57年ぶりの東京五輪もあと2日。いよいよ最終盤を迎え、今日は女子長距離2種目に日本選手が登場する。
北海道・札幌の朝に行われる女子マラソン。スタート時間は当初午前7時だったが、厳しい暑さが考慮されて午前6時への1時間繰り上げがレース前日の昨日(8月6日)発表された。直前の変更がレース展開にどのような影響を及ぼすか。
出場するのは前田穂南(天満屋)、鈴木亜由子(日本郵政グループ)、一山麻緒(ワコール)の3人。前田は2019年9月のマラソングランドチャンピオンシップで優勝し、暑さの中での実績がある。鈴木は5年前のリオ大会で5000mに出場するなど、トラックで鍛えたスピードが武器。一山は3人で最も速い自己記録(2時間20分29秒)を持つ。
一方、海外勢も強力だ。2時間20分未満の自己ベストを持つ選手が8人。中でもケニア勢は2時間14分04秒の世界記録保持者・B.コスゲイを筆頭に記録ではトップ3を占める。タイムだけでなく、夏場のレースでも実績があり、メダル独占の可能性もある。
アフリカ系選手の牙城は厚いが、日本勢は粘りたいところ。女子マラソンの入賞は、2004年アテネ大会で金メダルを獲得した野口みずきを含めて3人全員が8位以内に入ったのが最後。17年ぶりの入賞なるか。
もう1種目が19時45分からの女子10000m決勝だ。新谷仁美(積水化学)、廣中璃梨佳(日本郵政グループ)、安藤友香(ワコール)が出場する。
新谷にとっては9位だった12年ロンドン大会以来、2大会ぶりの五輪だ。一時引退したが、3年前に復帰して昨年12月には日本記録(30分20秒44)をマーク。目標に掲げる悲願の「メダル」に挑戦する。
5000mと合わせて2種目出場となる廣中。8月2日の5000m決勝では16年ぶり日本新となる14分52秒84(9位)をマークするなど勢いがある。5月の日本選手権で廣中に終盤まで競り合った安藤は、マラソンで2時間21分台の記録を持ち、粘りが身上だ。
写真/時事
勝負は世界記録(29分01秒03)保持者のL.キディ(エチオピア)と、5000mとの2冠を狙うS.ハッサン(オランダ)の争いになりそう。その他、5000m銀のH.オビリ(ケニア)も参戦。近年ハイレベルとなっているだけに、日本勢は入賞でも大健闘と言っていいだろう。五輪での入賞は1996年アトランタ大会で5位に入った千葉真子、7位の川上優子まで遡る。
今日は国立競技場で行われる東京五輪の陸上競技が最終日で、前述の10000mを含め、6種目の決勝を実施。最初の競技は女子走高跳(19時35分)で、19歳のY.マフチフ(ウクライナ)を軸に展開しそう。男子やり投(20時)では97m76の自己記録を持つJ.フェッター(ドイツ)に注目。72cmと迫った世界記録の更新に目が離せない。
トラックの個人種目最後となる男子1500m(20時40分)は1ヵ月前に今季世界最高の3分28秒28(世界歴代7位)をマークしたT.チェルイヨット(ケニア)や、昨年3分28秒68(世界歴代8位)を出したJ.インゲブリグトセン(ノルウェー)、準決勝で21年ぶり五輪新(3分31秒65)をマークしたA.キプサング(ケニア)あたりが中心となるだろう。
4×400mリレーは女子(21時30分)、男子(21時50分)ともに米国が優勝候補。特に男子はハードルを含めたスプリント種目でここまで金メダルゼロ。最後に意地を見せたいところだ。また、今大会はロングスプリント中心に好記録が生まれているだけに、どんなタイムが飛び出すか。


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