2021.12.28
特別編
「箱根駅伝を好きになる“きっかけ”を伝授」
乃木坂46のメンバーで活躍し、“駅伝好きアイドル”として『観測史上、最大風速』の注目を集める「でんちゃん」こと、佐藤楓さんの連載コラム。普段「駅伝をあまり観たことがない」「これまで知らなかった」という方々も、でんちゃんを「きっかけ」に、駅伝に興味を持ったり、初めて見たりする人も多いはず。そこで特別編として、箱根駅伝とは? どれだけ走るの? どこを見ればいいの? という疑問をでんちゃんが解決! 駅伝を好きになるきっかけは理屈じゃなくて、いつだってこの胸の衝動から始まる! ぜひ箱根駅伝を好きになる“きっかけ”にしてください!
ノートに選手名や記録、特徴を書き込んでいるというでんちゃん
100年以上の歴史がある箱根駅伝
乃木坂46の佐藤楓です。いつもコラムを読んでくださりありがとうございます! ご存知の方もたくさんいると思いますが、箱根駅伝をこれまであまり見たことのない方に向けて、少しだけ大会の基礎知識や、見どころを紹介したいと思います。
箱根駅伝の第1回大会は1920年(大正9年)に行われ、来年が98回目。もっとも歴史がある駅伝です。正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」で、東京・大手町から神奈川・芦ノ湖を2日間かけて往復します。1月2日に往路5区間、3日に復路5区間、合計10区間217.1km。1人当たり20km以上を走ります。それを1本のタスキでつなぐ物語です。
お正月の風物詩で、「駅伝と言えば箱根駅伝」と思われている人もいるほど。1度は誰もが見たことがある大会だと思いますし、私も小さい時から親戚の家に集まって見ていました。大学、監督、選手も箱根駅伝のために1年間練習してきていると言っても過言ではないですし、いろんな人にとって大切な大会だと思います。
出場するのは関東学連所属の大学で、前回大会で10位までに入ったシード校と、予選会を勝ち上がった10校、そしてオープン参加として関東学生連合チーム(※本戦出場以外の予選会出場校のうち、出走経験のない選手で編成)の、合計21チームが出場します。
区間の特徴は? やっぱり山がポイント
やはり箱根駅伝と言えば「箱根の山」がポイント。山上りの5区が往路の最終区間、山下りの6区が復路のスタートです。ここで大逆転が起こるケースも多く、ドラマが待ち受けています。箱根駅伝は10区間あるため、選手層で差がつきます。1区間20km以上走るので、距離対応も求められます。
山区間以外では、 1区は絶対に遅れられない重要な区間。今回は東京五輪代表の三浦龍司選手(順天堂大学)や吉居大和選手(中央大学)が出走する可能性が高いです。もしかするとここに石田洸介選手(東洋大学)などが加わるハイレベルなレースになりそうな予感です。 2区は「花の2区」と言われるほど各校のエースが集まりますので注目です。今回は田澤廉選手(駒澤大学)、近藤幸太郎選手(青山学院大学)、イェゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学)が競り合う場面が見られるかもしれません! また、以前は“つなぎ区間”と言われていた3、4区の重要度が近年は増しています。今は“つなぎ”ではなくエース級の選手が投入されることも多く、2区よりも重視しているチームもあるようです。
これまで6区で差が広がる傾向にありましたが、最近では全体のレベルが上がっていて、57分台~58分前半が普通になってきました。6区で差がつくのは実は山を下り切った後のラストの3km。平地なのに「上り坂に感じる」というここが注目ポイントです。
8、9区は単独走になりますが、その中でどれだけ前を追いかけられるかが大事です。前回、青山学院大学が往路12位から4位まで上がったのは圧巻でした。シード権争いもあるので、重要な区間となります。
選手をチェックして区間を予想するのも楽しみの一つ
繰り上げスタートはいつもつらい
箱根駅伝は距離が長いため、繰り上げスタートが多いのも特徴です。繰り上げスタートは往路の鶴見(1-2区)、戸塚(2-3区中継)中継所で先頭から10分遅れ、平塚(3-4区)、小田原(4-5区)中継所は15分遅れで、復路は先頭から20分遅れで、繰り上げスタートになります。繰り上げスタートになると、仲間を待たずに中継所を走り出しますが、自校のタスキではなく主催者が用意したタスキでスタートとなります。
繰り上げスタートは見ていてつらいのですが、待っている仲間のために走る姿にはいつもジーンとなります。それでも、最終10区の走者だけは繰り上げになっても自校のタスキをかけてフィニッシュすることができます。
また、往路のフィニッシュで10分差がついたチームは、芦ノ湖を一斉にスタートします。そのため、見た目の順位と実際の順位では違うことになるので、いつも見ていてわからなくなってしまいます。中継のアナウンサーのみなさんも大変です!
監督の采配や「声」にも注目!
監督の采配も見どころの一つです。明日29日に区間エントリーが発表されますが、6人の補欠から当日変更で1日最大4人を交替することができます。29日の区間エントリー、そして当日の朝まで、誰が走るのかワクワク、ソワソワ、ドキドキしています。
監督から選手への掛け声にはいつも感動します。「あきらめるな!」「あと少しだぞ!」といった励ましがあったり、時に「休むな!」といった厳しい発破をかけたり、4年生に向ける言葉など、いつも心が動かされます。
補欠の選手、メンバー外の選手、給水の選手、マネージャー、スタッフなど、チーム一丸となって1本のタスキをつなぐのが一番の魅力です。これまで見たことのない方は、ぜひ箱根駅伝に触れてみてください!
佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」(From佐藤楓)最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
構成/向永拓史 撮影/船越陽一郎
乃木坂46佐藤楓の「駅伝ちゃんねる」
♯6今、話したい箱根駅伝がある
♯5全日本大学駅伝の思い出は眠らない
♯4もうすぐ~全日本大学駅伝~
♯3出雲と予選会のこと、知ってる?
♯2お互いに支え合って箱根駅伝本戦に行こう
♯1出雲駅伝はテレビ観戦したくなる
100年以上の歴史がある箱根駅伝
乃木坂46の佐藤楓です。いつもコラムを読んでくださりありがとうございます! ご存知の方もたくさんいると思いますが、箱根駅伝をこれまであまり見たことのない方に向けて、少しだけ大会の基礎知識や、見どころを紹介したいと思います。 箱根駅伝の第1回大会は1920年(大正9年)に行われ、来年が98回目。もっとも歴史がある駅伝です。正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」で、東京・大手町から神奈川・芦ノ湖を2日間かけて往復します。1月2日に往路5区間、3日に復路5区間、合計10区間217.1km。1人当たり20km以上を走ります。それを1本のタスキでつなぐ物語です。 お正月の風物詩で、「駅伝と言えば箱根駅伝」と思われている人もいるほど。1度は誰もが見たことがある大会だと思いますし、私も小さい時から親戚の家に集まって見ていました。大学、監督、選手も箱根駅伝のために1年間練習してきていると言っても過言ではないですし、いろんな人にとって大切な大会だと思います。 出場するのは関東学連所属の大学で、前回大会で10位までに入ったシード校と、予選会を勝ち上がった10校、そしてオープン参加として関東学生連合チーム(※本戦出場以外の予選会出場校のうち、出走経験のない選手で編成)の、合計21チームが出場します。区間の特徴は? やっぱり山がポイント
やはり箱根駅伝と言えば「箱根の山」がポイント。山上りの5区が往路の最終区間、山下りの6区が復路のスタートです。ここで大逆転が起こるケースも多く、ドラマが待ち受けています。箱根駅伝は10区間あるため、選手層で差がつきます。1区間20km以上走るので、距離対応も求められます。 山区間以外では、 1区は絶対に遅れられない重要な区間。今回は東京五輪代表の三浦龍司選手(順天堂大学)や吉居大和選手(中央大学)が出走する可能性が高いです。もしかするとここに石田洸介選手(東洋大学)などが加わるハイレベルなレースになりそうな予感です。 2区は「花の2区」と言われるほど各校のエースが集まりますので注目です。今回は田澤廉選手(駒澤大学)、近藤幸太郎選手(青山学院大学)、イェゴン・ヴィンセント選手(東京国際大学)が競り合う場面が見られるかもしれません! また、以前は“つなぎ区間”と言われていた3、4区の重要度が近年は増しています。今は“つなぎ”ではなくエース級の選手が投入されることも多く、2区よりも重視しているチームもあるようです。 これまで6区で差が広がる傾向にありましたが、最近では全体のレベルが上がっていて、57分台~58分前半が普通になってきました。6区で差がつくのは実は山を下り切った後のラストの3km。平地なのに「上り坂に感じる」というここが注目ポイントです。 8、9区は単独走になりますが、その中でどれだけ前を追いかけられるかが大事です。前回、青山学院大学が往路12位から4位まで上がったのは圧巻でした。シード権争いもあるので、重要な区間となります。 ※※1年前には企画で、乃木坂46佐藤楓“監督”が選ぶ箱根駅伝「乃木坂選抜」1・2期vs3・4期 総合優勝の行方は!?と題して、エントリー選手と区間の特徴を語ってくれています!これを見れば区間の特徴がわかるかも!? 選手をチェックして区間を予想するのも楽しみの一つ繰り上げスタートはいつもつらい
箱根駅伝は距離が長いため、繰り上げスタートが多いのも特徴です。繰り上げスタートは往路の鶴見(1-2区)、戸塚(2-3区中継)中継所で先頭から10分遅れ、平塚(3-4区)、小田原(4-5区)中継所は15分遅れで、復路は先頭から20分遅れで、繰り上げスタートになります。繰り上げスタートになると、仲間を待たずに中継所を走り出しますが、自校のタスキではなく主催者が用意したタスキでスタートとなります。 繰り上げスタートは見ていてつらいのですが、待っている仲間のために走る姿にはいつもジーンとなります。それでも、最終10区の走者だけは繰り上げになっても自校のタスキをかけてフィニッシュすることができます。 また、往路のフィニッシュで10分差がついたチームは、芦ノ湖を一斉にスタートします。そのため、見た目の順位と実際の順位では違うことになるので、いつも見ていてわからなくなってしまいます。中継のアナウンサーのみなさんも大変です!監督の采配や「声」にも注目!
監督の采配も見どころの一つです。明日29日に区間エントリーが発表されますが、6人の補欠から当日変更で1日最大4人を交替することができます。29日の区間エントリー、そして当日の朝まで、誰が走るのかワクワク、ソワソワ、ドキドキしています。 監督から選手への掛け声にはいつも感動します。「あきらめるな!」「あと少しだぞ!」といった励ましがあったり、時に「休むな!」といった厳しい発破をかけたり、4年生に向ける言葉など、いつも心が動かされます。 補欠の選手、メンバー外の選手、給水の選手、マネージャー、スタッフなど、チーム一丸となって1本のタスキをつなぐのが一番の魅力です。これまで見たことのない方は、ぜひ箱根駅伝に触れてみてください!佐藤 楓(さとう・かえで)/1998年3月23日生まれ。愛知県出身。161cm、A型。愛称はでんちゃん、でんじろう。サイリウムカラーは赤・赤。乃木坂46の3期生として2016年にデビュー。中学、高校とバドミントン部に所属。『帰り道は遠回りしたくなる』で初めて選抜入り。駅伝ファンとして知られ、駅伝関係の仕事も多数こなしている。10周年記念ベストアルバム『Time flies』が発売中。「乃木坂46の10年がぎゅっと詰まった素敵なアルバムです!シングルはデビュー曲から最新曲まで全部入っています。これを聴けば乃木坂46を知り尽くせると思います!」(From佐藤楓)最新情報は公式HPやブログ、インスタグラムをチェック! |
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