2019.10.04
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第11回「羽ばたけ日本の中距離! ~10月19日の新潟・ビッグスワンで歴史が変わるか~」(井上 敦)
ドーハ世界選手権が終盤を迎えました。日本時間では深夜から早朝の放送ですが、陸上ファンの皆さまはご覧になっていますか。
さて、今回は私が高校時代に専門としていた1500mを含む中距離の話をしようと思います。断っておきますが、個人的な思いによる応援の内容なので、「なるほど~」と思う知識的要素はありません。あしからず。
陸上の盛んな欧州で中距離種目は人気種目と言われていて、盛り上がりを見せています。スパートや位置取りの駆け引き、ランナー同士の接触・・・・・などなど、陸上の格闘技とも言われます。
国際陸連(IAAF)の会長を務めるセバスチャン・コー氏(英国)も、現役時代は世界的に名を馳せた中距離のトップ選手でした。
一方の日本はどうでしょうか。
短距離が男子のリレーを中心に盛り上がり、長距離はマラソンや駅伝で人気を集めていますが、中距離はというとやや〝控え目〟な存在です。
男子の800mは2014年に日本記録が更新されましたが、1500mは2004年、女子の800mが2005年、1500mは2006年にそれぞれマークされてから、現在(2019年10月4日時点)残っています。
詳しくは
また、世界のトップとの実力差もあって、今回のドーハの世界選手権の代表はいませんでした。
ちなみに来年の東京五輪の参加標準記録は下記をご覧ください。ドーハ世界選手権(カッコ内)と比べると、いずれも種目も水準が高くなりました。
●男子
800m→1分45秒40(1分45秒80)
1500m→3分35秒00(3分36秒00)
●女子
800m→1分59秒50(2分00秒60)
1500m→4分04秒20(4分06秒50)
出場条件にはワールドランキングも併用されるようですので、これよりも低い水準で出場できる可能性もありますが、現在の日本の競技レベルにとってはハードルが高いです。
それでも、個人的には、何とかがんばって56年ぶりに日本で行われる来年のオリンピックに出てほしいと願っています。
そのためのレースが、10月19日の「DENKA ATHLETICS CHALLENGE」(新潟市・デンカビッグスワンスタジアム)で行われます。新潟では初の日本グランプリシリーズです。
Denka Athletics Challenge Cup 2019
トラックレースが中心ですが、なかでも男女それぞれの800m、1500mはペースメーカーが用意されるとのこと。日本記録更新を視野に入れたレースが予想されます。
男子1500mには、7月に日本歴代2位の3分37秒90をマークした今季好調の戸田雅稀(サンベルクス)がエントリーしています。日本記録まであと0秒48。15年ぶりの日本新が生まれてほしいですね。
自己ベストで男子1500mの日本記録にあと0秒48と迫っている戸田雅稀選手(サンベルクス)
また、日本インカレで1年生優勝した飯澤千翔選手(東海大)の名前もあります。飯澤選手は2001年生まれですので、1999年に佐藤清治選手(長野・佐久長聖高)がマークしたU20日本記録(3分38秒49)の20年ぶり更新もあるかもしれません。
日本インカレ男子1500mで優勝した飯澤千翔選手(東海大)
女子800mと1500mには、ドーハ世界選手権の金メダリスト、ハリマー・ナカアイ選手(ウガンダ)がエントリーしていて、1500mにはドーハ世界選手権800m4位のウィニー・ナニョンド選手(ウガンダ)が参戦する予定です。
男子800mでは日本記録(1分45秒75)保持者の川元奨選手(スズキ浜松AC)がエントリーしています。
世界選手権からまもないですが、海外勢どんな走りを見せるか、そして、日本人選手が食らいついて日本記録、また大幅自己新を出してほしいですね。
会場のデンカビッグスワンスタジアムは2001年に竣工で、03年に陸上トラックが設置されました。住所は新潟市中央区清五郎となっていることから、本拠地にしているサッカーのアルビレックス新潟のサポーターを中心に「清五郎」とも呼ばれています。
この清五郎・・・・・・、もといビッグスワンは、ヤンマースタジアム長居(大阪)ほど有名ではありませんが、スタジアム内を風が回るようで、周回種目で好記録が出ることもあります。
昨年10月にこのビッグスワンで行われた記録会では、当時高校2年のクレイ・アーロン竜波選手(相洋高・神奈川)が男子800mで高校新記録をマークしていますし、ドーハ世界選手権5000mで決勝に進んだ田中希実選手(豊田自動織機TC/当時ND28AC)が世界選手権の参加標準記録を突破しています。
デンカビッグスワンスタジアムの1500mスタートライン。10月19日に歴史が変わるか
愛称「ビッグスワン」は隣接する鳥屋野潟に飛来する白鳥が羽を広げる瞬間と、スタジアムの屋根の形にちなんだとか。この競技場で、日本中距離界が羽ばたくようなうれしいニュースが飛び込んでくるのを待っています。
井上 敦(いのうえ・あつし) 1978年8月生まれ。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。デンカビッグスワンスタジアムは実家から一番近い陸上競技場(といっても車で20分ほどの距離だが)。取材などで何度も行っているが、陸上トラックは2003年の設置。すでにアスリートではなく、レースで走ったことは一度もない。 |
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第11回「羽ばたけ日本の中距離! ~10月19日の新潟・ビッグスワンで歴史が変わるか~」(井上 敦)
ドーハ世界選手権が終盤を迎えました。日本時間では深夜から早朝の放送ですが、陸上ファンの皆さまはご覧になっていますか。 さて、今回は私が高校時代に専門としていた1500mを含む中距離の話をしようと思います。断っておきますが、個人的な思いによる応援の内容なので、「なるほど~」と思う知識的要素はありません。あしからず。 陸上の盛んな欧州で中距離種目は人気種目と言われていて、盛り上がりを見せています。スパートや位置取りの駆け引き、ランナー同士の接触・・・・・などなど、陸上の格闘技とも言われます。 国際陸連(IAAF)の会長を務めるセバスチャン・コー氏(英国)も、現役時代は世界的に名を馳せた中距離のトップ選手でした。 一方の日本はどうでしょうか。 短距離が男子のリレーを中心に盛り上がり、長距離はマラソンや駅伝で人気を集めていますが、中距離はというとやや〝控え目〟な存在です。 男子の800mは2014年に日本記録が更新されましたが、1500mは2004年、女子の800mが2005年、1500mは2006年にそれぞれマークされてから、現在(2019年10月4日時点)残っています。 詳しくは https://www.rikujyokyogi.co.jp/nationalrecords また、世界のトップとの実力差もあって、今回のドーハの世界選手権の代表はいませんでした。 ちなみに来年の東京五輪の参加標準記録は下記をご覧ください。ドーハ世界選手権(カッコ内)と比べると、いずれも種目も水準が高くなりました。 ●男子 800m→1分45秒40(1分45秒80) 1500m→3分35秒00(3分36秒00) ●女子 800m→1分59秒50(2分00秒60) 1500m→4分04秒20(4分06秒50) 出場条件にはワールドランキングも併用されるようですので、これよりも低い水準で出場できる可能性もありますが、現在の日本の競技レベルにとってはハードルが高いです。 それでも、個人的には、何とかがんばって56年ぶりに日本で行われる来年のオリンピックに出てほしいと願っています。 そのためのレースが、10月19日の「DENKA ATHLETICS CHALLENGE」(新潟市・デンカビッグスワンスタジアム)で行われます。新潟では初の日本グランプリシリーズです。 Denka Athletics Challenge Cup 2019 トラックレースが中心ですが、なかでも男女それぞれの800m、1500mはペースメーカーが用意されるとのこと。日本記録更新を視野に入れたレースが予想されます。 男子1500mには、7月に日本歴代2位の3分37秒90をマークした今季好調の戸田雅稀(サンベルクス)がエントリーしています。日本記録まであと0秒48。15年ぶりの日本新が生まれてほしいですね。
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デンカビッグスワンスタジアムの1500mスタートライン。10月19日に歴史が変わるか
井上 敦(いのうえ・あつし) 1978年8月生まれ。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。デンカビッグスワンスタジアムは実家から一番近い陸上競技場(といっても車で20分ほどの距離だが)。取材などで何度も行っているが、陸上トラックは2003年の設置。すでにアスリートではなく、レースで走ったことは一度もない。 |
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