2021.11.07
◇第53回全日本大学駅伝(2021年11月7日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km)
学生駅伝日本一を決める全日本大学駅伝。めまぐるしく順位が変動する展開となった今年の伊勢路は、前回王者の駒大が5時間12分58秒で優勝した。2年ぶり14回目の制覇。
駒大は1区を務めたルーキーの佐藤条二が、自身も驚きの27分05秒という区間新記録で区間賞を獲得。だが、その後は苦しい継走が続き、2区・青柿響(2年)は区間10位、3区・佃康平(4年)は区間12位で、一時は11位まで順位を落とした。
だが、ここから王者の逆襲が始まる。続く赤星雄斗(2年)が区間4位で2つ順位を上げると、タスキを受けた東山静也(3年)は粘りの走りで順位をキープ。圧巻だったのは6区の安原太陽(2年)。次々と前をかわすと、37分30秒の区間2位で5人抜きの4位まで浮上した。
7区に入ったエースで主将の田澤廉(3年)が、「今回は主力選手が欠けて厳しいレースとなると思っていました。エースらしい走りをしよう」という言葉通り、50分36秒の区間賞で一気にトップに躍り出た。
最後は花尾恭輔(2年)が走り出したが、8km過ぎに長い距離が得意の青学大・飯田貴之(4年)が追いつくと、しばらく並走が続く。息詰まるデッドヒートの末、残り2kmを切ったところで花尾がペースアップ。これに飯田がつけず、徐々に差が開き歓喜のフィニッシュテープを切った。
鈴木芽吹(2年)がメンバー外になるなど故障者が相次ぐなか、圧倒的な選手層を見せての連覇となった。青学大が8秒差で悔しい2位。1位と2位の8秒差は史上最小差。飯田はフィニッシュ後涙を流し崩れ落ちた。
大八木弘明監督コメント
「今日はベストメンバーではなかったですが、よくこのメンバーで走ってくれました。選手たちを褒めたい。6区以降で絶対に前に行くんだとミーティングでも話していました。5区までの選手たちが『少しでも差をなくすんだ』という気持ちが入っていた。これから油断せず、箱根駅伝に向けてしっかりやっていきます」
■駒澤大のメンバー
1区 佐藤条二(1年) 27分05秒(区間1位、区間新)
2区 青柿響(2年) 32分35秒(区間10位)
3区 佃康平(4年) 34分42秒(区間12位)
4区 赤星雄斗(2年) 34分18秒(区間4位)
5区 東山静也(3年) 37分00秒(区間8位)
6区 安原太陽(2年) 37分30秒(区間2位)
7区 田澤廉(3年) 50分36秒(区間1位)
8区 花尾恭輔(2年)59分12秒(区間4位)
補員:中島隆太(3年)、円健介(3年)、赤津勇進(2年)、唐澤拓海(2年)、白鳥哲汰(2年)
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