【短期集中連載】
駅伝王者・東海大学のコンディショニング
第1弾 トレーニングを継続できる要因とは?(前編)
アスリートが強くなるためにはトレーニングが欠かせない。一方で、トレーニングを継続して消化するためには日々のコンディショニングが必要不可欠だ。では、正月の箱根駅伝で初優勝を果たし、今季は学生駅伝3冠を目指す東海大の選手たちは、どのような工夫をしてコンディションを整えているのか。その取り組みを探った。
この夏の練習は「パーフェクト」と自信を見せる3年生の西田壮志(中央)
米国合宿で感じた進歩
この夏、東海大駅伝チームは選抜メンバー26人が8月13日から約4週間日本を離れ、米国アリゾナ州フラッグスタッフで高地合宿を敢行した。
「今年度は三大駅伝制覇を狙うということで、従来とは違う取り組みもしなければいけないと考えて、アメリカで合宿をすることにしました。練習のボリュームは昨年よりも増えましたし、標高2100mにしてはスピード練習の質が高く、故障者もあまり出なかったので、力がついたかなと思います」(両角速駅伝監督)
長期合宿で指揮官が最も強く感じたのは、選手たちの競技に対する意識が高くなったことだという。そういった点も考慮してか、この夏は両角監督も選手の自主性を尊重してきた。
「過度なプレッシャーをかけたくないので、生活面には踏み込まないようにしてきました。箱根駅伝で優勝したことで、意欲と行動が目に見えて進歩したと思います。自分の目指すべき方向を見つけて、細かい取り組みができるようになりました。昔とは違いますね」
両角監督は日々、選手たちの成長を感じている。
チームを率いて9年目となる両角速駅伝監督。この夏は選手たちともトレーニングについてより深く話し合えるようになったという
個々でコンディショニングを工夫
長距離の強豪チームは集団生活でのルールが細かく決められているケースも多いが、この夏の東海大は前述したように比較的自由な状況の中で各自がコンディションを整えてきた。8月上旬の白樺湖合宿(長野)から9月中旬の紋別合宿(北海道)まで、夏の間はずっとAチームで練習していた西田壮志(3年)が自身の取り組みを明かす。
「この夏は『故障せず、練習に耐えられる身体を作ること』をテーマに、それが徹底できたかなと思います。朝食と夕食の後には、その時に不足していると感じた栄養素のサプリメントを飲んで、お風呂にもゆっくり浸かって身体をほぐすようにしました」
普段は午前6時から朝練習があり、消灯は22時。規則正しい生活をしながら、どのように回復力を高めていくかも練習を継続する上でのカギになる。
その中で、東海大が活用している「inゼリー」(森永製菓)もコンディショニングに一役買っているようだ。西田は言う。
「僕は今年からプロテインをとるようになりました。練習強度が上がると故障もしやすくなりますし、鬼塚(翔太)さんなど4年生が使っていたので、自分にも必要だと感じました」
選手たちは練習が終わるとすぐに「inゼリー」でプロテインを摂取する
西田の場合、ジョグとウエイトトレーニングの後には粉末のプロテインを水に溶かして飲み、ポイント練習の後にはinゼリープロテインを摂取している。その結果、昨年と一昨年は故障で満足に走れなかった8月の走行距離は980kmに到達。「身体が軽く感じて、各自ジョグの距離を延ばせるようになりました。三大駅伝はすべて区間賞を取りたい」と手応えを感じている。
今季1500mで関東インカレと日本インカレを制した1年生の飯澤千翔も、今年になってからプロテインを使うようになった1人だ。故障で昨年12月の全国高校駅伝を欠場した経験から「壊れない身体を作ろう」と肉体改造に着手。春までは100分ジョグや20kmジョグなどで距離を踏みながら、ウエイトトレーニングも導入した。そうした中でinゼリー プロテインが威力を発揮することになる。
「アレルギーではないんですけど、僕は牛乳が飲めない体質なので、ゼリーでタンパク質がとれるのはすごくありがたいですね。ポイント練習の次の日でも疲労が軽減されたような感覚がありますし、次の日も走り続けていくために大切だと思っています」(飯澤)
筋力が強化され、高校時代は58kgだった体重は62kgに増えた(身長は176cm)。山梨学院高時代はインターハイ1500mで7位と、決して世代ナンバーワンではなかった飯澤がブレイクを遂げた要因は、身体作りにもあったのかもしれない。
1500mで9月の日本インカレ(写真)を制するなど日本トップレベルに成長したルーキーの飯澤千翔
<後編はこちら>
<関連リンク>
・森永製菓「inゼリー」
・第2弾 レースで最大限の力を発揮するために
・第3弾 正月の大舞台へ、秋冬の「鍛錬期」をいかに過ごすか
・こちらの記事は『月刊陸上競技』2019年11月号に掲載しています
・現在発売中の2019年12月号では「第2弾 レースで最大限の力を発揮するために」を掲載しています
【短期集中連載】 駅伝王者・東海大学のコンディショニング
第1弾 トレーニングを継続できる要因とは?(前編)
アスリートが強くなるためにはトレーニングが欠かせない。一方で、トレーニングを継続して消化するためには日々のコンディショニングが必要不可欠だ。では、正月の箱根駅伝で初優勝を果たし、今季は学生駅伝3冠を目指す東海大の選手たちは、どのような工夫をしてコンディションを整えているのか。その取り組みを探った。
米国合宿で感じた進歩
この夏、東海大駅伝チームは選抜メンバー26人が8月13日から約4週間日本を離れ、米国アリゾナ州フラッグスタッフで高地合宿を敢行した。 「今年度は三大駅伝制覇を狙うということで、従来とは違う取り組みもしなければいけないと考えて、アメリカで合宿をすることにしました。練習のボリュームは昨年よりも増えましたし、標高2100mにしてはスピード練習の質が高く、故障者もあまり出なかったので、力がついたかなと思います」(両角速駅伝監督) 長期合宿で指揮官が最も強く感じたのは、選手たちの競技に対する意識が高くなったことだという。そういった点も考慮してか、この夏は両角監督も選手の自主性を尊重してきた。 「過度なプレッシャーをかけたくないので、生活面には踏み込まないようにしてきました。箱根駅伝で優勝したことで、意欲と行動が目に見えて進歩したと思います。自分の目指すべき方向を見つけて、細かい取り組みができるようになりました。昔とは違いますね」 両角監督は日々、選手たちの成長を感じている。
個々でコンディショニングを工夫
長距離の強豪チームは集団生活でのルールが細かく決められているケースも多いが、この夏の東海大は前述したように比較的自由な状況の中で各自がコンディションを整えてきた。8月上旬の白樺湖合宿(長野)から9月中旬の紋別合宿(北海道)まで、夏の間はずっとAチームで練習していた西田壮志(3年)が自身の取り組みを明かす。 「この夏は『故障せず、練習に耐えられる身体を作ること』をテーマに、それが徹底できたかなと思います。朝食と夕食の後には、その時に不足していると感じた栄養素のサプリメントを飲んで、お風呂にもゆっくり浸かって身体をほぐすようにしました」 普段は午前6時から朝練習があり、消灯は22時。規則正しい生活をしながら、どのように回復力を高めていくかも練習を継続する上でのカギになる。 その中で、東海大が活用している「inゼリー」(森永製菓)もコンディショニングに一役買っているようだ。西田は言う。 「僕は今年からプロテインをとるようになりました。練習強度が上がると故障もしやすくなりますし、鬼塚(翔太)さんなど4年生が使っていたので、自分にも必要だと感じました」
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2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
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追跡箱根駅伝&高校駅伝