2021.09.16
9月17日から19日までの3日間、埼玉県・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で第90回日本インカレが行われる。学生ナンバーワンを決めるのはもちろん、母校の誇りを懸けた学校対抗も盛り上がりを見せる。今大会の男子注目種目・選手をピックアップする。
2年ぶり男子総合V狙う順大
泉谷&三浦が登場
2019年に男子総合優勝を果たした順大が王座奪還を目論む。その牽引車として期待されるのが、日本記録を持つ泉谷駿介と三浦龍司の東京五輪代表コンビだろう。
泉谷は110mハードルの日本記録13秒06を持ち、東京五輪では準決勝に進出。日本インカレは1年時に優勝しているが、今大会では同種目に加え走幅跳にも出場を予定している。走幅跳は7m92が自己記録。それを跳んだのが一昨年の日本インカレで3位に入賞した。だが、4×100mリレーの快走で脚を痛めた影響で110mハードルは準決勝を棄権して連覇ならず。昨年も出場を見送っていることから、最後のインカレで3年ぶりタイトル、そして2冠を狙う。なお、110mハードルと走幅跳の2冠となれば第1回(1928年)の織田幹雄(早大)、第16回大会(1947年)の藤橋吉五郎(法大)、第23回(1954年)の園田裕四郎(関大)以来、67年ぶり3人目の快挙になる。
110mハードルで泉谷に迫るのは、順大の後輩・村竹ラシッド。日本選手権では決勝フライングで失格となったが五輪では補欠に。前回王者として先輩を迎え撃つ格好だ。順大としてはここでワンツーを狙いたいところ。
三浦はルーキーだった昨年8分28秒51の大会新記録で圧勝した。東京五輪では予選で8分09秒92の日本新、決勝でも7位入賞。世界と渡り合ってきたサンショーのエースが4連覇に向かって貫禄を見せるか。高校、大学の後輩・服部壮馬も虎視眈々と上位をうかがう。
跳躍陣も実力者ぞろいで、棒高跳の奥吏玖や走幅跳の津藤広夢、田中隆太郎、三段跳の田中宏祐らが得点を狙う。十種競技は院2年で最後のインカレとなる田上駿、佐田征義、柴田一瞬で上位に食い込んできそうだ。
泉谷が参戦する走幅跳は最注目種目とも言える。関西学生記録を更新する8m14を跳んだ吉田弘道(立命大)、今年8mジャンパーの仲間入りを果たした伊藤陸(近大高専)がいる。さらに、高2で8m12を跳んだ藤原孝輝(東洋大)、追い風参考で7m99をマークして関東インカレを制した鳥海勇斗(日大)と、橋岡優輝(日大→富士通)が抜けてもなお多士済々だ。
総合連覇を狙うのは日大。最も注目を集めるのはハンマー投の福田翔大だ。大学3年生ながら今年の日本選手権で優勝。自己記録は71m37を放っている。師事するのは室伏重信コーチ。室伏広治2世と呼び声高い福田が狙うのは大会連覇、そして室伏広治が持つ学生記録73m82の更新だ。
日大は昨年400m王者の井上大地がケガから復調すれば優勝候補に挙がり、400mハードルも山本竜大に連覇が懸かる。2人が万全であれば、マイルリレーも当然連覇に近づくだろう。
その400mハードルにも東京五輪代表が出場。日本選手権王者の黒川和樹(早大)、五輪で準決勝に進んだ山内大夢(早大)の激突に注目だ。
注目の100mには、五輪リレー補欠だったデーデー・ブルーノ(東海大)、中学時代から世代のトップを走ってきた宮本大輔(東洋大)、そして日本選手権200mで2年連続表彰台の鈴木涼太(城西大)という4年生3人の争いが激化しそう。さらに、そこに東京五輪4×400mリレー代表で、200m、400mが得意の鈴木碧斗(東洋大)が100mに参戦する。
学生のレベルが上がっているのが800m。日本タイ記録を出した源裕貴(環太平洋大)、1分45秒台の金子魅玖人(中大)、松本純弥(法大)など、個性派ランナーが集結。記録よりも勝負の面で楽しめそうだ。
1、2日目は台風接近のため荒天が予想される。大会は無観客で実施されるが、ライブ配信で見ることができる。東京五輪代表組、そして未来の代表選手たち、さらに人生「最後」となる4年生の意地など、学生たちの熱きパフォーマンスは見逃せない。

2年ぶり男子総合V狙う順大 泉谷&三浦が登場
2019年に男子総合優勝を果たした順大が王座奪還を目論む。その牽引車として期待されるのが、日本記録を持つ泉谷駿介と三浦龍司の東京五輪代表コンビだろう。 泉谷は110mハードルの日本記録13秒06を持ち、東京五輪では準決勝に進出。日本インカレは1年時に優勝しているが、今大会では同種目に加え走幅跳にも出場を予定している。走幅跳は7m92が自己記録。それを跳んだのが一昨年の日本インカレで3位に入賞した。だが、4×100mリレーの快走で脚を痛めた影響で110mハードルは準決勝を棄権して連覇ならず。昨年も出場を見送っていることから、最後のインカレで3年ぶりタイトル、そして2冠を狙う。なお、110mハードルと走幅跳の2冠となれば第1回(1928年)の織田幹雄(早大)、第16回大会(1947年)の藤橋吉五郎(法大)、第23回(1954年)の園田裕四郎(関大)以来、67年ぶり3人目の快挙になる。 110mハードルで泉谷に迫るのは、順大の後輩・村竹ラシッド。日本選手権では決勝フライングで失格となったが五輪では補欠に。前回王者として先輩を迎え撃つ格好だ。順大としてはここでワンツーを狙いたいところ。 三浦はルーキーだった昨年8分28秒51の大会新記録で圧勝した。東京五輪では予選で8分09秒92の日本新、決勝でも7位入賞。世界と渡り合ってきたサンショーのエースが4連覇に向かって貫禄を見せるか。高校、大学の後輩・服部壮馬も虎視眈々と上位をうかがう。 跳躍陣も実力者ぞろいで、棒高跳の奥吏玖や走幅跳の津藤広夢、田中隆太郎、三段跳の田中宏祐らが得点を狙う。十種競技は院2年で最後のインカレとなる田上駿、佐田征義、柴田一瞬で上位に食い込んできそうだ。 泉谷が参戦する走幅跳は最注目種目とも言える。関西学生記録を更新する8m14を跳んだ吉田弘道(立命大)、今年8mジャンパーの仲間入りを果たした伊藤陸(近大高専)がいる。さらに、高2で8m12を跳んだ藤原孝輝(東洋大)、追い風参考で7m99をマークして関東インカレを制した鳥海勇斗(日大)と、橋岡優輝(日大→富士通)が抜けてもなお多士済々だ。 総合連覇を狙うのは日大。最も注目を集めるのはハンマー投の福田翔大だ。大学3年生ながら今年の日本選手権で優勝。自己記録は71m37を放っている。師事するのは室伏重信コーチ。室伏広治2世と呼び声高い福田が狙うのは大会連覇、そして室伏広治が持つ学生記録73m82の更新だ。 日大は昨年400m王者の井上大地がケガから復調すれば優勝候補に挙がり、400mハードルも山本竜大に連覇が懸かる。2人が万全であれば、マイルリレーも当然連覇に近づくだろう。 その400mハードルにも東京五輪代表が出場。日本選手権王者の黒川和樹(早大)、五輪で準決勝に進んだ山内大夢(早大)の激突に注目だ。 注目の100mには、五輪リレー補欠だったデーデー・ブルーノ(東海大)、中学時代から世代のトップを走ってきた宮本大輔(東洋大)、そして日本選手権200mで2年連続表彰台の鈴木涼太(城西大)という4年生3人の争いが激化しそう。さらに、そこに東京五輪4×400mリレー代表で、200m、400mが得意の鈴木碧斗(東洋大)が100mに参戦する。 学生のレベルが上がっているのが800m。日本タイ記録を出した源裕貴(環太平洋大)、1分45秒台の金子魅玖人(中大)、松本純弥(法大)など、個性派ランナーが集結。記録よりも勝負の面で楽しめそうだ。 1、2日目は台風接近のため荒天が予想される。大会は無観客で実施されるが、ライブ配信で見ることができる。東京五輪代表組、そして未来の代表選手たち、さらに人生「最後」となる4年生の意地など、学生たちの熱きパフォーマンスは見逃せない。
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