◇第61回実業団・学生対抗(神奈川・レモンガススタジアム平塚)
男子110mハードルは、藤井亮汰(三重県スポーツ協会)が日本歴代9位の13秒41(+0.3)で快勝し、2位の横地大雅(法大)が学生歴代3位タイの13秒45をマーク。「レベルがどんどん高くなっている中で、少しでも自己ベストを短縮して上の人に追いつきたいと思っていたので、今後につながるレースになった」と藤井が言えば、横地も「13秒4台を出せたので、今日のレースは100点」と笑顔で振り返った。
藤井は6位だった日本選手権決勝で出した自己ベスト(13秒54)を、0.13秒も短縮。「スタートからうまく出られていない」レースが続いていたが、この日は「いい流れでいけた」と言う。後半にもたついた場面があったそうで、「まだまだ次がある」と思える手応えが得られたことが、何よりの収穫となった。
鳥取・倉吉総産高、順大出身の社会人3年目。国体要員として現所属となり、普段は三重伊勢市の交通グループスポーツの杜伊勢陸上競技場で、1人でトレーニングを積んでいる。
その中で、今もっとも比重を置いているのが「スプリント」だ。「こまごまとした技術の課題はありますが、今のトップ選手たちは100mでも勝負できるぐらいのスプリントがあります。やっぱりそこが上がらないと」。春先はウエイトトレーニングを重視したが、スプリントの向上とハードルのタイムがつながる今は、そこに集中している。
「1人でやっているので、タイムを取ることはできませんし、レースでも100mなどに出場する機会がないので何とも言えませんが、スプリントが上がっているなという感覚はあります」
そして何より、後輩たちから大きな刺激をもらった。日本選手権の直前に母校・順大で合宿をしたそうだが、東京五輪代表・泉谷駿介、五輪にあと一歩まで近づいた村竹ラシッドの2人には「先輩として負けじとやっているところを見せないと」と思っている。
高校時代から全国大会の入賞は何度も経験しているが、最高成績は順大4年だった日本インカレの2位。今季前半はこれで終了だが、秋には地元国体という大一番が控えている。
「今日も13秒4じゃ満足とは言えません。東京五輪の参加標準記録が13秒32。それぐらい出さないといけないと思っていますし、みんながそう思っていることがトッパー全体のレベルが上がっている理由だと思います。次に向けてのポイントはつかむことができたので、ひと夏を越えて、国体に向けてしっかりと仕上げていきたい」
13秒41でも日本歴代9位。その記録への認識が、さらなる向上心をあおる。男子MVPに輝いた藤井が、日本110mハードルのレベルをさらに引き上げていく。
■男子110mH日本歴代10傑
13.06 1.2 泉谷 駿介(順大4) 2021. 6.27
13.16 1.7 金井 大旺(ミズノ) 2021. 4.29
13.25 1.1 高山 峻野(ゼンリン) 2019. 8.17
13.28 0.5 村竹ラシッド(順大2) 2021. 6.26
13.37 0.3 石川 周平(富士通) 2021. 6.26
13.38 1.2 野本 周成(愛媛陸協) 2021. 6.27
13.39 1.5 谷川 聡(ミズノ) 2004. 8.24
13.40 0.0 増野 元太(ヤマダ電機) 2017. 6.24
13.41 0.3 藤井 亮汰(三重県スポーツ協会) 2021. 7.17
13.43 1.7 内藤 真人(ミズノ) 2007. 5.19

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