HOME ニュース、国内

2022.01.31

レジェンド福士加代子が競技生活にピリオド「走るのが楽しくて辞めたくなかったけど走れなくなった」
レジェンド福士加代子が競技生活にピリオド「走るのが楽しくて辞めたくなかったけど走れなくなった」


日本陸上界が誇るレジェンド・福士加代子(ワコール)が最後の舞台に選んだのは、挫折も栄光も味わった大阪だった。

大阪ハーフマラソンに出場した福士は1時間16分04秒で30位。途中、何度も脚が止まりそうになりながら、ヤンマースタジアム長居に笑顔で戻ってきた。あのとき、転んでも笑顔だった最後の直線。右手を何度も挙げて拍手に応え、笑顔でフィニッシュラインを切った。福士加代子のアスリート人生が幕を閉じた。

「こんなボロボロになるはずじゃなかった。かっこよく終わるイメージでしたがあんな感じになった」。レース後は「きつい」と連呼と笑った。

最後まで「速く、かっこよく走る」ことにこだわりがあった。最後のレースを前に出場した都道府県対抗女子駅伝の後は「もう少し仕上げたい」と語っていた福士。追い求めてきた速さはなかったかもしれないが、その姿は誰が見てもかっこよかった。

「最初と最後がここでよかった」。青森・五所川原工高から2000年にワコールに入社。トラックで数々の金字塔を打ち立てて「トラックの女王」と称された。満を持してマラソンに挑戦したのが2008年の大阪国際女子。その時は後半でエネルギー切れを起こし、途中何度も転倒しながらフィニッシュにたどり着いた。

マラソンは「嫌なことだらけ」。だからこそ「隠しようがない。マラソン練習は自分と会話するしかない。自分と向き合えたのはマラソンのお陰」。この日も「最初のきつかったレースを思い出した」。最後のレースを終え、「全部ひっくるめて(マラソンが)好きになった」。

それでも福士は笑顔で走り続けた。13年に初優勝(優勝者がドーピング違反のため繰り上げ)を飾ると、同年のモスクワ世界選手権で銅メダルを獲得。16年も優勝し、自身4度目、マラソンでは初のオリンピックとなるリオ五輪代表をつかみ取った。挫折も栄光も、大阪で味わった。

今後はワコールに残ってランニングイベントなどに参加する予定。「だらだらな生活をして、朝も起きない。夜まで起きている」。走るとすれば「体型維持のため」と笑った。

「走るのが楽しかった辞めたくなかった。でも、走れなくなったので終わりにします!」

女子長距離界を牽引し続けてきたレジェンドは、最後の最後まで笑顔で走り続けた。

日本陸上界が誇るレジェンド・福士加代子(ワコール)が最後の舞台に選んだのは、挫折も栄光も味わった大阪だった。 大阪ハーフマラソンに出場した福士は1時間16分04秒で30位。途中、何度も脚が止まりそうになりながら、ヤンマースタジアム長居に笑顔で戻ってきた。あのとき、転んでも笑顔だった最後の直線。右手を何度も挙げて拍手に応え、笑顔でフィニッシュラインを切った。福士加代子のアスリート人生が幕を閉じた。 「こんなボロボロになるはずじゃなかった。かっこよく終わるイメージでしたがあんな感じになった」。レース後は「きつい」と連呼と笑った。 最後まで「速く、かっこよく走る」ことにこだわりがあった。最後のレースを前に出場した都道府県対抗女子駅伝の後は「もう少し仕上げたい」と語っていた福士。追い求めてきた速さはなかったかもしれないが、その姿は誰が見てもかっこよかった。 「最初と最後がここでよかった」。青森・五所川原工高から2000年にワコールに入社。トラックで数々の金字塔を打ち立てて「トラックの女王」と称された。満を持してマラソンに挑戦したのが2008年の大阪国際女子。その時は後半でエネルギー切れを起こし、途中何度も転倒しながらフィニッシュにたどり着いた。 マラソンは「嫌なことだらけ」。だからこそ「隠しようがない。マラソン練習は自分と会話するしかない。自分と向き合えたのはマラソンのお陰」。この日も「最初のきつかったレースを思い出した」。最後のレースを終え、「全部ひっくるめて(マラソンが)好きになった」。 それでも福士は笑顔で走り続けた。13年に初優勝(優勝者がドーピング違反のため繰り上げ)を飾ると、同年のモスクワ世界選手権で銅メダルを獲得。16年も優勝し、自身4度目、マラソンでは初のオリンピックとなるリオ五輪代表をつかみ取った。挫折も栄光も、大阪で味わった。 今後はワコールに残ってランニングイベントなどに参加する予定。「だらだらな生活をして、朝も起きない。夜まで起きている」。走るとすれば「体型維持のため」と笑った。 「走るのが楽しかった辞めたくなかった。でも、走れなくなったので終わりにします!」 女子長距離界を牽引し続けてきたレジェンドは、最後の最後まで笑顔で走り続けた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.21

早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]

NEWS 立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

2024.11.21

立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]

NEWS M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

2024.11.20

M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]

NEWS 第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

2024.11.20

第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]

NEWS 八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

2024.11.20

八王子ロングディスタンスのスタートリスト発表!! 1万m26分台狙うS組は鈴⽊芽吹、遠藤⽇向、羽生拓矢、篠原倖太朗らが出場!

東日本実業団連盟は11月20日、2024八王子ロングディスタンス(11月23日)のスタートリストを発表した。 来年の世界選手権男子10000mの参加標準記録(27分00秒00)の突破を狙う『S組』では、日本の実業団に所属 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top