HOME 東京五輪、海外、五輪
DAY1ハイライト/男子10000mは21歳のバレガが世界記録保持者のチェプテゲイを撃破「ラスト勝負に自信があった」
DAY1ハイライト/男子10000mは21歳のバレガが世界記録保持者のチェプテゲイを撃破「ラスト勝負に自信があった」


写真/時事

東京五輪の陸上競技は7月30日にスタート。イブニングセッションでは最初の決勝種目となる男子10000mが行われた。26分11秒00の世界記録を持つJ.チェプテゲイと今季世界最高の26分33秒93をマークしているJ.キプリモのウガンダコンビが注目を浴びていたが、レースは、もうひとりのウガンダ人が飛び出す展開になった。

S.キッサは序盤で後続に40秒近いリードを奪うと、5000mを14分08秒56で通過。後続の大集団も追い上げ、数秒差で続いた。6400m手前でR.キプルト(ケニア)がトップを奪うと、ほどなくしてキッサがレースをやめた。

後半は徐々にペースが上がり、トップ集団の人数は削られていく。残り600mでアハマド(カナダ)がスパートすると、本格的な仕掛け合いが始まった。残り1周で2019年ドーハ世界選手権5000m2位のS.バレガを先頭にエチオピア勢3人が前に出る。

トップを奪ったバレガが残り200mでさらに切り替えると、ウガンダ勢もペースを上げる。しかし、1500mで3分32秒97のスピードを誇る21歳は最後の直線も強かった。トップを譲ることなく、五輪王者に君臨。優勝タイムは27分43秒22だった。

バレガは「10000mの勝者であるエチオピア人として、ケネニサ・ベケレ以来の金メダルを獲得できたことを本当に誇りに思います」と語り、「強力なウガンダ勢に勝つのは困難でしたが、私は短距離をしていたので、ラスト勝負には自信がありました」と振り返る。「可能であれば、今後もオリンピックでもっと多くのことを成し遂げていきたい。ケネニサのように伝説を作りたいと思います」と力強く話した。

広告の下にコンテンツが続きます

2位はチェプテゲイで27分43秒63、3位はキプリモで27分43秒88。長距離2冠を狙ったチェプテゲイの夢は1種目で砕かれた。日本勢は相澤晃(旭化成)が17位(28分18秒37)、伊藤達彦(Honda)は22位(29分01秒31)だった。

モーニングセッションでは女子100m予選が行われ、34歳となり出産も経験しているシェリーアン・フレイザー・プライス(ジャマイカ)が10秒84(+1.3)をマークして組トップ通過。全体トップは今年33歳のM.J.タルー(コートジボワール)で10秒78(-0.3)のアフリカタイ記録。前回女王のE.トンプソン・ヘラー(ジャマイカ)は10秒82(+0.1)だった。

モーニングセッションに行われた男子3000m障害予選で三浦龍司(順大)が8分09秒92の日本記録を樹立すると、男子走高跳予選の戸邉直人(JAL)も2m28を1回でクリア。三浦と戸邉はそれぞれの種目で49年ぶりの決勝進出を決めた。男子400mハードル予選は山内大夢(早大)が通過。イブニングセッション女子5000m予選は日本人3選手が自己ベストを更新すると、14分55秒87(日本歴代2位)をマークした廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が決勝に進出している。

◇陸上競技1日目のメダリスト
男子10000m
金S.バレガ(エチオピア)27分43秒22
銀J.チェプテゲイ(ウガンダ)27分43秒63
銅J.キプリモ(ウガンダ)27分43秒88

写真/時事 東京五輪の陸上競技は7月30日にスタート。イブニングセッションでは最初の決勝種目となる男子10000mが行われた。26分11秒00の世界記録を持つJ.チェプテゲイと今季世界最高の26分33秒93をマークしているJ.キプリモのウガンダコンビが注目を浴びていたが、レースは、もうひとりのウガンダ人が飛び出す展開になった。 S.キッサは序盤で後続に40秒近いリードを奪うと、5000mを14分08秒56で通過。後続の大集団も追い上げ、数秒差で続いた。6400m手前でR.キプルト(ケニア)がトップを奪うと、ほどなくしてキッサがレースをやめた。 後半は徐々にペースが上がり、トップ集団の人数は削られていく。残り600mでアハマド(カナダ)がスパートすると、本格的な仕掛け合いが始まった。残り1周で2019年ドーハ世界選手権5000m2位のS.バレガを先頭にエチオピア勢3人が前に出る。 トップを奪ったバレガが残り200mでさらに切り替えると、ウガンダ勢もペースを上げる。しかし、1500mで3分32秒97のスピードを誇る21歳は最後の直線も強かった。トップを譲ることなく、五輪王者に君臨。優勝タイムは27分43秒22だった。 バレガは「10000mの勝者であるエチオピア人として、ケネニサ・ベケレ以来の金メダルを獲得できたことを本当に誇りに思います」と語り、「強力なウガンダ勢に勝つのは困難でしたが、私は短距離をしていたので、ラスト勝負には自信がありました」と振り返る。「可能であれば、今後もオリンピックでもっと多くのことを成し遂げていきたい。ケネニサのように伝説を作りたいと思います」と力強く話した。 2位はチェプテゲイで27分43秒63、3位はキプリモで27分43秒88。長距離2冠を狙ったチェプテゲイの夢は1種目で砕かれた。日本勢は相澤晃(旭化成)が17位(28分18秒37)、伊藤達彦(Honda)は22位(29分01秒31)だった。 モーニングセッションでは女子100m予選が行われ、34歳となり出産も経験しているシェリーアン・フレイザー・プライス(ジャマイカ)が10秒84(+1.3)をマークして組トップ通過。全体トップは今年33歳のM.J.タルー(コートジボワール)で10秒78(-0.3)のアフリカタイ記録。前回女王のE.トンプソン・ヘラー(ジャマイカ)は10秒82(+0.1)だった。 モーニングセッションに行われた男子3000m障害予選で三浦龍司(順大)が8分09秒92の日本記録を樹立すると、男子走高跳予選の戸邉直人(JAL)も2m28を1回でクリア。三浦と戸邉はそれぞれの種目で49年ぶりの決勝進出を決めた。男子400mハードル予選は山内大夢(早大)が通過。イブニングセッション女子5000m予選は日本人3選手が自己ベストを更新すると、14分55秒87(日本歴代2位)をマークした廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が決勝に進出している。 ◇陸上競技1日目のメダリスト 男子10000m 金S.バレガ(エチオピア)27分43秒22 銀J.チェプテゲイ(ウガンダ)27分43秒63 銅J.キプリモ(ウガンダ)27分43秒88

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.22

石井優吉がショートトラック800m1分46秒41の日本新!

2月21日、米国ペンシルベニア州カレッジステーションでペンシルベニア州立大の学内学内競技会が同校の室内競技場(1周200m)で行われ、男子800mで石井優吉(ペンシルベニア州立大)が1分46秒41のショートラック日本記録 […]

NEWS JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

2025.02.22

JMCランキング暫定1位の西山雄介がコンディション不良により欠場/大阪マラソン

◇大阪マラソン2025(2月24日/大阪・大阪府庁前スタート・大阪城公園フィニッシュ) 大阪マラソンの主催者は2月22日、招待選手の西山雄介(トヨタ自動車)がコンディション不良により欠場することを発表した。 西山は22年 […]

NEWS 【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2025.02.22

【男子ハンマー投】アツオビン・アンドリュウ(花園高3) 61m59=一般規格高校歴代2位

2月22日、京都市の京産大総合グラウンド競技場で第11回京都陸協記録会が行われ、一般規格の男子ハンマー投でアツオビン・アンドリュウ(花園高3京都)が高校歴代2位となる61m59をマークした。 アツオビンは昨年のU20日本 […]

NEWS 円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

2025.02.22

円盤投・堤雄司が自己2番目の61m76でV 女子100mH青木益未は13秒04 福田翔太、郡菜々佳も優勝/WAコンチネンタルツアー

世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズラベルのインターナショナル・トラック・ミート2025が2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチで行われ、男子円盤投で堤雄司(ALSOK群馬)が61m76のセカンドベス […]

NEWS 「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

2025.02.22

「インターハイでも勝ちたい」高校2年の栗村凌がU20男子を制す 女子は真柴愛里が貫禄/日本選手権クロカン

◇第40回U20日本選手権クロスカントリー(2月22日/福岡・海の中道海浜公園) U20日本選手権クロスカントリーが行われ、男子(8km)では栗村凌(学法石川高2福島)が23分20秒で優勝を果たした。 今年も全国から有力 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top