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2021.10.21

五輪代表対決は青山華依がV!追い風参考ながら11秒45 男子最速は関学大・桒原拓也/関西IC
五輪代表対決は青山華依がV!追い風参考ながら11秒45 男子最速は関学大・桒原拓也/関西IC


◇第98回関西学生陸上競技対抗選手権大会(大阪・ヤンマーフィールド長居)

春から延期となっていた関西インカレのトラック&フィールド2日目に注目の男女100mが行われ、ともに追い風参考ながら好記録が誕生した。

先に行われた女子は、東京五輪女子4×100mリレー代表対決に。大会3連覇を目指す齋藤愛美(大阪成蹊大)と、スーパールーキーの青山華依(甲南大1)が激突した。3日前の田島記念では齋藤が300m3位、青山が100mで2位とタイトルに届かなかった2人。レースは「ずっと課題だったスタートに集中したら、予選からすっと出ることができ、いい流れで決勝を迎えられました」という青山が、3.4mの追い風参考とはいえ自己ベストの11秒57を大きく上回る11秒45で駆け抜けて優勝した。「愛美さんと走るので(決勝の)レース前は緊張しました。最後は足音が聞こえてヒヤヒヤでしたが優勝できてうれしい」と1年生Vに笑顔が弾ける。

これが学生最後のレースとなった齋藤。「負けたことは悔しいですが、今季はシーズンが長く、もうガス欠状態のなか、自分なりにはよくまとめられたと思います」と納得の表情。「最後は青山がバタバタになっていたので追いつけるかもと思いましたがダメでしたね。でも学生最後のレースで(五輪をともに戦った)青山と走れて楽しかったです」と0秒07差の2位にも納得の表情だった。

五輪後は、「疲れなどもあり、心と身体のバランスを保つのが大変だった」(齋藤)。そうした中でも五輪代表の貫禄を見せて会場を沸かせた。

一方、1部男子100mは、9月の日本インカレでも決勝に進み4、5、7位の桒原拓也(関学大)、佐々木啓輔(立命大)、本多諒平(関大)に加え、同200m2位の上山紘輝(近大)と有力スプリンターが決勝で顔をそろえた。序盤から激しいバトルを展開したが、最後は身体半分前に出た桒原が植本尚輝(京産大)、上山の猛追をかわし、10秒17(+3.8)の好記録で初優勝。0.01秒差で植本が続き、3位には10秒20で上山が入った。

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「優勝、最低でもメダルを狙っていた日本インカレで4位に敗れたリベンジを果たせました」と桒原。関西インカレでは多田修平(現・住友電工)が4連覇するなど、関学大が覇権を握っており、昨年の小倉朱佑に続いて「関学の連覇を途切れさせず良かった」と語り、「後輩にうまくバトンをつなぐことができました」と笑顔を見せる。タイムについては「公認でこのタイムならよかったですが、10秒2台前半を目標にしていたので満足です」と満足げだった。

神吉中(兵庫)時代には走高跳で全中優勝。高校では混成競技に打ち込み近畿インターハイで7位だった。一浪を経て関学大に入り、しばらくはクラブチームで走っていたが、一念発起し1年の秋から陸上競技部に入ったという変わり種。高校時代も10秒73で走っていたが、2年時に10秒36までベストを更新して注目される存在となっていた。「五輪など世界を目指す覚悟ができていない」ことを理由に競技はこれで一区切りを付けてIT系の企業に進むというが、少し競技継続への思いものぞかせていた。100分の1秒差でVを逃した植本は、「優勝できなかったのは悔しいですが、日本インカレで決勝に残れなかった借りは返せた」と淡々と話していた。

他では、女子やり投で日本インカレ覇者の武本紗栄(大体大)が58m03を投げ、大会記録(59m22)の更新はならなかったものの、この種目では大会初となる4連覇を達成。1部男子十種競技では同じく日本インカレを制している川元莉々輝(立命大)が7016点で貫禄勝ちを収めた。

◇第98回関西学生陸上競技対抗選手権大会(大阪・ヤンマーフィールド長居) 春から延期となっていた関西インカレのトラック&フィールド2日目に注目の男女100mが行われ、ともに追い風参考ながら好記録が誕生した。 先に行われた女子は、東京五輪女子4×100mリレー代表対決に。大会3連覇を目指す齋藤愛美(大阪成蹊大)と、スーパールーキーの青山華依(甲南大1)が激突した。3日前の田島記念では齋藤が300m3位、青山が100mで2位とタイトルに届かなかった2人。レースは「ずっと課題だったスタートに集中したら、予選からすっと出ることができ、いい流れで決勝を迎えられました」という青山が、3.4mの追い風参考とはいえ自己ベストの11秒57を大きく上回る11秒45で駆け抜けて優勝した。「愛美さんと走るので(決勝の)レース前は緊張しました。最後は足音が聞こえてヒヤヒヤでしたが優勝できてうれしい」と1年生Vに笑顔が弾ける。 これが学生最後のレースとなった齋藤。「負けたことは悔しいですが、今季はシーズンが長く、もうガス欠状態のなか、自分なりにはよくまとめられたと思います」と納得の表情。「最後は青山がバタバタになっていたので追いつけるかもと思いましたがダメでしたね。でも学生最後のレースで(五輪をともに戦った)青山と走れて楽しかったです」と0秒07差の2位にも納得の表情だった。 五輪後は、「疲れなどもあり、心と身体のバランスを保つのが大変だった」(齋藤)。そうした中でも五輪代表の貫禄を見せて会場を沸かせた。 一方、1部男子100mは、9月の日本インカレでも決勝に進み4、5、7位の桒原拓也(関学大)、佐々木啓輔(立命大)、本多諒平(関大)に加え、同200m2位の上山紘輝(近大)と有力スプリンターが決勝で顔をそろえた。序盤から激しいバトルを展開したが、最後は身体半分前に出た桒原が植本尚輝(京産大)、上山の猛追をかわし、10秒17(+3.8)の好記録で初優勝。0.01秒差で植本が続き、3位には10秒20で上山が入った。 「優勝、最低でもメダルを狙っていた日本インカレで4位に敗れたリベンジを果たせました」と桒原。関西インカレでは多田修平(現・住友電工)が4連覇するなど、関学大が覇権を握っており、昨年の小倉朱佑に続いて「関学の連覇を途切れさせず良かった」と語り、「後輩にうまくバトンをつなぐことができました」と笑顔を見せる。タイムについては「公認でこのタイムならよかったですが、10秒2台前半を目標にしていたので満足です」と満足げだった。 神吉中(兵庫)時代には走高跳で全中優勝。高校では混成競技に打ち込み近畿インターハイで7位だった。一浪を経て関学大に入り、しばらくはクラブチームで走っていたが、一念発起し1年の秋から陸上競技部に入ったという変わり種。高校時代も10秒73で走っていたが、2年時に10秒36までベストを更新して注目される存在となっていた。「五輪など世界を目指す覚悟ができていない」ことを理由に競技はこれで一区切りを付けてIT系の企業に進むというが、少し競技継続への思いものぞかせていた。100分の1秒差でVを逃した植本は、「優勝できなかったのは悔しいですが、日本インカレで決勝に残れなかった借りは返せた」と淡々と話していた。 他では、女子やり投で日本インカレ覇者の武本紗栄(大体大)が58m03を投げ、大会記録(59m22)の更新はならなかったものの、この種目では大会初となる4連覇を達成。1部男子十種競技では同じく日本インカレを制している川元莉々輝(立命大)が7016点で貫禄勝ちを収めた。

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