2019.06.28
寄付およびチャリティランナー募集!
2020年は「東京」を走ろう!!
来年3月1日に開催される「東京マラソン2020」のチャリティランナー募集が始まる。通常のエントリーでは高倍率でなかなか出走の機会が得られないが、チャリティランナーとしてならチャンスは広がる。自分が楽しむだけでなく、社会貢献もできるのがチャリティの魅力。2020年はチャリティランナーとして東京を駆け抜けてみてはいかがだろうか。
スポーツとチャリティの融合
次回の2020大会(3月1日開催)で14回目を迎える東京マラソンは、日本の都市型マラソンの代表格として広く認知されるようになった。ランナーのエントリー抽選倍率も上昇の一途をたどり、前回は12倍を超えるなど人気が急騰している。また、東京マラソン財団は2011大会から世界最高水準のマラソン大会を目指して「チャリティランナー」枠を新設し、一定額以上の寄付をしたランナーが東京マラソンに出場できる仕組みを作った。
アボット・ワールドマラソンメジャーズ対象大会など世界の大都市マラソンではチャリティランナー制度が一般的で、東京マラソンも多くの人を「つなぐ」というコンセプトのもとチャリティ制度を導入した。最初の2011大会こそ1000人の定員が埋まらなかったものの、翌年以降は着実に数を増やし、前回は定員5000人のチャリティランナーを募集している。寄付の総額も過去最高の5億7000万円超となり、今や日本のスポーツイベントで最大級のチャリティに成長した。
チャリティランナーになる方法は3種類あり、「個人チャリティ」と「クラウドファンディング」はそれぞれチャリティ公式ウェブサイトを通じて10万円以上を寄付する。「アクティブチャリティ」は対象となる事業へ直接問い合わせをして応募するもので、こちらはすでに窓口を開設している。このほか、東京マラソンには出走しないで寄付のみに参加する「サポーター」も募集しており、こちらも公式サイトでクラウドファンディングができる。
東京マラソンのチャリティで特徴的なのは寄付先を自分で決められることだ。寄付先は東京マラソン財団の審査をパスした団体の中から選択でき、2020大会は29事業が対象となる。事業の趣旨に賛同し、納得した上でチャリティができるので、寄付者にとっても満足度の高いシステムと言える。
そして、チャリティを通じた社会貢献によって東京マラソン自体の価値も上がった。参加者が楽しむだけでなく、すべての人にとって東京マラソンが必要とされるように――。東京マラソンがチャリティを行う背景にはそんな想いもある。
〝ダイヤモンドアスリート〟の人材育成に尽力
東京マラソン財団はチャリティの寄付先として2015大会より「スポーツレガシー事業」を創設した。そこではランニングを中心に「スポーツを軸とした新しいライフスタイルを享受できる社会の実現と継承」等を目指している。
その取り組みの1つとして、日本陸上競技連盟の「ダイヤモンドアスリートプログラム」をサポート。世界の舞台でリーダーシップを発揮できる人材の育成を目的とする「リーダーシッププログラム」を運営し、世界選手権男子400mハードル銅メダリストである為末大氏の監修でさまざまな講義やワークショップを展開してきた。
それらのプログラムを受講したダイヤモンドアスリートやその修了生が、今季は特に目覚しい活躍を見せている。4月のアジア選手権では男子走幅跳の橋岡優輝(日大)が日本記録にあと3cmと迫る日本歴代2位の8m22(+0.5)で金メダルを獲得し、5月6日の木南記念では女子やり投の北口榛花(日大)が2020年東京オリンピックの参加標準記録を突破する64m36の日本新。5月11日・12日に神奈川県横浜市で開催された世界リレーでも、宮本大輔(東洋大)、井本佳伸(東海大)、クレイ・アーロン竜波(相洋高・神奈川)の3選手が日本代表として力走した。そして、アメリカではフロリダ大に留学中のサニブラウン・アブデル・ハキームが6月7日の全米学生選手権男子100mで9秒97(+0.8)の日本新記録を樹立。東京オリンピックを前に〝ダイヤモンド〟たちが輝きを放った。
また、スポーツレガシー事業は日本実業団陸上競技連合のマラソン特別強化プロジェクト「Project EXCEED(プロジェクト・エクシード)」にも協力しており、男子は昨年2度も日本記録が塗り替えられている。東京マラソンが陸上界の発展に寄与していることは疑いようがないだろう。
一方で、アスリートの強化育成だけでなく、スポーツの環境整備、普及啓発、社会貢献なども行っている。今春には東京都立川市の国営昭和記念公園に1周2500mと3900m、5600mの園内コースを設定し、距離表示ポストを新設するなどして誰でもウォーキングやランニングを楽しめる「パークフィットネス」の場を創出した。東京マラソンのチャリティによってさらにスポーツの輪が広がっていく好循環が生み出されている。
「人々が協力し合う社会を作りたい」
東京マラソンの創設やチャリティなどを主導し、現在はレースディレクターのほかにスポーツレガシー事業運営委員長も務める早野忠昭氏は、チャリティ事業の規模拡大を目指し、寄付を受けた組織がどのように寄付金を活用しているか明示するように求めて、寄付をする側と受ける側の双方が気持ちの良い関係を築けるチャリティ文化の醸成を図ってきたという。
「ロンドン・マラソンは3万人のチャリティランナーが走り、平均で1人が30万円ほど寄付しています。金額がすべてではありませんが、日本のチャリティ文化をそういうレベルまで上げていくのが目標の1つです。スポーツレガシー事業も陸上界を揺さぶっていると思いますし、今後も東京マラソンが見本を示していきたいと考えています」
東京マラソンは単なる競技会ではなく、スポーツを中心とした1つの〝文化圏〟を形成しつつある。「私は教員やスポーツメーカー社員をやりながらスポーツに関わってきました。東京マラソンはその集大成だと思っています。ランニングを中心に、あらゆる人々が協力し合う世界を作りたい」と早野氏。スポーツを通じてより多くの人々が幸せを感じられるように、東京マラソンは今後もさまざまな取り組みに挑戦していきそうだ。
寄付およびチャリティランナー募集! 2020年は「東京」を走ろう!!
来年3月1日に開催される「東京マラソン2020」のチャリティランナー募集が始まる。通常のエントリーでは高倍率でなかなか出走の機会が得られないが、チャリティランナーとしてならチャンスは広がる。自分が楽しむだけでなく、社会貢献もできるのがチャリティの魅力。2020年はチャリティランナーとして東京を駆け抜けてみてはいかがだろうか。スポーツとチャリティの融合
次回の2020大会(3月1日開催)で14回目を迎える東京マラソンは、日本の都市型マラソンの代表格として広く認知されるようになった。ランナーのエントリー抽選倍率も上昇の一途をたどり、前回は12倍を超えるなど人気が急騰している。また、東京マラソン財団は2011大会から世界最高水準のマラソン大会を目指して「チャリティランナー」枠を新設し、一定額以上の寄付をしたランナーが東京マラソンに出場できる仕組みを作った。 アボット・ワールドマラソンメジャーズ対象大会など世界の大都市マラソンではチャリティランナー制度が一般的で、東京マラソンも多くの人を「つなぐ」というコンセプトのもとチャリティ制度を導入した。最初の2011大会こそ1000人の定員が埋まらなかったものの、翌年以降は着実に数を増やし、前回は定員5000人のチャリティランナーを募集している。寄付の総額も過去最高の5億7000万円超となり、今や日本のスポーツイベントで最大級のチャリティに成長した。 チャリティランナーになる方法は3種類あり、「個人チャリティ」と「クラウドファンディング」はそれぞれチャリティ公式ウェブサイトを通じて10万円以上を寄付する。「アクティブチャリティ」は対象となる事業へ直接問い合わせをして応募するもので、こちらはすでに窓口を開設している。このほか、東京マラソンには出走しないで寄付のみに参加する「サポーター」も募集しており、こちらも公式サイトでクラウドファンディングができる。 東京マラソンのチャリティで特徴的なのは寄付先を自分で決められることだ。寄付先は東京マラソン財団の審査をパスした団体の中から選択でき、2020大会は29事業が対象となる。事業の趣旨に賛同し、納得した上でチャリティができるので、寄付者にとっても満足度の高いシステムと言える。 そして、チャリティを通じた社会貢献によって東京マラソン自体の価値も上がった。参加者が楽しむだけでなく、すべての人にとって東京マラソンが必要とされるように――。東京マラソンがチャリティを行う背景にはそんな想いもある。〝ダイヤモンドアスリート〟の人材育成に尽力
東京マラソン財団はチャリティの寄付先として2015大会より「スポーツレガシー事業」を創設した。そこではランニングを中心に「スポーツを軸とした新しいライフスタイルを享受できる社会の実現と継承」等を目指している。 その取り組みの1つとして、日本陸上競技連盟の「ダイヤモンドアスリートプログラム」をサポート。世界の舞台でリーダーシップを発揮できる人材の育成を目的とする「リーダーシッププログラム」を運営し、世界選手権男子400mハードル銅メダリストである為末大氏の監修でさまざまな講義やワークショップを展開してきた。 それらのプログラムを受講したダイヤモンドアスリートやその修了生が、今季は特に目覚しい活躍を見せている。4月のアジア選手権では男子走幅跳の橋岡優輝(日大)が日本記録にあと3cmと迫る日本歴代2位の8m22(+0.5)で金メダルを獲得し、5月6日の木南記念では女子やり投の北口榛花(日大)が2020年東京オリンピックの参加標準記録を突破する64m36の日本新。5月11日・12日に神奈川県横浜市で開催された世界リレーでも、宮本大輔(東洋大)、井本佳伸(東海大)、クレイ・アーロン竜波(相洋高・神奈川)の3選手が日本代表として力走した。そして、アメリカではフロリダ大に留学中のサニブラウン・アブデル・ハキームが6月7日の全米学生選手権男子100mで9秒97(+0.8)の日本新記録を樹立。東京オリンピックを前に〝ダイヤモンド〟たちが輝きを放った。 また、スポーツレガシー事業は日本実業団陸上競技連合のマラソン特別強化プロジェクト「Project EXCEED(プロジェクト・エクシード)」にも協力しており、男子は昨年2度も日本記録が塗り替えられている。東京マラソンが陸上界の発展に寄与していることは疑いようがないだろう。 一方で、アスリートの強化育成だけでなく、スポーツの環境整備、普及啓発、社会貢献なども行っている。今春には東京都立川市の国営昭和記念公園に1周2500mと3900m、5600mの園内コースを設定し、距離表示ポストを新設するなどして誰でもウォーキングやランニングを楽しめる「パークフィットネス」の場を創出した。東京マラソンのチャリティによってさらにスポーツの輪が広がっていく好循環が生み出されている。 [caption id="attachment_3661" align="aligncenter" width="600"] スポーツレガシー事業チャリティアンバサダーとして活動している(左から)鹿野淳さん(音楽プロデューサー)、大島めぐみさん(女子マラソン元日本代表)、中村優さん(タレント)、M高史さん(ものまねアスリート芸人)。東京マラソン関連イベントに参加するなどしてスポーツレガシー事業の普及に努めている[/caption]「人々が協力し合う社会を作りたい」
東京マラソンの創設やチャリティなどを主導し、現在はレースディレクターのほかにスポーツレガシー事業運営委員長も務める早野忠昭氏は、チャリティ事業の規模拡大を目指し、寄付を受けた組織がどのように寄付金を活用しているか明示するように求めて、寄付をする側と受ける側の双方が気持ちの良い関係を築けるチャリティ文化の醸成を図ってきたという。 「ロンドン・マラソンは3万人のチャリティランナーが走り、平均で1人が30万円ほど寄付しています。金額がすべてではありませんが、日本のチャリティ文化をそういうレベルまで上げていくのが目標の1つです。スポーツレガシー事業も陸上界を揺さぶっていると思いますし、今後も東京マラソンが見本を示していきたいと考えています」 東京マラソンは単なる競技会ではなく、スポーツを中心とした1つの〝文化圏〟を形成しつつある。「私は教員やスポーツメーカー社員をやりながらスポーツに関わってきました。東京マラソンはその集大成だと思っています。ランニングを中心に、あらゆる人々が協力し合う世界を作りたい」と早野氏。スポーツを通じてより多くの人々が幸せを感じられるように、東京マラソンは今後もさまざまな取り組みに挑戦していきそうだ。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.17
不破聖衣来が香港で10kmレースに出場 9位でフィニッシュ
2024.11.20
【箱根駅伝2025名鑑】早稲田大学
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
-
2024.11.20
2024.11.01
吉田圭太が住友電工を退部 「充実した陸上人生を歩んでいきたい」競技は継続
2024.11.07
アシックスから軽量で反発性に優れたランニングシューズ「NOVABLAST 5」が登場!
-
2024.10.27
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.11.22
田中希実が来季『グランドスラム・トラック』参戦決定!マイケル・ジョンソン氏が新設
来春、開幕する陸上リーグ「グランドスラム・トラック」の“レーサー”として、女子中長距離の田中希実(New Balance)が契約したと発表された。 同大会は1990年代から2000年代に男子短距離で活躍したマイケル・ジョ […]
2024.11.21
早大競走部駅伝部門が麹を活用した食品・飲料を手がける「MURO」とスポンサー契約締結
11月21日、株式会社コラゾンは同社が展開する麹専門ブランド「MURO」を通じて、早大競走部駅伝部とスポンサー契約を結んだことを発表した。 コラゾン社は「MURO」の商品である「KOJI DRINK A」および「KOJI […]
2024.11.21
立迫志穂が調整不良のため欠場/防府読売マラソン
第55回防府読売マラソン大会事務局は、女子招待選手の立迫志穂(天満屋)が欠場すると発表した。調整不良のためとしている。 立迫は今年2月の全日本実業団ハーフマラソンで1時間11分16秒の11位。7月には5000m(15分3 […]
2024.11.20
M&Aベストパートナーズに中大・山平怜生、城西大・栗原直央、國學院大・板垣俊佑が内定!神野「チーム一丸」
神野大地が選手兼監督を務めるM&Aベストパートナーズが来春入社選手として、中大・山平怜生、國學院大・板垣俊佑、城西大・栗原直央の3人が内定した。神野が自身のSNSで内定式の様子を伝えている。 山平は宮城・仙台育英 […]
2024.11.20
第101回(2025年)箱根駅伝 出場チーム選手名鑑
・候補選手は各チームが選出 ・情報は11月20日時点、チーム提供および編集部把握の公認記録を掲載 ・選手名の一部漢字で対応外のものは新字で掲載しています ・過去箱根駅伝成績で関東学生連合での出場選手は相当順位を掲載 ・一 […]
Latest Issue 最新号
2024年12月号 (11月14日発売)
全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会