2021.12.18
1500mで参加者中最速タイムを持つ稲美(兵庫)のエース・吉川菜緒
第29回全国中学駅伝は12月19日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。女子は1区、5区が3km、2区から4区までが2kmの5区間12kmに各都道府県代表と開催地代表を加えた48チームが出場する。2年ぶりの大会を制するのは果たしてどのチームか。
初V目指す稲美 桂は6度目の優勝なるか
稲美(兵庫)、桂(京都)、浅川(福岡)が優勝争いの中心となるが、3校以外のチームにもチャンスがあり、混戦模様となっている。
エースを擁する点では近畿大会優勝の稲美が他校を1歩リードしている。2年生の吉川菜緒は全中1500mで5位入賞の実績を持ち、持ちタイムの1500m4分31秒98、3000m9分48秒76はいずれも参加者中トップ。県大会、近畿大会ともに1区を務め、チームをレースの流れに乗せる走りを見せた。また両大会では3区の吉川陽菜(2年)、4区の湊友希(2年)が区間賞を獲得し、2km区間にも自信を持つ。あとは全中800mに出場している長野亜美、アンカーを務めている藤田直子の3年生コンビも強力で、隙のないオーダーで挑む。2区までに先頭が見える位置をキープできていれば、優勝がグッと近づくだろう。
2014年~18年に全国5連覇の金字塔を打ち立てた桂は、今回もV候補。今季、個人では全国大会に出場した選手はいないものの、総合力で京都府大会を勝ち抜いてきた。佐藤ゆあ(3年)、西川綾乃(2年)、伊藤愛波(2年)が3000mで10分10秒台の記録を持ち、府大会では佐藤、近畿大会では西川と伊藤が3km区間を担ってきた。男子同様に選手層には自信があり、誰が走っても区間上位の好走が期待できる。優勝するにはスターターとなる1区の走りが大きなカギを握る。
浅川は前々回の3位入賞校。2年前に2区区間2位と好走した永沼妃織(3年)がエースへと成長し、3000mでは9分54秒34をマークしている。ただ、決して永沼だけではないのが浅川の強みで、県大会では3区以降を務めた中村梨央奈(1年)、原田綾夏(2年)、一木亜美(1年)と下級生たちが区間賞を獲得している。稲美や桂に対し、常にリードを保つレースで終盤に持ち込みたい。
山鹿、北浜もメダルの可能性
個々の持ちタイムなどでは上位の3校に及ばないものの、展開次第ではメダルを狙えそうなのが、山鹿(熊本)と北浜(静岡)だ。
前々回5位の山鹿はそのレースで3区区間3位と好走した石川美沙希(3年)が中心。3000m10分20秒台の杉山夏菜(2年)や1500m4分40秒台の星子仁美(3年)がこれに続き、主要区間を受け持つ見込み。2年前を上回る順位をターゲットにする。北浜は全中1500m出場の鈴木しえる(3年)をはじめ、3000m10分40秒以内の選手が3人と充実。県大会では1区の鈴木が4位でスタートすると、2区以降はすべて区間トップで駆け抜けた。
しらかし台(宮城)は伊藤夕梛を中心に上位を目指す
強力なエースの走りで上位を目指すのがしらかし台(宮城)、宇和島城南(愛媛)。800mで今季中学ランキング2位の伊藤夕梛(3年)がいるしらかし台は宮城県勢最高の7位以上がターゲット。宇和島城南は全中1500mとU16陸上1000mで入賞している山本祐希(3年)を擁する。ともに1区で好スタートを目論み、レースの流れに乗って入賞を目指す。
この他にも入賞候補は吉備(岡山)、鷹取(広島)、矢作北(愛知)と多士済々。吉備は2年前に1区を走った松尾莉奈(3年)が残り、大会新で県大会を制した。1500m4分40秒台の選手が3人いる鷹取は2km区間で浮上を狙う。矢作北は3000m10分10秒台の秋竹凛音(3年)、秋竹奏音(3年)に加え、800mで全中に出場した内田詩乃(3年)がスピードを生かした走りを見せられるか。他にも地区大会を制した中郷(茨城)や会津若松一(福島)、十日町南(新潟)や、伊万里(佐賀)、西諫早(長崎)の九州勢や、初出場の常盤平(千葉)の名前も挙がる。
スタートは11時00分、レースの模様はYouTubeでもライブ配信される。

初V目指す稲美 桂は6度目の優勝なるか
稲美(兵庫)、桂(京都)、浅川(福岡)が優勝争いの中心となるが、3校以外のチームにもチャンスがあり、混戦模様となっている。 エースを擁する点では近畿大会優勝の稲美が他校を1歩リードしている。2年生の吉川菜緒は全中1500mで5位入賞の実績を持ち、持ちタイムの1500m4分31秒98、3000m9分48秒76はいずれも参加者中トップ。県大会、近畿大会ともに1区を務め、チームをレースの流れに乗せる走りを見せた。また両大会では3区の吉川陽菜(2年)、4区の湊友希(2年)が区間賞を獲得し、2km区間にも自信を持つ。あとは全中800mに出場している長野亜美、アンカーを務めている藤田直子の3年生コンビも強力で、隙のないオーダーで挑む。2区までに先頭が見える位置をキープできていれば、優勝がグッと近づくだろう。 2014年~18年に全国5連覇の金字塔を打ち立てた桂は、今回もV候補。今季、個人では全国大会に出場した選手はいないものの、総合力で京都府大会を勝ち抜いてきた。佐藤ゆあ(3年)、西川綾乃(2年)、伊藤愛波(2年)が3000mで10分10秒台の記録を持ち、府大会では佐藤、近畿大会では西川と伊藤が3km区間を担ってきた。男子同様に選手層には自信があり、誰が走っても区間上位の好走が期待できる。優勝するにはスターターとなる1区の走りが大きなカギを握る。 浅川は前々回の3位入賞校。2年前に2区区間2位と好走した永沼妃織(3年)がエースへと成長し、3000mでは9分54秒34をマークしている。ただ、決して永沼だけではないのが浅川の強みで、県大会では3区以降を務めた中村梨央奈(1年)、原田綾夏(2年)、一木亜美(1年)と下級生たちが区間賞を獲得している。稲美や桂に対し、常にリードを保つレースで終盤に持ち込みたい。山鹿、北浜もメダルの可能性
個々の持ちタイムなどでは上位の3校に及ばないものの、展開次第ではメダルを狙えそうなのが、山鹿(熊本)と北浜(静岡)だ。 前々回5位の山鹿はそのレースで3区区間3位と好走した石川美沙希(3年)が中心。3000m10分20秒台の杉山夏菜(2年)や1500m4分40秒台の星子仁美(3年)がこれに続き、主要区間を受け持つ見込み。2年前を上回る順位をターゲットにする。北浜は全中1500m出場の鈴木しえる(3年)をはじめ、3000m10分40秒以内の選手が3人と充実。県大会では1区の鈴木が4位でスタートすると、2区以降はすべて区間トップで駆け抜けた。
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