◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の2日目。男子100mで優勝した多田修平(住友電工)と3位に入った山縣亮太(セイコー)が代表に即時内定。2位のデーデー・ブルーノ(東海大)は参加標準記録10秒05を突破しておらず、ワールドランキングで出場枠圏内にいないため個人では代表にはなれず、リレーで選出されるかどうかを待つことになる。
参加標準記録を突破している小池祐貴(住友電工)が4位に入ったため代表をほぼ確実に。一方、標準突破済みの5位・桐生祥秀(日本生命)と6位・サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)は100mでの代表入りを逃した。
山縣は「練習では手応えもあった」と言うが、「多田選手が速くて焦ってしまった。気持ちが空回りして硬いレースとなってしまった」と振り返る。3位で代表内定に「3大会連続オリンピックはうれしいですが悔しい。その気持ちを本番でぶつけたい」と気持ちを新たにしていた。
100mで3大会連続五輪は日本初。ちなみにロンドン五輪だった12年、リオ五輪だった16年も、山縣は日本選手権で勝っていない。それでも準決勝で自己記録をマークしてきた。東京五輪の準決勝で山縣が自己記録を更新すれば、目標にしてきた夢のファイナルが現実となるだろう。
小池は山縣と同タイム着差あり。それでも、日本陸連の代表要項に沿えば3人目の代表は濃厚。「身体の調子は良かったが、思い描いていたレースではなかった」と淡々と振り返り、「いい緊張感でしたが、メンタル面でプレッシャーに弱いところが出たのかな」と語った。小池は200mでも参加標準記録を突破しており、2種目代表を狙う。
◇桐生、サニブラウンは100m代表逃す
アキレス腱を痛めていた桐生は5位。スタートから明らかに半歩遅れ、最後は懸命にフィニッシュ姿勢を取ったが届かなかった。東京五輪が決まった2013年は高校3年生。10秒01をマークした後だった桐生には、常に「9秒台」と「東京五輪」という言葉がつきまとった。100mで五輪代表を逃し、「五輪が決まってからここまで目指してきて、いろいろあった。ここでいったん一区切りかな」。アキレス腱については「痛みのせいでこの順位になったと思われてしまうので……」と状態を明かすことはなかった。個人では逃してしまったが、リレーメンバーに選ばれるかどうか。リオ五輪4×100mリレーで銀メダルを獲得した際の3走など、日本のリレーには不可欠な存在だけに、代表発表に注目が集まる。
6位のサニブラウンは「やることはやったが準備不足だった」。決勝では「30mくらいで身体が動かなかった」と淡々と振り返る。200mでも参加標準記録を突破しているため、200mでの五輪代表入りを狙う。「200mは2年走っていないので予選で感覚を取り戻したい」と話した。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.04.19
800m日本記録保持者・久保凛が400mで54秒68の自己新記録!
-
2025.04.18
-
2025.04.18
-
2025.04.18
-
2025.04.17
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.13
-
2025.04.12
-
2025.04.13
-
2025.04.17
-
2025.04.13
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.03.23
-
2025.04.01
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.04.19
クレイ・アーロン竜波が800m1分47秒82 石井優吉は1分49秒79/バージニアチャレンジ
バージニアチャレンジは4月18日、米国・バージニア州シャーロッツビルで行われ、男子招待800mでクレイ・アーロン竜波(ペンシルベニア大)が1分47秒82で全体3位に入った。石井優吉は1分49秒79で全体18位だった。 4 […]
2025.04.19
800m日本記録保持者・久保凛が400mで54秒68の自己新記録!
大阪高校春季地区別記録会(3、4地区)は4月19日、大阪・ヤンマーフィールド長居で行われ、女子800mで日本記録(1分59秒93)を持つ久保凛(東大阪大敬愛高3)が女子400mで54秒68の自己新記録をマークした。 40 […]
2025.04.19
中国・韓麒庚が男子砲丸投、円盤投2冠 女子100mも中国の張倩が11秒80でV/U18アジア選手権
4月15日から18日の4日間、サウジアラビア・ダンマームで第6回U18アジア選手権が行われ、男子円盤投(1.5kg)を63m33で制した韓麒庚(中国)が、砲丸投(5kg)も20m23の大会新で投てき2冠に輝いた。 韓は江 […]
2025.04.19
男子100m清水空跳、男子110mH髙城昊紀、女子400m今峰紗希が金! 大森恵偉音は走幅跳で7m72w/U18アジア選手権
4月15日から18日の4日間、サウジアラビア・ダンマームで第6回U18アジア選手権が行われ、日本勢は男子100mの清水空跳(星稜高2石川)、男子110mハードルの髙城昊紀(宮崎西高2)、女子400mの今峰紗希(済美高3岐 […]
2025.04.18
編集部コラム「20年とカツ丼」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)