2022.01.21
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毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第129回「セカンドキャリアを考える」(山本慎一郎)
新型コロナウイルスの感染者数増加に伴い、今年に入っていくつもの大会が中止を余儀なくされています。新たに登場した「オミクロン株」については現在さまざまな議論がなされているため、より良い解決策が出されることを願っています。
年が明け、1月も後半になると徐々に新年度に向けた準備が始まるかと思います。来シーズンに向けた冬季練習が佳境に入り、飛躍を期す選手も多いのではないでしょうか。
一方で、高校3年生や大学3年生などは自分の将来について考える時期かもしれません。卒業後も競技を続けることが決まっていればその道を突き進めばいいのでしょうが、実際にはそうでない人のほうが多数派だと思います。
高校生であれば進学か就職か、陸上を続けるのかどうか。大学生の場合は4年で競技を引退するか、それとも続ける道があるのかどうか、模索しているかもしれません。
はるか昔に学生アスリートだった私(※やっていただけで全然強くはない)の意見としては、陸上競技を「続けるだけ」なら工夫次第でどうにでもなります。アマチュアに引退はありませんし、たとえパフォーマンスが落ちたとしても落ちたなりの楽しみ方もあります。
問題は、学生時代よりもさらに上を目指したい場合でしょう。生活のすべてを陸上競技に捧げているトップアスリートであれば、実業団ではなく企業に一般就職した場合、競技に充てられる時間が減るのは致命的だと感じるかもしれません。なかには“公務員ランナー”として一世を風靡したマラソンの川内優輝選手(現・あいおいニッセイ同和損保)のように働きながら日本代表を勝ち取るスーパーアスリートもいますが、種目によってはフルタイムで働きながらだとパフォーマンスを維持・向上させていくのは現実的に難しいケースもあるとは思います。
また、実業団などでプロ契約のようなかたちで卒業後も競技を続けられるとしても、引退後のキャリア(=セカンドキャリア)を心配する人もいるかもしれません。そこで近年注目を集めているのが“デュアルキャリア”です。競技を続けながらも、並行して社会人としてのキャリアも大事にしていこうという考え方です。
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以前取材をさせていただいたマイナビアスリートキャリアでは、サービスに登録することでキャリアアドバイザーが個々の要望をヒアリングし、性格や特徴などを分析した上でその人に合いそうな企業を探してくれるそうです。競技を続けたいと思いながらも将来に不安を感じていたり、実業団には行けないけどまだまだ上を目指したいという選手は、このようなサービスを活用してみるのも良いかもしれません。
もちろん、社会人として働くことが前提なので待遇や条件などは擦り合わせが必要になるでしょうが、競技と仕事を両立できる企業をゼロから自力で探すよりはずっと近道のように感じます。自分で何でも解決するのではなく(それはそれで素晴らしいのですが)、わからないことはその道のスペシャリストに教えてもらうほうが早く正解にたどり着けるケースも多いはずです。
ちなみに、長距離だけでなく短距離でも普通に社会人として働きながら結果を残しているアスリートもいます。アクセルトラッククラブの草野誓也選手は32歳にして100m10秒28という自己新を出しました。昨年、草野選手と根岸紀仁選手に対談をしていただいた時は、2人とも「圧倒的な充実感」が印象的でした。生活の中に陸上競技を組み込み、それに対して情熱を注いでいる様子がビリビリ伝わってきました。
アクセルトラッククラブの草野誓也選手(左)と根岸紀仁選手。根岸選手は現在手術をしてリハビリ中とのことで、復活を待ってます!
【Zoom-up】Accel Track Club 仕事と競技を両立。社会人チームが「結果」を出せる理由とは?
陸上を続けるのもやめるのも、どのように続けるかにも正解はありません。一番大事なのは、自分がどのような人生を送りたいかだと思います。このコラムが少しでもみなさんが将来を考える上で参考になれば幸いです。
山本慎一郎(やまもとしんいちろう) 月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、月陸Onlineでは「シューズレポ」を連載中。 |
編集部コラム第128回「功労賞とU20招待はどうでしょ?」(向永)
編集部コラム第127回「明けましておめでとうございます」(小川)
編集部コラム第126回「スパートすんのかいせんのかい」(船越)
編集部コラム第125回「記録ラッシュ!」(松永)
編集部コラム第124回「データで見る全国中学校駅伝」(大久保)
編集部コラム第123回「2021年の思い出」(井上)
編集部コラム第122回「長距離選手の身長」(山本)
編集部コラム第121回「足が速くなる魔法」(向永)
編集部コラム第120回「2021年の節目は…」(小川)
編集部コラム第119回「現実逃避」(船越)
編集部コラム第118回「高校で5000m15分台でも……」(松永)
編集部コラム第117回「データで見る箱根駅伝予選会」(大久保)
編集部コラム第116回「高校駅伝の試走にチャリ?」(井上)
編集部コラム第115回「ウエイトコントロール」(山本)
編集部コラム第114回「お別れのあいさつ」(向永)
編集部コラム第113回「TOKYO 2020の喜劇」(小川)
編集部コラム第112回「点と点のつながり」(船越)
編集部コラム第111回「裏方あっての表舞台」(松永)
編集部コラム第110回「2020東京五輪優勝記録ランキング」(大久保)
編集部コラム第109回「月陸の歴史も切り開いた田中選手」(井上)
編集部コラム第108回「特別な存在」(山本)
編集部コラム第107回「オリンピックの価値」(向永)
編集部コラム第106回「どうしても気になるどうでもいいこと」(船越)
編集部コラム第105回「東京五輪ついに開幕!!!」(小川)
編集部コラム第104回「オリンピックの思い出とインターハイ」(松永)
編集部コラム第103回「五輪メダリストのトリビア」(大久保)
編集部コラム第102回「あたたかい目」(井上)
編集部コラム第101回「4年サイクル」(山本)
編集部コラム第100回「誰がために月陸はある」(向永)
編集部コラム第99回「『9』秒台」(小川)
編集部コラム第98回「いいわけ」(船越)
編集部コラム第97回「My Privacy」(松永)
編集部コラム第96回「追い風最高記録」(大久保)
編集部コラム第95回「競技会に必要なもの」(井上)
編集部コラム第94回「メンタルトレーニング」(山本)
編集部コラム第93回「努力は報われた」(向永)
編集部コラム第92回「2年ぶりの織田記念」(小川)
編集部コラム第91回「エゴイスト」(船越)
編集部コラム第90回「あらためて100m10秒台ってすごいタイムですよね??」(松永)
編集部コラム第89回「学生競技会の華 大学対校戦!」(大久保)
編集部コラム第88回「U20世界選手権の上位候補をリサーチ!」(井上)
編集部コラム第87回「編集部コラム「郷土の応援」(山本)
編集部コラム第86回「あこがれの松田耕作記者」(向永)
編集部コラム第85回「スポーツのチカラ」(小川)
編集部コラム第84回「初心」(船越)
編集部コラム第83回「高校生にとってのインターハイ」(松永)
編集部コラム第82回「2020年世界リストTop10入り日本人選手」(大久保)
編集部コラム第81回「〝きっかけ〟の提供を」(井上)
編集部コラム第80回「一番アツい夏」(山本)
編集部コラム第79回「前向きな言葉という魔法」(向永)
編集部コラム第78回「自分なりの『答え』を探す」(小川)
編集部コラム第77回「カメラマンの箱根駅伝」(船越)
編集部コラム第76回「専門誌記者の箱根駅伝」(松永)
編集部コラム第75回「データで見る箱根駅伝当日エントリー変更」(大久保)
編集部コラム第74回「2020年を振り返って」(井上)
編集部コラム第73回「プレッシャーとの向き合い方」(山本)
編集部コラム第72回「陸上競技のイメージを変えたい」(向永)
編集部コラム第71回「2020年ラストスパート!!」(小川)
編集部コラム第70回「理不尽なこと」(船越)
編集部コラム第69回「這い上がる」(松永)
編集部コラム第68回「都道府県対抗 男子十種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第67回「都大路も高速レースの予感」(井上)
編集部コラム第66回「陸上競技を続けると……?」(山本)
編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
編集部コラム第61回「都道府県対抗 女子七種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第60回「キソの大切さ」(井上)
編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
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編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
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編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
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毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
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第129回「セカンドキャリアを考える」(山本慎一郎)
新型コロナウイルスの感染者数増加に伴い、今年に入っていくつもの大会が中止を余儀なくされています。新たに登場した「オミクロン株」については現在さまざまな議論がなされているため、より良い解決策が出されることを願っています。 年が明け、1月も後半になると徐々に新年度に向けた準備が始まるかと思います。来シーズンに向けた冬季練習が佳境に入り、飛躍を期す選手も多いのではないでしょうか。 一方で、高校3年生や大学3年生などは自分の将来について考える時期かもしれません。卒業後も競技を続けることが決まっていればその道を突き進めばいいのでしょうが、実際にはそうでない人のほうが多数派だと思います。 高校生であれば進学か就職か、陸上を続けるのかどうか。大学生の場合は4年で競技を引退するか、それとも続ける道があるのかどうか、模索しているかもしれません。 はるか昔に学生アスリートだった私(※やっていただけで全然強くはない)の意見としては、陸上競技を「続けるだけ」なら工夫次第でどうにでもなります。アマチュアに引退はありませんし、たとえパフォーマンスが落ちたとしても落ちたなりの楽しみ方もあります。 陸上競技と関わり続ける 陸上競技を続けると……? 問題は、学生時代よりもさらに上を目指したい場合でしょう。生活のすべてを陸上競技に捧げているトップアスリートであれば、実業団ではなく企業に一般就職した場合、競技に充てられる時間が減るのは致命的だと感じるかもしれません。なかには“公務員ランナー”として一世を風靡したマラソンの川内優輝選手(現・あいおいニッセイ同和損保)のように働きながら日本代表を勝ち取るスーパーアスリートもいますが、種目によってはフルタイムで働きながらだとパフォーマンスを維持・向上させていくのは現実的に難しいケースもあるとは思います。 また、実業団などでプロ契約のようなかたちで卒業後も競技を続けられるとしても、引退後のキャリア(=セカンドキャリア)を心配する人もいるかもしれません。そこで近年注目を集めているのが“デュアルキャリア”です。競技を続けながらも、並行して社会人としてのキャリアも大事にしていこうという考え方です。 アスリートの“キャリアデザイン”~将来に向けて、今何をすべきか?~/PR 以前取材をさせていただいたマイナビアスリートキャリアでは、サービスに登録することでキャリアアドバイザーが個々の要望をヒアリングし、性格や特徴などを分析した上でその人に合いそうな企業を探してくれるそうです。競技を続けたいと思いながらも将来に不安を感じていたり、実業団には行けないけどまだまだ上を目指したいという選手は、このようなサービスを活用してみるのも良いかもしれません。 もちろん、社会人として働くことが前提なので待遇や条件などは擦り合わせが必要になるでしょうが、競技と仕事を両立できる企業をゼロから自力で探すよりはずっと近道のように感じます。自分で何でも解決するのではなく(それはそれで素晴らしいのですが)、わからないことはその道のスペシャリストに教えてもらうほうが早く正解にたどり着けるケースも多いはずです。 ちなみに、長距離だけでなく短距離でも普通に社会人として働きながら結果を残しているアスリートもいます。アクセルトラッククラブの草野誓也選手は32歳にして100m10秒28という自己新を出しました。昨年、草野選手と根岸紀仁選手に対談をしていただいた時は、2人とも「圧倒的な充実感」が印象的でした。生活の中に陸上競技を組み込み、それに対して情熱を注いでいる様子がビリビリ伝わってきました。 アクセルトラッククラブの草野誓也選手(左)と根岸紀仁選手。根岸選手は現在手術をしてリハビリ中とのことで、復活を待ってます! 【Zoom-up】Accel Track Club 仕事と競技を両立。社会人チームが「結果」を出せる理由とは? 陸上を続けるのもやめるのも、どのように続けるかにも正解はありません。一番大事なのは、自分がどのような人生を送りたいかだと思います。このコラムが少しでもみなさんが将来を考える上で参考になれば幸いです。山本慎一郎(やまもとしんいちろう) 月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、月陸Onlineでは「シューズレポ」を連載中。 |
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