HOME ニュース、国内

2022.01.28

日本短距離界の「女王」福島千里が現役引退を発表、セイコー スマイルアンバサダーに就任
日本短距離界の「女王」福島千里が現役引退を発表、セイコー スマイルアンバサダーに就任

現役引退を発表した福島千里(セイコー)。右はセイコーホールディングス株式会社代表取締役会長兼グループCEO兼グループCCOの服部真二氏(セイコー提供)

 

女子100m、200mの日本記録保持者・福島千里(セイコー)が1月29日にオンラインで会見を行い、現役引退と「セイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)」就任を発表した。

小学校ではスピードスケートと陸上を両立し、中学からは陸上一本に絞ってスプリンターとして全国の舞台で活躍した。高校を卒業後、北海道ハイテクACに入って2年目の2008年に大ブレイク。100mで春に当時日本タイ記録の11秒36をマークすると、北京五輪に同種目日本人女子56年ぶり出場を果たした。

その後は日本女子スプリントの歴史を次々と塗り替えていく。09年のベルリン世界選手権では100mで世界大会の日本人女子77年ぶりのラウンド突破となる2次予選進出。翌年のアジア大会では100m、200mの2冠に輝くと、11年テグ世界選手権では100m、200mでいずれも日本人女子初の準決勝進出という快挙を成し遂げている。

広告の下にコンテンツが続きます

五輪には12年ロンドン、16年リオまで3大会連続、世界選手権は再び100mでセミファイナリストとなった15年北京まで4大会連続で出場している。日本選手権では、100mは08年を皮切りに8度の優勝、200mはセイコー入社1年目の18年に2年ぶり8回目の頂点に輝いたほか、11年~16年には6年連続2冠の偉業も達成した。

自己ベストの100m11秒21(10年)、200m22秒88(16年)はいずれも日本記録で、日本人女子で100m11秒2台、200m22秒台を出した選手はいまだに福島ただ1人。偉大なスプリンターが、静かにスパイクを脱いだ。


福島千里コメント(原文)
この度、現役を引退することを決めました。これまで支えてくださった、指導者の方、トレーナーさん、家族、友人、チームメイト、会社の方々、スポンサーさん、ライバルのみんな、そして応援してくださったすべての方々に感謝申し上げます。

小学4年生から陸上競技を始め、昨年で23年の時が経ちました。夢であった五輪に3度出場することができました。4度目となる東京五輪を目指す数年間は苦しいシーズンもありましたが、日々、新しい感覚との出会いや、課題と向き合い、充実した競技生活を送ることができました。

今後も陸上競技を通して様々な活動を行っていきたいと思います。走るということはたくさんのスポーツに関わることなので、競技の枠を越え、私自身が今まで培ってきた経験などで次世代のアスリートのお役にたてるとうれしいです。

競技生活は終わりますが、これから始まるセカンドキャリアも私らしく走っていきたいと思います。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

◎プロフィール
1988年6月27日生まれ、33歳。北海道・糠内中→帯広南商高→北海道ハイテクAC→セイコー
●自己ベスト
100m 11秒21(2010年)=日本記録
200m 22秒89(2016年)=日本記録
●日本記録樹立
100m 11秒36(08年/タイ)→11秒28(09年)→11秒24(同)→11秒21(10年)
200m 23秒14(09年)→23秒00(同)→22秒89(10年)→22秒88(16年)
●国際大会成績
05年 世界ユース100m準決・200m準決
06年 世界ジュニア100m準決
08年 五輪100m1次予選
09年 世界選手権100m2次予選・200m予選、アジア選手権100m①
10年 アジア大会100m①・200m①
11年 世界選手権100m準決勝・200m準決勝、アジア選手権200m①
12年 五輪100m予選・200m予選、世界室内60m準決
13年 世界選手権200m予選、アジア選手権100m②・200m④
14年 アジア大会100m②・200m③
15年 世界選手権100m準決勝・200m予選、アジア選手権100m①
16年 五輪100m欠場・200m予選
18年 アジア大会100m予選・200m棄権
19年 アジア選手権100m準決勝

現役引退を発表した福島千里(セイコー)。右はセイコーホールディングス株式会社代表取締役会長兼グループCEO兼グループCCOの服部真二氏(セイコー提供)   女子100m、200mの日本記録保持者・福島千里(セイコー)が1月29日にオンラインで会見を行い、現役引退と「セイコースマイルアンバサダー(スポーツ担当)」就任を発表した。 小学校ではスピードスケートと陸上を両立し、中学からは陸上一本に絞ってスプリンターとして全国の舞台で活躍した。高校を卒業後、北海道ハイテクACに入って2年目の2008年に大ブレイク。100mで春に当時日本タイ記録の11秒36をマークすると、北京五輪に同種目日本人女子56年ぶり出場を果たした。 その後は日本女子スプリントの歴史を次々と塗り替えていく。09年のベルリン世界選手権では100mで世界大会の日本人女子77年ぶりのラウンド突破となる2次予選進出。翌年のアジア大会では100m、200mの2冠に輝くと、11年テグ世界選手権では100m、200mでいずれも日本人女子初の準決勝進出という快挙を成し遂げている。 五輪には12年ロンドン、16年リオまで3大会連続、世界選手権は再び100mでセミファイナリストとなった15年北京まで4大会連続で出場している。日本選手権では、100mは08年を皮切りに8度の優勝、200mはセイコー入社1年目の18年に2年ぶり8回目の頂点に輝いたほか、11年~16年には6年連続2冠の偉業も達成した。 自己ベストの100m11秒21(10年)、200m22秒88(16年)はいずれも日本記録で、日本人女子で100m11秒2台、200m22秒台を出した選手はいまだに福島ただ1人。偉大なスプリンターが、静かにスパイクを脱いだ。 福島千里コメント(原文) この度、現役を引退することを決めました。これまで支えてくださった、指導者の方、トレーナーさん、家族、友人、チームメイト、会社の方々、スポンサーさん、ライバルのみんな、そして応援してくださったすべての方々に感謝申し上げます。 小学4年生から陸上競技を始め、昨年で23年の時が経ちました。夢であった五輪に3度出場することができました。4度目となる東京五輪を目指す数年間は苦しいシーズンもありましたが、日々、新しい感覚との出会いや、課題と向き合い、充実した競技生活を送ることができました。 今後も陸上競技を通して様々な活動を行っていきたいと思います。走るということはたくさんのスポーツに関わることなので、競技の枠を越え、私自身が今まで培ってきた経験などで次世代のアスリートのお役にたてるとうれしいです。 競技生活は終わりますが、これから始まるセカンドキャリアも私らしく走っていきたいと思います。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。 ◎プロフィール 1988年6月27日生まれ、33歳。北海道・糠内中→帯広南商高→北海道ハイテクAC→セイコー ●自己ベスト 100m 11秒21(2010年)=日本記録 200m 22秒89(2016年)=日本記録 ●日本記録樹立 100m 11秒36(08年/タイ)→11秒28(09年)→11秒24(同)→11秒21(10年) 200m 23秒14(09年)→23秒00(同)→22秒89(10年)→22秒88(16年) ●国際大会成績 05年 世界ユース100m準決・200m準決 06年 世界ジュニア100m準決 08年 五輪100m1次予選 09年 世界選手権100m2次予選・200m予選、アジア選手権100m① 10年 アジア大会100m①・200m① 11年 世界選手権100m準決勝・200m準決勝、アジア選手権200m① 12年 五輪100m予選・200m予選、世界室内60m準決 13年 世界選手権200m予選、アジア選手権100m②・200m④ 14年 アジア大会100m②・200m③ 15年 世界選手権100m準決勝・200m予選、アジア選手権100m① 16年 五輪100m欠場・200m予選 18年 アジア大会100m予選・200m棄権 19年 アジア選手権100m準決勝

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)

【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日/福岡・海の中道海浜公園) ●男子10km 1位 三浦龍司(SUBARU)   28分24秒 2位 井川龍人(旭化成)   28分25秒 3位 塩尻和 […]

NEWS 今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

2025.02.22

今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場

第108回日本選手権クロスカントリー、第40回U20日本選手権クロスカントリーは今日2月22日、福岡・海の中道海浜公園の1周2kmのコースを舞台に行われる。 日本選手権は男子が10km、女子が8kmで争われ、男子にはパリ […]

NEWS 編集部コラム「奥が深い」

2025.02.21

編集部コラム「奥が深い」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

2025.02.21

ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」

ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]

NEWS 斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン

2025.02.21

斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン

福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top