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【シューズレポ】 サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「RINCON(リンコン)3」
【シューズレポ】 サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「RINCON(リンコン)3」

 中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回は8月2日に発売されたHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の「RINCOM(リンコン)3」(税込15,400円)を紹介する。

スピードへの対応力を増したHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の「RINCON(リンコン)3」。写真はメンズモデル

210gの軽量厚底シューズ

 これこそが厚底シューズの“オールラウンドモデル”と言えるかもしれない。数々の厚底ランニングシューズを世に送り出してきたHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)が、同ブランドの定番である「CLIFTON(クリフトン)」シリーズよりも軽さを追求した「RINCON(リンコン)3」を8月2日に発売した。

 リンコンシリーズは今回で3作目となるが、前作のリンコン2からは大きくモデルチェンジ。アッパーは通気性の高いエンジニアードメッシュを前作から踏襲しているが、シュータン(ベロ)はレース用モデルであるROCKET X(ロケット エックス)CARBON X2(カーボン エックス2)のように薄くてアシンメトリー構造のものに変更。ソールは前作よりも軽くなり、アウトソールのパターンも強度が必要な部分だけにラバーを配置し、クリフトン8と同様に耐久性を高めた。

リンコン3のアウトソールの形状はクリフトン8と同様だが、走り心地は大きく異なる

 ミッドソールの厚さはヒールが29mmで、オフセット(前足部と踵の高低差)が5mmというのは前作と変わらないが、シューズ全体では片足約210g(27.0cmの場合)と8gの軽量化に成功している。ブランドとしてもリンコン3は「これまでとは一線を画したモデル」と評しており、スピードへの対応力に自信を見せている。

さまざまな用途に幅広く対応可能

 足を通してみると、サイズ感は通常25.0~25.0cmのシューズを履くことの多い筆者はウィメンズの25.0cmがぴったりだった。意外だったのはソールが前作よりも硬く感じたことだ。前作はクリフトン8に近い柔らかさと“ミッドソールとの一体感”があったが、リンコン3は前作よりはやや硬めの接地感で、走行時の沈み込みも少ない。ソールの硬度は「MACH(マッハ)4」に近いものを感じる。

 ただし、マッハ4のように『シューズに走らされる感覚』はなく、操作性はナチュラルだ。スピードを上げようとすれば対応するし、ゆっくり走っても快適。また、ソールが硬くなったことで地面から反発が戻ってくるのも速くなり、200~400mなど短い距離のダッシュにも使いやすくなった。ジョギングからスピード練習、レースまで、「この1足があれば大丈夫」と思えるようなシューズに仕上がっている。「クリフトンの姉妹モデル」というイメージだった前作とは違い、今作は“別系統”のシューズへと舵を切ったように思う。

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 もちろん、1km4分を切るようなスピードを出す時はトップモデルであるロケットXやカーボンX2のほうが走りやすく、ジョギングに使う場合もクリフトン8のほうがクッション性は高いだろう。だが、リンコン3はそういったさまざまな目的に対して「全部85~90点をつけられるシューズ」であるように感じる。どんな練習にも使えてクセもないため、“厚底のオールラウンドモデル”と位置づけられるシューズになったのではないだろうか。

つま先と踵が反り上がったメタロッカーテクノロジーで重心移動はスムーズ。クセのない走り心地に仕上がっている

 個人的には、10km以上走るような場合は1km4分30秒くらいまでのペースがシューズの“適正速度”であるように感じる。ただ、3kmや5kmなどの短い距離であれば1km4分を切るスピードも出せるし、軽くてクッション性があるため脚へのダメージが少なく、後半にも余力を残しやすい。これからランニングを始めようという初心者ランナーの最初の1足として、さらには「とりあえず1足、クッション性のある練習用のシューズが欲しい」と考えるアスリートにとっても選びやすいモデルと言えるだろう。

文/山本慎一郎

<関連リンク>
RINCON(HOKA公式サイト)

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210gの軽量厚底シューズ

 これこそが厚底シューズの“オールラウンドモデル”と言えるかもしれない。数々の厚底ランニングシューズを世に送り出してきたHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)が、同ブランドの定番である「CLIFTON(クリフトン)」シリーズよりも軽さを追求した「RINCON(リンコン)3」を8月2日に発売した。  リンコンシリーズは今回で3作目となるが、前作のリンコン2からは大きくモデルチェンジ。アッパーは通気性の高いエンジニアードメッシュを前作から踏襲しているが、シュータン(ベロ)はレース用モデルであるROCKET X(ロケット エックス)CARBON X2(カーボン エックス2)のように薄くてアシンメトリー構造のものに変更。ソールは前作よりも軽くなり、アウトソールのパターンも強度が必要な部分だけにラバーを配置し、クリフトン8と同様に耐久性を高めた。 リンコン3のアウトソールの形状はクリフトン8と同様だが、走り心地は大きく異なる  ミッドソールの厚さはヒールが29mmで、オフセット(前足部と踵の高低差)が5mmというのは前作と変わらないが、シューズ全体では片足約210g(27.0cmの場合)と8gの軽量化に成功している。ブランドとしてもリンコン3は「これまでとは一線を画したモデル」と評しており、スピードへの対応力に自信を見せている。

さまざまな用途に幅広く対応可能

 足を通してみると、サイズ感は通常25.0~25.0cmのシューズを履くことの多い筆者はウィメンズの25.0cmがぴったりだった。意外だったのはソールが前作よりも硬く感じたことだ。前作はクリフトン8に近い柔らかさと“ミッドソールとの一体感”があったが、リンコン3は前作よりはやや硬めの接地感で、走行時の沈み込みも少ない。ソールの硬度は「MACH(マッハ)4」に近いものを感じる。  ただし、マッハ4のように『シューズに走らされる感覚』はなく、操作性はナチュラルだ。スピードを上げようとすれば対応するし、ゆっくり走っても快適。また、ソールが硬くなったことで地面から反発が戻ってくるのも速くなり、200~400mなど短い距離のダッシュにも使いやすくなった。ジョギングからスピード練習、レースまで、「この1足があれば大丈夫」と思えるようなシューズに仕上がっている。「クリフトンの姉妹モデル」というイメージだった前作とは違い、今作は“別系統”のシューズへと舵を切ったように思う。  もちろん、1km4分を切るようなスピードを出す時はトップモデルであるロケットXやカーボンX2のほうが走りやすく、ジョギングに使う場合もクリフトン8のほうがクッション性は高いだろう。だが、リンコン3はそういったさまざまな目的に対して「全部85~90点をつけられるシューズ」であるように感じる。どんな練習にも使えてクセもないため、“厚底のオールラウンドモデル”と位置づけられるシューズになったのではないだろうか。 つま先と踵が反り上がったメタロッカーテクノロジーで重心移動はスムーズ。クセのない走り心地に仕上がっている  個人的には、10km以上走るような場合は1km4分30秒くらいまでのペースがシューズの“適正速度”であるように感じる。ただ、3kmや5kmなどの短い距離であれば1km4分を切るスピードも出せるし、軽くてクッション性があるため脚へのダメージが少なく、後半にも余力を残しやすい。これからランニングを始めようという初心者ランナーの最初の1足として、さらには「とりあえず1足、クッション性のある練習用のシューズが欲しい」と考えるアスリートにとっても選びやすいモデルと言えるだろう。 文/山本慎一郎 <関連リンク> RINCON(HOKA公式サイト) <関連記事> 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON(クリフトン)8」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「MACH(マッハ)4」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CARBON X(カーボン エックス)2」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「ROCKET X(ロケット エックス)」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON(クリフトン)7」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「RINCON(リンコン)2」 【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON EDGE(クリフトン エッジ)」 HOKA ONE ONEの「RINCON 3」と「ORA RECOVERY SHOE 2」が8月に新発売/PR

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