃さずに勝つことができるのが本当に強いチームだ」
それはつまり、チャンスを逃さず確実につかみ取ることが大事だということですよね。
トラックシーズンも國學院大學の勢いは止まりませんでした!
今年、國學院大學はトラックシーズンから好調でした。関東インカレ(2部※関東インカレは1部、2部に分かれ、対校得点によって争われ、毎年入れ替えがある)では、ハーフマラソンで土方選手が優勝。浦野選手が5000m、10000mともに日本人トップ。9月の日本インカレ(日本学生陸上競技対校選手権大会)では10000mでは土方選手が日本人トップの3位、さらに藤木宏太選手(2年)が日本人2着(4位)に入りました。
チームに勝てるチャンスの波が押し寄せた今シーズン、しっかり出雲駅伝で優勝した姿は、〝強いチーム〟そのものだと感じました。
前述の番組でも、國學院大學の夏合宿の様子やチームの雰囲気の良さが十分に伝わってきました。全日本大學駅伝では7位と悔しい順位となったと思いますが、箱根駅伝ではどんな走りを見せてくれるのか楽しみです!
(ちなみに、『密着! 箱根駅伝 春夏秋冬』は後編に続くので、次の放送もとっても待ち遠しいです!!)
昨年、國學院大學が箱根駅伝で7位に入ったあとに製作された『熱闘の記録』です!
原監督に言われて印象に残っている言葉をもうひとつ思い出しました。48グループのことはよくわからなくても〝総選挙〟はご存知のようで、「アイドルのことは詳しくないから分からないけれど、君は総選挙何位なんだ?」と質問されました。
その年の総選挙では私は圏外だったので順位を答えられなかったのが、とても悔しかったのを覚えています。翌17年の総選挙も圏外でしたが、18年ではありがたいことに43位にランクインすることができました。
これも陸上や駅伝関連のお仕事をいただくようになって、アイドル活動だけでは出会えなかった多くの方に私の存在を知っていただけたからだと思っています。
「いつか総選挙にランクインして原監督に報告したい!」
そう思ってきたので、あれ以降まだ原監督にお会いできていませんが、次にお会いできる機会があれば報告できたらいいなと思っています。
この連載を読んでいただいているみなさんは社会人の方も多いようで、木曜日に新しいコラムを読むと「もう週末だな」と感じる方もいらっしゃるようです。いつもお仕事、お疲れさまです! 明日、金曜日もお仕事を頑張って、素敵な休日を迎えてください。私は公演や舞台の稽古を頑張ります・・・・・・。
※Twitterのハッシュタグ「♯西村菜那子の陸上日記」で感想や質問、コラムの内容など随時募集中!
![]() NGT48 西村菜那子(にしむら・ななこ) 1997年8月11日生/O型/長野県出身 特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記 趣味:陸上観戦、サッカー観戦 2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。昨年、『富士山女子駅伝』の生中継番組公式応援アイドルとして副音声を務めるなど、駅伝関連のメディア出演も多数。 西村菜那子モバイルサイト ●Information リリースや出演など最新情報はNGT48公式HPまで 「純血の女王」 ILLUMINUSが手がけるネオゴシックガールズ演劇プロジェクト第3弾。12月18日~22日、六行会ホールにて上演。北澤早紀(AKB48)とのダブル主演を務める。舞台「純血の女王」HP 「2020年TOKYO DOME CITY HALLイベント」 2020年1月、TOKYO DOME CITY HALLイベントの開催が決定! NGT48選抜メンバーコンサートは1月18日(土)昼公演(選抜メンバーは未定)。1月19日、20日には恒例のAKB48グループリクエストアワーも開催。公演の詳細はHPで随時更新! |

連載6区 「チャンスを逃さないのが〝本当の強さ〟」
少し前の話になりますが、11月18日(月)に文化放送『岩本勉のまいどスポーツ』にゲスト出演させていただきました。陸上や駅伝についてお話しする機会をいただけて、すごくうれしかったです。アナウンサーやディレクターの方々から「連載読んでいますよ!」というお言葉もいただきました。 箱根駅伝の実況中継でお馴染みの松島茂アナウンサーには残念ながらお会いできませんでしたが、また機会があればぜひ駅伝について語り合えればと思います。
毎年楽しみな〝春夏秋冬〟
さて、気がつけば箱根駅伝まで約1ヵ月あまり。先日、BS日テレで放送されていた『密着! 箱根駅伝 春夏秋冬 前編』を視聴しました。私はこの番組が大好きで、毎年放送を心待ちにしているのです。この番組が放送されると、いよいよだなと実感が湧いてきますね。 番組は今年の箱根駅伝から始まり、出雲駅伝や全日本大学駅伝だけでなく、もちろん箱根駅伝予選会、さらには5月に行われた関東学生陸上競技対校選手権大会(通称:関東インカレ)の裏側まで、1年を通してのあらゆる大会に密着しています。これを見れば箱根駅伝がより一層楽しめる内容です。 〝夏を制する者が箱根を制する〟と言われるほど、学生長距離界では夏合宿が重要視されています。番組では夏合宿の特集ももちろん組み込まれています。 各チームがどのように夏を過ごしたのか、駅伝シーズンをどう迎えたのか、そして箱根にどう向かって行くのか、というのもよくわかります。 今年の箱根駅伝では東海大学が初めての総合優勝を果たしましたが、往路優勝と復路優勝を東洋大学と青山学院大学が分かちました。また、10区間で6大学の選手が区間賞、5区間で区間新記録が更新と、〝駅伝戦国時代〟に突入したと言われています。
チャンスをつかんだ國學院
そんな中で私がもっとも印象に残っているのは、國學院大學が往路3位に食い込んだ瞬間です。箱根の最難関とも言われる5区で、浦野雄平選手(当時3年)が区間新記録をマークして区間賞を獲得。これまでの往路最高6位を上回る3位でフィニッシュしました。 國學院大學が昨年からスローガンとして掲げているのは「歴史を変える挑戦」。チーム史上初の3年生キャプテンに選ばれた土方英和選手を中心にチームが改革されていきました。今年の駅伝シーズン開幕の際はダークホースとして注目されていましたが、学生駅伝初戦となった出雲駅伝では悲願の初優勝を果たしました。 昨シーズンもっとも注目を集めていた青山学院大学、東洋大学、東海大学の〝3強〟の一角を崩したことで衝撃を与えたと思います。今では箱根駅伝優勝候補の1校として必ず名前が上がる存在となり、特に往路優勝の可能性は十分にあると思います。國學院大學の今後の活躍に注目されている方も多いのでないでしょうか。 以前、青山学院大学の原晋監督と新聞の企画で対談させていただいたことがあります(2016年)。その際は、原監督から貴重なお話をたくさんうかがい、とても濃い時間を過ごせました。 今年の出雲駅伝で國學院大學が優勝した時、原監督に当時言われた言葉を思い出しました。 「どのチームにも必ず勝てるタイミングがやってくる。そのタイミングを逃さずに勝つことができるのが本当に強いチームだ」 それはつまり、チャンスを逃さず確実につかみ取ることが大事だということですよね。

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