2019.11.07
連載3区
「全日本大学駅伝は東海大学が優勝!」
11月3日(日)に行われた全日本大学駅伝。今年の伊勢路も、白熱した戦いが繰り広げられました。みなさんはご覧になりましたか?
当日のエントリー変更がない出雲駅伝とは異なり、全日本大学駅伝は当日変更が3名まで可能。そのため、11月1日(金)の区間エントリー発表の際には、東洋大学の相澤晃選手(4年)、駒澤大学の田澤廉選手(1年)、國學院大學の浦野雄平選手(4年)、青山学院大学の吉田圭太選手(3年※吉の上は「土」)など、各大学エース級の選手が補欠に入り、当日まで手の内を明かさない各校の戦略が今年も見られました。
多くの駅伝ファンの方々は、「いったいどの選手が何区を当日走るのか……」とワクワクしながら考えていたのではないでしょうか。私もみなさんと同じく、この予想をする時間が大好きなんです!
「え? この選手、当日は何区いくのかな?」とか「このままいくとこの選手とこの選手がついに直接対決!?」とか……そんなことを1人でニヤニヤ考えていたりしています^ ^
優勝したのは東海大学!
白熱した展開!
見事〝大学駅伝日本一〟の称号を手にしたのは、今年正月の箱根駅伝の覇者でもある、東海大学。16年ぶり2度目の優勝を果たしました。
1区の小松陽平選手(4年)が区間3位と好スタートを切り、4区の西田壮志選手(3年)が区間賞・区間新記録でチームを2位に押し上げます。そしてついに5区の市村朋樹選手(2年)でトップに。7区を務めたのは松尾淳之介選手(4年)。青学大に逆転されるものの粘りの走りで2秒差にとどめ、8区の名取燎太選手(3年)の快走で首位奪回し、そのままフィニッシュテープを切りました。
6区を走った郡司陽大選手(4年)も区間新記録となる圧巻の走りでした。レース後のインタビューで喜びを語った彼。出場できなかった出雲駅伝の時とは一転して、その笑顔を見られたことは、ファンの方々もうれしかったと思います。やはり郡司選手には笑顔が似合いますね!
7区の松尾選手は、2018年箱根駅伝以来の駅伝出場でした。1度は青山学院大学のエース吉田選手に逆転されながらも、粘り強い走りを見せました。個人的なMVPだと思います。
途中、一時は吉田選手に追いつかれ突き放されてしまいましたが、後半の粘り強い走りで追い上げ、16km地点で再び並びます。その後は引き離されることなく青山学院大学と2秒差でタスキをつないだことで、優勝に大きく貢献しました。タイムだけでなく、最高学年としての覚悟や意地を感じる走りは、きっとチームにも大きな影響を与えたことでしょう。
全日本大学駅伝結果
名取選手が〝モロプロ〟で復活
アンカーを任された名取選手は、今大会が三大駅伝初出場。長野県の佐久長聖高校出身で、私自身、同郷ということもあり大学入学当初から注目していたのですが、ケガが続き、これまで駅伝出場は叶わずにいました。しかしケガが多くても決して腐らず、ひたむきにがんばる名取選手に対し、指揮官である両角速監督は、名取選手復活プロジェクト、『通称〝モロプロ〟』を始めていたようです。
例えば、名取選手の練習では両角監督が一緒に走ったそうです。さらに、関東インカレのハーフマラソンの際には、名取選手のシューズがレース前に気温によって熱くならないよう専用のクーラーボックスで運んだとの情報も。
(ちなみに、このクーラーボックスは両角監督が購入し、自宅で氷を詰めるなどの準備をしてインカレの招集所まで運んだとのこと!)
名取選手自身の努力と、そんな両角監督による献身的な『モロプロ』の効果もあり、徐々に復活の兆しを見せ、先月に行われた「札幌マラソン(ハーフ)」では大会記録を更新して優勝するなどの好調ぶり。〝絶好調男〟と呼ばれるまでの存在になりました。
そして、今回の全日本大学駅伝。松尾選手から2位でタスキを受け取ると、まさに〝絶好調男〟の名にふさわしい走りで前を行く青山学院大学を猛追します。再び首位を奪取し、そのまま逃げ切りV。名取選手は閉会式で大会MVPに選出されました。
出雲駅伝では下級生が比較的目立った印象だったのに対して、全日本大学駅伝では下級生に負けじと奮起した3、4年生の活躍が見られ、8区間の選手配置がバッチリ決まって優勝となりました。
さらに、陸上界からは〝黄金世代〟とも言われる中でも、常にチームを引っ張ってきた存在(キャプテンの館澤亨次選手、鬼塚翔太選手、阪口竜平選手、關颯人選手)が不在での優勝は、東海大学の選手層の厚さを改めて証明した大会でもありました。
学生駅伝三冠を目指していた東海大学にとっては、出雲駅伝で4位と悔しい駅伝シーズン幕開けとなっていました。それでも、そこからわずか2週間でチームを立て直し、全日本大学駅伝で優勝。その強さは、さすが〝箱根王者〟らしいものでした。
あらめまして、東海大学のみなさん、おめでとうございます!
月陸さんが編集された東海大学の箱根駅伝優勝記念誌です!
他にも東洋大学・相澤選手の驚異的な力走、今季上り調子の東京国際大学、名門校として見せ場を作った順天堂大学、出雲王者・國學院大學のジャージがオシャレ過ぎる件……(笑)。
まだまだ書き切れないことがたくさんあるので、来週のコラムの内容は全日本大学駅伝の〝後半戦〟にする予定です!
以上、西村菜那子でした!
※Twitterのハッシュタグ「♯西村菜那子の陸上日記」で感想や質問、コラムの内容など随時募集中!
![]() NGT48 西村菜那子(にしむら・ななこ) 1997年8月11日生/O型/長野県出身 特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記 趣味:陸上観戦、サッカー観戦 2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。昨年、『富士山女子駅伝』の生中継番組公式応援アイドルとして副音声を務めるなど、駅伝関連のメディア出演も多数。 西村菜那子モバイルサイト ●Information リリースや出演など最新情報はNGT48公式HPまで 「仁義なき戦い~彼女(おんな)たちの死闘篇~」 昭和の名作映画「仁義なき戦い」が、博多座開場20周年記念 AKB48グループ特別公演として舞台化。上演は11月9日から。上田透役で出演。博多座公式公演ページ 「純血の女王」 ILLUMINUSが手がけるネオゴシックガールズ演劇プロジェクト第3弾。12月18日~22日、六行会ホールにて上演。北澤早紀(AKB48)とのダブル主演を務める。舞台「純血の女王」HP ※上演スケジュールやチケット購入など詳細はHPにて |

連載3区 「全日本大学駅伝は東海大学が優勝!」
11月3日(日)に行われた全日本大学駅伝。今年の伊勢路も、白熱した戦いが繰り広げられました。みなさんはご覧になりましたか? 当日のエントリー変更がない出雲駅伝とは異なり、全日本大学駅伝は当日変更が3名まで可能。そのため、11月1日(金)の区間エントリー発表の際には、東洋大学の相澤晃選手(4年)、駒澤大学の田澤廉選手(1年)、國學院大學の浦野雄平選手(4年)、青山学院大学の吉田圭太選手(3年※吉の上は「土」)など、各大学エース級の選手が補欠に入り、当日まで手の内を明かさない各校の戦略が今年も見られました。 多くの駅伝ファンの方々は、「いったいどの選手が何区を当日走るのか……」とワクワクしながら考えていたのではないでしょうか。私もみなさんと同じく、この予想をする時間が大好きなんです! 「え? この選手、当日は何区いくのかな?」とか「このままいくとこの選手とこの選手がついに直接対決!?」とか……そんなことを1人でニヤニヤ考えていたりしています^ ^
白熱した展開!
見事〝大学駅伝日本一〟の称号を手にしたのは、今年正月の箱根駅伝の覇者でもある、東海大学。16年ぶり2度目の優勝を果たしました。 1区の小松陽平選手(4年)が区間3位と好スタートを切り、4区の西田壮志選手(3年)が区間賞・区間新記録でチームを2位に押し上げます。そしてついに5区の市村朋樹選手(2年)でトップに。7区を務めたのは松尾淳之介選手(4年)。青学大に逆転されるものの粘りの走りで2秒差にとどめ、8区の名取燎太選手(3年)の快走で首位奪回し、そのままフィニッシュテープを切りました。 6区を走った郡司陽大選手(4年)も区間新記録となる圧巻の走りでした。レース後のインタビューで喜びを語った彼。出場できなかった出雲駅伝の時とは一転して、その笑顔を見られたことは、ファンの方々もうれしかったと思います。やはり郡司選手には笑顔が似合いますね! 7区の松尾選手は、2018年箱根駅伝以来の駅伝出場でした。1度は青山学院大学のエース吉田選手に逆転されながらも、粘り強い走りを見せました。個人的なMVPだと思います。 途中、一時は吉田選手に追いつかれ突き放されてしまいましたが、後半の粘り強い走りで追い上げ、16km地点で再び並びます。その後は引き離されることなく青山学院大学と2秒差でタスキをつないだことで、優勝に大きく貢献しました。タイムだけでなく、最高学年としての覚悟や意地を感じる走りは、きっとチームにも大きな影響を与えたことでしょう。 全日本大学駅伝結果名取選手が〝モロプロ〟で復活


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