2021.08.19
◇茨城全中(8月18日~20日/茨城・笠松)1日目
中学生ナンバーワンを決める全日本中学校陸上競技選手権(全中)が8月18日、茨城県の笠松運動公園競技場で始まった。新型コロナウィルス感染症拡大の影響で、当初の予定が大幅に変更となり、初日にはフィールド種目の3種目の決勝が行われた。
本来なら18日に予選、19日に決勝が行われる予定だった男子棒高跳。予選がなくなり、32人による1発決勝とスケジュールが変更されるなか、4m78で優勝を飾ったのは岸本都夢(玉藻3香川)だった。この記録は中学歴代5位というだけでなく、中学記録保持者(5m06)の古澤一生(新町・群馬/現・筑波大)が4年前に樹立した4m77の大会記録も塗り替えるものだった。
昨年の全国中学陸上では2年生ながら3位。4月に4m72を跳び、100mでも今季中学3位の10秒83で走るなど、ダントツの優勝候補として迎えた今大会。しかし、4月以降は足のケガもあり、「最近、調子が良くなくてここに来るまでヒヤヒヤしていました」という。また、昨年の秋以来の全国大会で緊張もあり、4m30から跳び始めたものの、4m40で1回、4m50で2回の失敗があり、一時は絶体絶命の状況にまで追い込まれた。それでも、4m50を3回目にクリアして優勝を決めると、自己記録を6cm上回る4m78も2回目に成功させた。
「優勝が決まるまでは自分の跳躍ができなかったのですが、決まってからは思い切り跳びました」と振り返った岸本はその後さらに中学記録を上回る5m06にも挑戦。「さすがに高かったです」とさらなる記録更新はならなかったが、茨城の地で見せた跳躍に会場は大いに盛り上がった。
インタビューの最後には「これから高校生や大人になったとき、後輩たちや自分より下の世代が棒高跳に興味を持ってくれたり、棒高跳をする人が増えるような跳躍ができるようになりたいです」と大きな夢を語った岸本。陸上界に現れたニュースターは今後さらなる躍進を見せてくれるだろう。
■男子棒高跳中学歴代10傑
5.05i 古澤一生(新町3群馬) 2017年
4.92 笹瀬弘樹(新居3静岡) 2004年
4.90 浅野喜洋(広陵3+兵庫) 2001年
4.80 野呂仁人(玉城3三重) 2017年
4.78 岸本都夢(玉藻3香川) 2021年
4.76 小野真二(東陽3静岡) 1998年
4.75 岡田祐司(神戸長坂3兵庫) 1997年
4.75 松澤勝治(春富3長野) 2011年
4.73 鈴木将宏(浜松西部3静岡) 1995年
4.72 田邊広晃(浜松西部3+静岡) 1995年
◇1日目の優勝者
男子走高跳
関崎至流(長岡西3新潟) 1m93
清水情太郎(大石南3埼玉) 1m93
※両者優勝
男子棒高跳
岸本都夢(玉藻3香川) 4m78=大会新
女子走幅跳
成澤柚日(藪塚本町2群馬) 5m85(+2.9)

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.18
円盤投・湯上剛輝が62m52のビッグスロー!7年ぶりの自己新「まだチャンスはある」
2025.04.18
やり投・ディーン元気が兵庫リレーカーニバルを欠場 1500mドルーリー朱瑛里らも
-
2025.04.17
-
2025.04.17
-
2025.04.17
-
2025.04.17
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.12
-
2025.04.13
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.18
円盤投・湯上剛輝が62m52のビッグスロー!7年ぶりの自己新「まだチャンスはある」
男子円盤投の湯上剛輝(トヨタ自動車)が4月17日に米国で行われたオクラホマ・スロー・シリーズに出場し、日本歴代2位タイとなる62m52を投げた。 湯上は1投目ファウルのあと、55m71、57m70と序盤は苦戦したが、4投 […]
2025.04.18
やり投・ディーン元気が兵庫リレーカーニバルを欠場 1500mドルーリー朱瑛里らも
日本グランプリシリーズの兵庫リレーカーニバルの主催者は、男子やり投のディーン元気(ミズノ)が欠場すると発表した。ディーンは昨年のパリで、12年ロンドン以来となる五輪出場を果たし、ダイヤモンドリーグでのファイナルに進むなど […]
2025.04.18
ダイヤモンドリーグ柯橋のエントリー発表!女王・北口榛花が中国で今季初戦!5000mに佐藤圭汰が初参戦
世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)第2戦の上海・柯橋(中国)のエントリー選手が発表された。 女子やり投には昨年のパリ五輪金メダリストの北口榛花(JAL)が登録。連覇が懸かる東京世界選手権に向けて、これが今シーズン初戦 […]
2025.04.17
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日)
【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日/サウジアラビア・ダンマーム) 男子 100m(+2.3) 金 清水空跳(星稜高2石川) 10秒38 銀 代泓宇(中国) 10秒39 銅 古綽峰( […]
2025.04.17
末續慎吾ら参加の「アースグランプリ」が5月に香川で初開催 本気のレースとイベントが共存
アースグランプリ実行委員会は5月17、18日に「アースグランプリ2025Kagawa」を観音寺総合運動公園陸上競技場で開催すると発表した。 同委員会は男子棒高跳の2016年リオデジャネイロ五輪代表の荻田大樹さんが委員長を […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)