2021.12.20
東京五輪が開催された2021年、日本陸上界で多くの好記録が生まれた。2021年に誕生した五輪・世界選手権の実施種目における日本記録(タイ記録含む)は21個。これは前回リオ五輪が行われた2016年以降の「オリンピック周期」で2019年の18個を上回る最多となった。
リオ五輪の前年である15年も10個とふたケタ(※14年は4個)に乗っていることから、やはりオリンピック前年に数が上昇する傾向にある。東京五輪延期が決まる前の『五輪前年』2019年に18個だったのは傾向通りだが、今年20個も誕生したことは前回オリンピック開催年(16年3個)とは違いが見られる。なお、コロナ禍で昨年はシーズン半分がなくなったが、それでも6個誕生したのは上々だと言える。
◇至近8年の日本記録数
2014年:4個
2015年:10個
2016年:3個
2017年:3個
2018年:8個
2019年:18個
2020年:6個
2021年:21個
今年、最初の日本新のアナウンスは男子マラソン。2月のびわ湖毎日マラソンで鈴木健吾(富士通)が2時間4分56秒を叩き出した。また、6月に山縣亮太(セイコー)が100m9秒95をマークしたのには、陸上界以外からも大きな反響があった。
近年、次々と記録が塗り替えられている男女のスプリントハードルは今年もすさまじい活躍。男子110mハードルでは、4月に金井大旺(ミズノ)が13秒16をマークすると、6月の日本選手権では泉谷駿介(順大)が13秒06まで短縮した。女子は長年「壁」だった13秒を昨年、寺田明日香(ジャパンクリエイト)が打ち破ってからは、12秒台が当たり前に。寺田が12秒96、12秒87を立て続けに出すと、青木益未(七十七銀行)もそれに並んだ。男女で合計5つの日本記録だった。
今季、東京五輪を含めて衝撃的な活躍だったのが、女子1500mの田中希実(豊田自動織機TC)と、男子3000m障害の三浦龍司(順大)。ともに「世界から遠い種目」と言われる種目で、東京五輪入賞の快挙。いずれも東京五輪を含めて3度日本記録を更新した。
陸上ファンのみなさんはどの「日本記録誕生」が印象に残っただろうか。来年のオレゴン世界選手権、そして3年後のパリ五輪に向けて、この勢いが停滞することのない“記録ラッシュ”に期待だ!
男子
100m
山縣亮太 9秒95 6月6日/布勢スプリント
800m
源 裕貴 1分45秒75 7月17日/ホクレンディスタンス
1500m
荒井七海 3分37秒05 5月29日/ポートランド・トラックフェスティバル
河村一輝 3分35秒42 7月17日/ホクレンディスタンス
マラソン
鈴木健吾 2時間4分56秒 2月28日/びわ湖毎日マラソン
110mH
金井大旺 13秒16 4月29日/織田記念
泉谷駿介 13秒06 6月27日/日本選手権
3000m障害
三浦龍司 8分17秒46 5月9日/READY STEADY TOKYO
三浦龍司 8分15秒99 6月26日/日本選手権
三浦龍司 8分09秒92 7月30日/東京五輪
4×400mR
日本 3分00秒76 8月6日/東京五輪
女子
1500m
田中希実 4分04秒08 7月17日/ホクレンディスタンス
田中希実 4分02秒33 8月2日/東京五輪
田中希実 3分59秒19 8月4日/東京五輪
5000m
廣中璃梨佳 14分52秒84 8月2日/東京五輪
100mH
寺田明日香 12秒96 4月29日/織田記念
寺田明日香 12秒87 6月1日/木南記念
青木益未 12秒87 6月6日/布勢スプリント
七種競技
山崎有紀 5975点 5月23日/九州共立大チャレンジ競技会
男女混合
4×400mR 3分18秒76 5月2日/世界リレー
4×400mR 3分16秒67 6月1日/木南記念
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