◇日本選手権(6月24日~27日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
東京五輪代表選考会となる第105回日本選手権の1日目。男子100mの予選、準決勝を終え、決勝に進む8人が決まった。
■男子100m決勝スタートリスト
レーン/選手/準決勝記録/自己記録
2 東田旺洋(栃木スポ協)10秒35/10秒21
3 サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)10秒30/9秒97
4 山縣亮太(セイコー)10秒16/9秒95
5 桐生祥秀(日本生命)10秒28/9秒98
6 多田修平(住友電工)10秒17/10秒01
7 デーデー・ブルーノ(東海大)10秒21/10秒20
8 小池祐貴(住友電工)10秒30/9秒98
9 柳田大輝(東農大二高3群馬)10秒22/10秒22(大会前10秒27)
有力選手ではリオ五輪代表のケンブリッジ飛鳥(Nike)は準決勝で敗退。だが、東京五輪の参加標準記録10秒05を突破している山縣、サニブラウン、桐生、小池、多田の5人は決勝へ。代表枠は3で、参加標準記録を突破している選手が3位以内に入れば即時内定となる。つまり、このうち少なくとも2人は代表から外れるということになる。
6月6日に9秒95の日本新を樹立した山縣は2レースを終え「疲労が出た」。それでも、しっかりとした加速から予選、準決勝ともに1着通過。準決勝ではこれまで対戦が少ないサニブラウンにしっかり先着した。「予選から準決勝へ走りのイメージを変えて、スタートの面でいい手応えがあった」と振り返る山縣。決勝に向けて「そこですべてが決まる。自分のレースに集中して思い出に残る日になれば」と、しっかり東京五輪代表を勝ち取るつもりだ。
桐生は5月末に痛めた右アキレス腱が万全ではなく「歩くのも痛い状態」で、テーピングを施し、治療しながらレースに臨んだ。予選10秒12(-0.4)、準決勝10秒28(-0.9)で1着通過も、特に予選の後は脚をやや気にする様子も。だが、「スタートラインに立ったら痛さは感じない」と桐生。「明日は1本に集中していきたい」と2大会連続の五輪へすべてをぶつける覚悟だ。
サニブラウンは「予選はいいかたちで走れたが、準決勝は20m付近でふくらはぎがつってしまった」と思うようなレースとならず、柳田に先行されあわや準決勝落ちの可能性も。タイムで拾われたかたちで「運がよかった」とホッと一息。「誰も注目していないんで優勝をかっさらいたい」と、2年ぶりVへ自分の走りに集中する。
好調なのがこの日25歳の誕生日を迎えた多田。準決勝でも余裕を持って10秒17(-0.4)と圧倒的な加速力を見せている。「予選で脚をつりかけたので焦ったが、準決勝は理想通りの走りができて余力を持って決勝にいけた」と充実の表情。「調子がすごく上がっていて、布勢スプリントよりもいい状態」で、「イチから集中し直して決勝に臨みたい」と気を引き締めていた。
小池は準決勝で桐生と同組となり、0.01秒差の10秒30で2着通過。「予選から準決勝にかけて(修正して)走れたので、決勝はもっと良いレースができると思う」と、少しずつ感覚が戻っている。「月並みですが周りを気にしないこと」と、いつも通り挑んで結果をつかみ取る。
この中の3人ですんなり代表が決まるか、それともその他の選手たちが一矢報いるか。第105回日本選手権、男子100m運命の決勝は6月25日20時30分に号砲が鳴る。そのわずか10秒後には明暗がくっきりと分かれている。空前の戦いとなるレースはどんな結末を迎えるのだろうか――――。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会