HOME 東京五輪、海外、五輪
東京五輪見逃し厳禁種目(5)最速の称号を手にするのは!?男女100m注目はブロメル&フレイザー・プライス
東京五輪見逃し厳禁種目(5)最速の称号を手にするのは!?男女100m注目はブロメル&フレイザー・プライス


男子100m注目のT.ブロメル

世界のトップアスリートたちが「TOKYO」に集結! もちろん、すべての種目が楽しみだが、なかでも特に必見と言えるハイレベル決戦が予想される種目や、見逃し厳禁の選手たちをピックアップする。

男子100m
復活遂げたブロメルが初五輪制覇へ

過去3大会の五輪では、あのウサイン・ボルト(ジャマイカ)が100mと200mを3連覇。この東京五輪で“ポスト・ボルト”が決まる。

その最有力は米国のT.ブロメルだろう。2014年に今も残るU20世界記録の9秒97をマーク。翌年には10代最速となる9秒84を出すなど、早くから将来を期待されたスプリンターの一人だった。

だが、2016年はリオ五輪100mの決勝に進出するもアキレス腱を痛めて8位。車いすで競技場を去った。その後は2度の手術。アスリート生命も脅かされるほどだった。

だが、長い時を経て復活。昨年は9秒90をマークすると、今季は絶好調。4月に9秒88、さらに6月5日には世界歴代7位となる9秒77(+1.5)と進化を遂げた。全米五輪選考会でも9秒80(+0.8)で快勝し、見事にオリンピックに舞い戻ってきた。

広告の下にコンテンツが続きます

19年世界選手権で100mを制した同胞のC.コールマンはドーピング検査違反のため出場停止が下されて不在で、J.ガトリンは全米五輪選考会で脚を痛めて8位。米国からはブロメルとともに、9秒8台を持つR.ベイカー、F.カーリーが乗り込んでくる。2004年アテネ五輪のガトリン以来となる陸上大国に最速をもたらす準備は整った。

他国では15、16、19年と世界大会で銅メダルを獲得しているA.デグラス(カナダ)や7月に9秒84をマークしたA.シンビネ(南アフリカ)が注目。少し元気がないジャマイカはY.ブレークが最上位、中国の蘇炳添も調子を上げている。五輪出場者リストでは6位タイにいるのが山縣亮太(セイコー)。日本人2人目のファイナルなるか。

200mも米国のN.ライルズが優勝候補筆頭。さらにボルトのU20世界記録を塗り替える19秒84を出した17歳のE.ナイトンとこちらも陸上大国らしいタレントがそろう。


女子100m注目のフレイザー・プライス

女子100m
3度目V狙うフレイザー・プライス

ジャマイカのレジェンド、34歳になったS.A.フレイザー・プライスが五輪に合わせるように調子を上げてきた。6月に9年ぶりの自己新となる世界歴代2位の10秒63をマーク。五輪では08、12年に連覇し、世界選手権も09、13、15、19年と4度頂点に立っている。母となったフレイザー・プライスが東京五輪で“ママでも金”を狙う。

対抗はドーハ世界選手権銀メダルのD.アッシャー・スミス(英国)や、ジャマイカのE.トンプソン、M.J.タルー(コートジボワール)らの名が挙がる。ナイジェリアのB.オガグバレも注目の一人。なお、今季10秒72など10秒7台を連発していたS.リチャードソン(米国)は、全米五輪選考会後のドーピング検査で禁止薬物のマリファナの陽性反応が出たため選考会の結果が取り消されて五輪代表になれなかった。

●男子100m
予 選7月31日19:45~
準決勝8月1日19:15~
決 勝8月1日21:50~
※7月31日に予備予選
●女子100m
予 選7月30日11:40~
準決勝7月31日19:15~
決 勝7月31日21:50~

男子100m注目のT.ブロメル 世界のトップアスリートたちが「TOKYO」に集結! もちろん、すべての種目が楽しみだが、なかでも特に必見と言えるハイレベル決戦が予想される種目や、見逃し厳禁の選手たちをピックアップする。

男子100m 復活遂げたブロメルが初五輪制覇へ

過去3大会の五輪では、あのウサイン・ボルト(ジャマイカ)が100mと200mを3連覇。この東京五輪で“ポスト・ボルト”が決まる。 その最有力は米国のT.ブロメルだろう。2014年に今も残るU20世界記録の9秒97をマーク。翌年には10代最速となる9秒84を出すなど、早くから将来を期待されたスプリンターの一人だった。 だが、2016年はリオ五輪100mの決勝に進出するもアキレス腱を痛めて8位。車いすで競技場を去った。その後は2度の手術。アスリート生命も脅かされるほどだった。 だが、長い時を経て復活。昨年は9秒90をマークすると、今季は絶好調。4月に9秒88、さらに6月5日には世界歴代7位となる9秒77(+1.5)と進化を遂げた。全米五輪選考会でも9秒80(+0.8)で快勝し、見事にオリンピックに舞い戻ってきた。 19年世界選手権で100mを制した同胞のC.コールマンはドーピング検査違反のため出場停止が下されて不在で、J.ガトリンは全米五輪選考会で脚を痛めて8位。米国からはブロメルとともに、9秒8台を持つR.ベイカー、F.カーリーが乗り込んでくる。2004年アテネ五輪のガトリン以来となる陸上大国に最速をもたらす準備は整った。 他国では15、16、19年と世界大会で銅メダルを獲得しているA.デグラス(カナダ)や7月に9秒84をマークしたA.シンビネ(南アフリカ)が注目。少し元気がないジャマイカはY.ブレークが最上位、中国の蘇炳添も調子を上げている。五輪出場者リストでは6位タイにいるのが山縣亮太(セイコー)。日本人2人目のファイナルなるか。 200mも米国のN.ライルズが優勝候補筆頭。さらにボルトのU20世界記録を塗り替える19秒84を出した17歳のE.ナイトンとこちらも陸上大国らしいタレントがそろう。 女子100m注目のフレイザー・プライス

女子100m 3度目V狙うフレイザー・プライス

ジャマイカのレジェンド、34歳になったS.A.フレイザー・プライスが五輪に合わせるように調子を上げてきた。6月に9年ぶりの自己新となる世界歴代2位の10秒63をマーク。五輪では08、12年に連覇し、世界選手権も09、13、15、19年と4度頂点に立っている。母となったフレイザー・プライスが東京五輪で“ママでも金”を狙う。 対抗はドーハ世界選手権銀メダルのD.アッシャー・スミス(英国)や、ジャマイカのE.トンプソン、M.J.タルー(コートジボワール)らの名が挙がる。ナイジェリアのB.オガグバレも注目の一人。なお、今季10秒72など10秒7台を連発していたS.リチャードソン(米国)は、全米五輪選考会後のドーピング検査で禁止薬物のマリファナの陽性反応が出たため選考会の結果が取り消されて五輪代表になれなかった。 ●男子100m 予 選7月31日19:45~ 準決勝8月1日19:15~ 決 勝8月1日21:50~ ※7月31日に予備予選 ●女子100m 予 選7月30日11:40~ 準決勝7月31日19:15~ 決 勝7月31日21:50~

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.31

【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

NEWS 京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走

2025.03.31

京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走

京セラの白井明衣が、3月23日に行われた鹿児島県実業団陸上競技記録会の女子3000mに出場。このレースをもって競技生活を引退することが公式Instagramで伝えられた。 白井は山口・中村女高を卒業後、2020年より京セ […]

NEWS NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部

2025.03.31

NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部

NDソフトは2024年度で大倉秀太、鈴木太基の2選手が退部すると発表した。 鈴木は愛知・豊川工高を経て大東大に進学。4年時には全日本大学駅伝で7区4位、箱根駅伝7区9位と3大駅伝に出走している。卒業後はラフィネで活動し、 […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第55回「努力でコンパスを大きくする~マラソン強化のDNAを引き継ぐ~」

2025.03.31

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第55回「努力でコンパスを大きくする~マラソン強化のDNAを引き継ぐ~」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第55回「努力でコンパスを大きくする~マラソン強化のDNAを引き継ぐ~」 彼はゴール後のインタ […]

NEWS ヤクルトの武田凜太郎と髙橋将也が現役引退 MGC出場の武田「ヤクルトのユニフォームで走れて幸せ」髙橋「応援に力が湧いた」

2025.03.31

ヤクルトの武田凜太郎と髙橋将也が現役引退 MGC出場の武田「ヤクルトのユニフォームで走れて幸せ」髙橋「応援に力が湧いた」

ヤクルトは3月31日、武田凜太郎と髙橋将也の現役引退を発表した。 武田は1994年生まれの30歳。千葉・野田一中から東京・早稲田実高に進み、高3時には都道府県対抗男子駅伝5区区間賞などの実績を残した。早大進学後は4年連続 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top