2019.11.29
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保 雅文)
前回のコラムでは、過去72回行われているインターハイの学校対抗の得点を集計して、「高校陸上界史上最強校(男子編)」を紹介しました。今回は女子編となります。
男子同様に6位までが入賞だった1989年以前は1位6点、2位5点……6位1点。8位入賞制となった1990年以降は1位8点、2位7点……8位1点で計算。同順位が複数の場合は該当人数で分配しています。(文中敬称略)
10位 市船橋(千葉) 251.5点
1985年から始まった3000mで河合美香が優勝を飾ったのがチーム初入賞。翌年は同種目でトリプル入賞も果たしました。1992年には4×100mリレーで優勝するなど1990年代以降は短距離でも活躍しています。
9位 成 田(千葉) 252点
男子2位の成田が女子でも9位にランクイン。初めての入賞は1960年砲丸投4位の山口さだ子。1993年以降からコンスタントに入賞を重ね1994年にはのちの五輪代表の花岡麻帆が走幅跳で優勝しました。
8位 美 作(岡山) 255.83点
総合優勝2回(1967年、1968年)
1960年代に名を馳せた名門。第1回大会(1948年)から入賞者を輩出し、4×100mリレーは65年、66年と連覇しています。80年にやり投を制した松井江美は、その年の〝幻のモスクワ〟を含め3度の五輪代表となりました。
7位 名古屋女大/名古屋女学院(愛知) 260.5点
総合優勝3回(1960年、1969年、1970年)
インターハイが始まる前の太平洋戦争前から五輪選手を輩出する強豪チームでした。4×100mリレーは58年~74年の17年間で6度の優勝を含む13回の入賞。最近では2010年に木引悠起子が400m8位とチームとして28年ぶりの入賞を果たしました。
6位 京都光華/光華(京都) 330.86点
総合優勝6回(1948年、1949年、1950年、1956年、1958年、1963年)
名伯楽と呼ばれた顧問・小池良一のもと、第1回~3回に総合3連覇を果たすなど、インターハイ黎明期に圧倒的な強さを誇った名門。個人では第1回100m優勝の松居富子や49~51年まで円盤投で3年連続優勝の野村妙子が歴史に名を刻んでいます。
5位 富士見(静岡) 348.5点
総合優勝1回(1976年)
1960年後半から1980年代にかけて隆盛を誇り、76年には砲丸投の渡瀬きよみ、哲子の姉妹ワン・ツーなどの活躍で総合優勝を飾りました。100mでは過去4度の優勝者が誕生しています。
4位 鹿児島女(鹿児島) 356点
総合優勝2回(1975年、1978年)
富士見と同時期にしのぎを削った鹿児島女。100m、200mで在学中に日本記録を樹立していた大迫夕起子は1975年、76年と2年連続100m、200m2冠を達成しました。一時期入賞が途切れた時代もありましたが2010年代に入って上原美幸、倉岡奈々が長距離で活躍し得点を重ねました。
3位 東大阪大敬愛/敬愛女/東大阪/布施女(大阪) 547点
総合優勝7回(2008年、2009年、2010年、2014年、2015年、2016年、2017年)
校名が東大阪大敬愛に変わった2006年以降、400mや4×400mリレーを中心に圧倒的な強さで、08年から17年の10年で7度の総合優勝を果たし、得点を積み重ねています。ただ、初入賞は布施女時代の1959年で、東大阪時代の70年、80年代にも優勝者を出すなど歴史を持つチームです。
2位 添 上(奈良) 582点
総合優勝2回(1997年、2007年)
初入賞は1981年走高跳2位の加藤純子と他校と比べると最近ですが、1983年以降は26年連続で入賞者を出していました。優勝は1997年に4×100mリレーでした以外はすべてフィールド種目となっています。なお、男子でも4位に入っており、男女合算の総得点は1014.5点と、こちらも総合2位となっています。
1位 埼玉栄(埼玉) 1107.5点
総合優勝19回(1985~1996年、2001~2006年、2011年)
2位に倍近い点差で圧倒したのが1985~96年まで総合12連覇という不滅の金字塔を打ち立てた埼玉栄です。84年に城島直美が100mハードルで優勝したのがチーム初入賞でしたが、その後入賞を逃したのは2000年と2012年のみ(2012年には土井杏南が在学していましたが、ロンドン五輪出場のためインターハイ路線を回避)。女子は男子よりも種目が少ないにも関わらず、積み重ねた得点は1107.5点と男子トップの洛南(572.5点)よりも多くなりました。
女子は1986年以降から徐々に実施種目が増え、さらに1990年以降は8位入賞制となったため、近年に活躍した学校が上位を占めるかと思われましたが、1970年以前のインターハイ黎明期に活躍した学校の名前も多く挙がりました。また、男子とは違い短距離、長距離、跳躍、投てきとオールラウンドに活躍してきたチームが上位に名を連ねたのも特徴でしょう。男子と同様に11位~20位については下で紹介しています。
前回コラムでも紹介しましたが、インターハイの歴史に興味を持たれた方がいましたら、「インターハイ40年史」、「インターハイ50年史」、「インターハイ51~60回大会史」、「インターハイ70年史 from 61st to 70th」を発売していますので、ぜひ手に取ってもらえればと思います。
<参考>
女子11位~20位のチーム
11位 西遠女(静岡) 239点
12位 名経大市邨(愛知) 236.5点
13位 至学館(愛知) 227.5点
14位 姫路商(兵庫) 222点
15位 東 京(東京) 222点
16位 薫英女学院(大阪) 218点
17位 相 洋(神奈川) 204点
18位 筑紫女学園(福岡) 203点
19位 京都文教(京都) 192点
20位 敦 賀(福井) 183点
20位 須磨学園(兵庫) 183点
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。陸上競技との出会いは伊勢市がゴールの全日本大学駅伝。小学生の頃、テレビに映るために沿道で旗を振りながらランナーを追いかけていたのが始まり(大変危険なので真似しないでください)。全日本大学駅伝のテレビ中継では、ランナーよりも中継所で審判をしている中学、高校時代にお世話になった先生が映っているかどうかに関心がいってしまう。 |
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保 雅文)
前回のコラムでは、過去72回行われているインターハイの学校対抗の得点を集計して、「高校陸上界史上最強校(男子編)」を紹介しました。今回は女子編となります。 男子同様に6位までが入賞だった1989年以前は1位6点、2位5点……6位1点。8位入賞制となった1990年以降は1位8点、2位7点……8位1点で計算。同順位が複数の場合は該当人数で分配しています。(文中敬称略)10位 市船橋(千葉) 251.5点
1985年から始まった3000mで河合美香が優勝を飾ったのがチーム初入賞。翌年は同種目でトリプル入賞も果たしました。1992年には4×100mリレーで優勝するなど1990年代以降は短距離でも活躍しています。9位 成 田(千葉) 252点
男子2位の成田が女子でも9位にランクイン。初めての入賞は1960年砲丸投4位の山口さだ子。1993年以降からコンスタントに入賞を重ね1994年にはのちの五輪代表の花岡麻帆が走幅跳で優勝しました。8位 美 作(岡山) 255.83点
総合優勝2回(1967年、1968年) 1960年代に名を馳せた名門。第1回大会(1948年)から入賞者を輩出し、4×100mリレーは65年、66年と連覇しています。80年にやり投を制した松井江美は、その年の〝幻のモスクワ〟を含め3度の五輪代表となりました。7位 名古屋女大/名古屋女学院(愛知) 260.5点
総合優勝3回(1960年、1969年、1970年) インターハイが始まる前の太平洋戦争前から五輪選手を輩出する強豪チームでした。4×100mリレーは58年~74年の17年間で6度の優勝を含む13回の入賞。最近では2010年に木引悠起子が400m8位とチームとして28年ぶりの入賞を果たしました。
6位 京都光華/光華(京都) 330.86点
総合優勝6回(1948年、1949年、1950年、1956年、1958年、1963年) 名伯楽と呼ばれた顧問・小池良一のもと、第1回~3回に総合3連覇を果たすなど、インターハイ黎明期に圧倒的な強さを誇った名門。個人では第1回100m優勝の松居富子や49~51年まで円盤投で3年連続優勝の野村妙子が歴史に名を刻んでいます。
5位 富士見(静岡) 348.5点
総合優勝1回(1976年) 1960年後半から1980年代にかけて隆盛を誇り、76年には砲丸投の渡瀬きよみ、哲子の姉妹ワン・ツーなどの活躍で総合優勝を飾りました。100mでは過去4度の優勝者が誕生しています。4位 鹿児島女(鹿児島) 356点
総合優勝2回(1975年、1978年) 富士見と同時期にしのぎを削った鹿児島女。100m、200mで在学中に日本記録を樹立していた大迫夕起子は1975年、76年と2年連続100m、200m2冠を達成しました。一時期入賞が途切れた時代もありましたが2010年代に入って上原美幸、倉岡奈々が長距離で活躍し得点を重ねました。3位 東大阪大敬愛/敬愛女/東大阪/布施女(大阪) 547点
総合優勝7回(2008年、2009年、2010年、2014年、2015年、2016年、2017年) 校名が東大阪大敬愛に変わった2006年以降、400mや4×400mリレーを中心に圧倒的な強さで、08年から17年の10年で7度の総合優勝を果たし、得点を積み重ねています。ただ、初入賞は布施女時代の1959年で、東大阪時代の70年、80年代にも優勝者を出すなど歴史を持つチームです。
2位 添 上(奈良) 582点
総合優勝2回(1997年、2007年) 初入賞は1981年走高跳2位の加藤純子と他校と比べると最近ですが、1983年以降は26年連続で入賞者を出していました。優勝は1997年に4×100mリレーでした以外はすべてフィールド種目となっています。なお、男子でも4位に入っており、男女合算の総得点は1014.5点と、こちらも総合2位となっています。1位 埼玉栄(埼玉) 1107.5点
総合優勝19回(1985~1996年、2001~2006年、2011年) 2位に倍近い点差で圧倒したのが1985~96年まで総合12連覇という不滅の金字塔を打ち立てた埼玉栄です。84年に城島直美が100mハードルで優勝したのがチーム初入賞でしたが、その後入賞を逃したのは2000年と2012年のみ(2012年には土井杏南が在学していましたが、ロンドン五輪出場のためインターハイ路線を回避)。女子は男子よりも種目が少ないにも関わらず、積み重ねた得点は1107.5点と男子トップの洛南(572.5点)よりも多くなりました。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。陸上競技との出会いは伊勢市がゴールの全日本大学駅伝。小学生の頃、テレビに映るために沿道で旗を振りながらランナーを追いかけていたのが始まり(大変危険なので真似しないでください)。全日本大学駅伝のテレビ中継では、ランナーよりも中継所で審判をしている中学、高校時代にお世話になった先生が映っているかどうかに関心がいってしまう。 |
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]
2025.02.21
国内唯一の室内100mに山縣亮太が登場 投てきは幸長慎一に注目 走幅跳8m40の台湾記録保持者参戦/JAG大崎
2025 Japan Athlete Games in Osakiが2月23日、鹿児島県大崎町のジャパンアスリートトレーニングセンター大隅で開催される。 この大会は2020年鹿児島国体がコロナ禍で中止(2023年に特別大 […]
2025.02.21
中央学大に全国高校駅伝出場の神吉惺翔ら、新たに5人が入学決定
2月20日、中央学大はSNSで今春入学の選手を発表した。1月にも13人の入学予定選手を発表していたが、新たに5人の合格が決まり、総勢18人の振優勢が入部する。 新たに発表された選手のうち、神吉惺翔(西脇工・兵庫)が昨年末 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝