HOME 中学

2021.08.20

1年生の石原南菜が快挙!2926点で女子四種競技を制す/茨城全中
1年生の石原南菜が快挙!2926点で女子四種競技を制す/茨城全中


◇茨城全中(8月18日~20日/茨城・笠松)2日目

2004年から全中で四種競技が行われるようになってから、男女を通じて初となる1年生チャンピオンが誕生した。全中の初日と2日目に行われた女子四種競技で2926点を獲得して頂点に立ったのが石原南菜(足利二1栃木)だ。

石原は小学生時代からクラブチームで陸上を始め、5年生だった2019年には全国小学生交流陸上の5年100mで全国制覇。昨年には走幅跳で5m32の小学生最高記録も樹立している逸材。中学入学間もない今年4月の栃木県春季競技会でいきなり2865点をマークして従来の中1最高記録(2588点)を大きく上回り、にわかに注目を集めると、今月7日の関東大会では記録を2974点にまで伸ばし、上級生を抑えて早くも優勝候補に挙がっていた。

石原にとって今大会が4回目の四種競技。1種目めの100mハードルは、14秒92(-3.2)だった。関東大会では中1歴代3位となる14秒25で走っており、「風の影響でいつもの走りができなかった」と悔しがったものの、多くの選手が強い向かい風に手を焼く中、全体の2位タイと好スタートを切った。

「春からベストが全然出てなかったので、更新できたのでうれしかった」と振り返るのが、中1歴代4位タイとなる1m60で終えた2種目めの走高跳だ。これまでのベスト記録だった1m57を2回目でクリアすると、1m60も2回目で成功させた。1m63は惜しくもクリアならなかったが、「通信大会や総体の時と比べて、しっかり踏み切れるような助走に変えたことで、上へ跳べるようになりました」と石原。種目トップの736点を稼ぎ、合計1588点と首位で前半を折り返した。

2日目も「いつもの感じで投げられた」という砲丸投を11m44で乗り切ると、最終種目の200mは「なんとか1位を保てるように、がむしゃらに走りました」と語ったように、26秒97(-3.0)の全体5番目のタイムで踏ん張った。1年生でただ1人出場した石原が、先輩たちの追い上げを振り切って優勝を決めたのだった。

石原は試合後、「目標は自己ベストだったので、出せなかったことが引っかかる」と言いながらも、「初めての全国大会で緊張しましたが、リラックスしてできたので良かった。優勝できたのはうれしいです」と笑顔を見せた。「ちゃんと自分の力を出せて波に乗っていけたし、周りの人たちも明るくて面白くて楽しかったです」と、大きな満足感で初めての全中を終えたばかりだったにもかかわらず、1年生女王は「来年の全中でも優勝したいです」と、早くも1年後の大会に視線を向けていた。

◇2日目の優勝者
男子200m
塩谷友陽(関屋3新潟) 22秒32(-1.5)
男子400m
窪田健聖(星峯3鹿児島) 50秒44
男子800m
梅原俊太(間々田2栃木) 1分57秒12
男子3000m
鈴木琉胤(小金北3千葉) 8分35秒54
男子四種競技
高橋駿士(会津若松一3福島) 2823点
女子200m
秋澤理沙(燕吉田2新潟) 24秒72(-3.1)
女子800m
石川蘭(小樽西陵3北海道) 2分11秒37
女子走高跳
高橋美月(盛岡城西3岩手) 1m69
女子砲丸投
山口嘉夢(墨江丘3大阪) 14m85
女子四種競技
石原南菜(足利二1栃木) 2926点

文/小野哲史

◇茨城全中(8月18日~20日/茨城・笠松)2日目 2004年から全中で四種競技が行われるようになってから、男女を通じて初となる1年生チャンピオンが誕生した。全中の初日と2日目に行われた女子四種競技で2926点を獲得して頂点に立ったのが石原南菜(足利二1栃木)だ。 石原は小学生時代からクラブチームで陸上を始め、5年生だった2019年には全国小学生交流陸上の5年100mで全国制覇。昨年には走幅跳で5m32の小学生最高記録も樹立している逸材。中学入学間もない今年4月の栃木県春季競技会でいきなり2865点をマークして従来の中1最高記録(2588点)を大きく上回り、にわかに注目を集めると、今月7日の関東大会では記録を2974点にまで伸ばし、上級生を抑えて早くも優勝候補に挙がっていた。 石原にとって今大会が4回目の四種競技。1種目めの100mハードルは、14秒92(-3.2)だった。関東大会では中1歴代3位となる14秒25で走っており、「風の影響でいつもの走りができなかった」と悔しがったものの、多くの選手が強い向かい風に手を焼く中、全体の2位タイと好スタートを切った。 「春からベストが全然出てなかったので、更新できたのでうれしかった」と振り返るのが、中1歴代4位タイとなる1m60で終えた2種目めの走高跳だ。これまでのベスト記録だった1m57を2回目でクリアすると、1m60も2回目で成功させた。1m63は惜しくもクリアならなかったが、「通信大会や総体の時と比べて、しっかり踏み切れるような助走に変えたことで、上へ跳べるようになりました」と石原。種目トップの736点を稼ぎ、合計1588点と首位で前半を折り返した。 2日目も「いつもの感じで投げられた」という砲丸投を11m44で乗り切ると、最終種目の200mは「なんとか1位を保てるように、がむしゃらに走りました」と語ったように、26秒97(-3.0)の全体5番目のタイムで踏ん張った。1年生でただ1人出場した石原が、先輩たちの追い上げを振り切って優勝を決めたのだった。 石原は試合後、「目標は自己ベストだったので、出せなかったことが引っかかる」と言いながらも、「初めての全国大会で緊張しましたが、リラックスしてできたので良かった。優勝できたのはうれしいです」と笑顔を見せた。「ちゃんと自分の力を出せて波に乗っていけたし、周りの人たちも明るくて面白くて楽しかったです」と、大きな満足感で初めての全中を終えたばかりだったにもかかわらず、1年生女王は「来年の全中でも優勝したいです」と、早くも1年後の大会に視線を向けていた。 ◇2日目の優勝者 男子200m 塩谷友陽(関屋3新潟) 22秒32(-1.5) 男子400m 窪田健聖(星峯3鹿児島) 50秒44 男子800m 梅原俊太(間々田2栃木) 1分57秒12 男子3000m 鈴木琉胤(小金北3千葉) 8分35秒54 男子四種競技 高橋駿士(会津若松一3福島) 2823点 女子200m 秋澤理沙(燕吉田2新潟) 24秒72(-3.1) 女子800m 石川蘭(小樽西陵3北海道) 2分11秒37 女子走高跳 高橋美月(盛岡城西3岩手) 1m69 女子砲丸投 山口嘉夢(墨江丘3大阪) 14m85 女子四種競技 石原南菜(足利二1栃木) 2926点 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.11.22

田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設

来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]

NEWS 早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

2024.11.21

早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結

11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]

NEWS 立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

2024.11.21

立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン

第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]

NEWS M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

2024.11.20

M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」

神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]

NEWS 第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

2024.11.20

第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑

・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top