2021.06.22
◇インターハイ四国大会(6月19日~21日/愛媛県松山市)
福井インターハイへの出場権を懸けた地区予選となる四国大会が6月19日から21日の3日間、愛媛県松山市の愛媛県総合運動公園陸上競技場で行われ、鹿田真翔(四学香川西3)が初日に行われた専門の110mハードルと1走を務めた4×100mリレーに加え、2日目の100mも制して3冠に輝いた。
鹿田はレースを経てどんどんその存在感を増していった。初日最初の決勝種目は110mハードル。規格こそ違うものの、飯山中3年時には全中、ジュニア五輪を制し、中学記録も作ったことがある専門種目だ。
しかし、決勝前のウォーミングアップでハードルに左足をぶつけ、「歩くだけでも痛かった」という状況でのレース。結局、得意のスタートから流れに乗れことができず、勝ったもののタイムは昨年出した自己ベスト(14秒32)に及ばない14秒57(±0)。「最悪のレースでした」と表情は浮かなかったが、まずは1種目目を制した。それから約2時間半後の4×100mリレー決勝では1走を務めた鹿田。「痛みがまだ残っていた」ものの、他を大きく引き離し、チームの今季ベストとなる40秒61で優勝に貢献した。
満面の笑みを浮かべたのは翌日に行われた3種目目の100mだった。予選で10秒62(+1.1)と1ヵ月前に出した自己ベストを0.04秒更新。同じ組で走った四国高校記録(10秒43)保持者の久保井颯(鳴門渦潮3徳島)に100分の2秒先着して1着通過した。
決勝ではさらに快走。「スタートが決まりました」と主導権を握ると、久保井らの追い上げを振り切った。タイムは前日「10秒5台を出したい」と意気込んでいた通りの10秒56(+0.6)。前日には無かったガッツポーズを見せ、「ヨッシャー」と声を上げた。
この種目では香川県大会で3位。「110mハードルとリレーは勝ちたいと思いましたが、100mは強い選手がいたし、正直負けると思っていました。うれしいです」と〝想定外〟の3冠に言葉を弾ませた。冬季は坂ダッシュなどでしっかりトレーニングを積み、全体的に走力がアップ。昨年の10秒95から一気に自己記録を更新してきた。
まだ、そのスプリント力がハードルの自己ベスト更新につながっていないが、福井へ向けて残り1ヵ月は自分と向き合って研ぎ澄ませていく。
「110mハードルは全国に強い選手がいますが、タイムや順位よりを意識するよりも、自分の走りをすることを意識していきたいです。そうすれば結果も出てくると思います。100mは顧問の青海(知伸)先生が持つ香川県記録(10秒50)を更新したいです」と力を込めた。
この他、男子では200mで久保井が追い風参考ながら21秒09(+2.7)と好タイムをマークしてV。アンカーを務めた4×400mリレー(3分18秒53)と合わせて2冠を達成した。5000mはディビッド・グレ(高知中央2)が大会新の14分34秒91で制覇。男子ハンマー投は秋山玲二郎(四学香川西2)が自己新の60m92を放って優勝し、男子の最優秀選手に選ばれた。
女子では、入山眞菜(済美3愛媛)が100m(12秒17/±0)、200m(24秒97/+2.4)、アンカーを務めた4×400mリレー(3分51秒36)をいずれも勝って3冠。棒高跳では豊田ひなた(観音寺一1香川)が自己ベストの3m60をクリア。得意の100mハードルでも14秒06(+0.7)で制してルーキーながら個人2種目優勝。また、上田琴葉(八幡浜3愛媛)も800m(2分15秒69)と1500m(4分32秒45)の個人2冠を達成した。
砲丸投では昨年の全国高校大会覇者・川口由眞(生光学園2徳島)が13m38でV。ハンマー投は早野美咲(今治明徳2愛媛)が46m79の大会新V、七種競技でも越智心愛(聖カタリナ3愛媛)が大会新の4766点で優勝し、女子の最優秀選手に選ばれた。
学校対抗総合の優勝は男女いずれも四学香川西。昨年の中止を挟んで男子は5連覇、女子は4連覇を果たした。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは7月28日から8月1日まで福井県で開催される。
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