2021.06.21
好記録に沸いた男子走幅跳は深沢瑞樹(東海大翔洋2静岡、左)が7m66で優勝。2位の田中瑛人一(豊橋南2愛知、中央)、3位の清田偉斗(近大高専3三重)も大会記録を上回った
◇インターハイ東海大会(6月18日~20日/三重県伊勢市)
7月28日から8月2日に行われるインターハイ(福井)への出場権を懸けた東海大会が6月18日から20日の3日間、三重県伊勢市で行われ、上位3位までが大会記録を更新した男子走幅跳では深沢瑞樹(東海大翔洋2静岡)が7m66(+1.3)で優勝を飾った。
7m81の北川凱(東海大翔洋3静岡)を筆頭に、7m10以上の記録を持つジャンパーが8人もエントリーし、今大会屈指の注目種目。ビッグジャンプで制したのは期待の2年生だった。深沢は山梨・早川中時代から7m23の中学歴代5位(当時)をマークし、全中でも3位と輝かしい実績を残してきた逸材。高校進学後は多くの走幅跳選手を輩出してきた菅間友一先生の指導でさらに実力をつけ、昨年は7月に高1歴代最高の7m67をジャンプすると、10月の全国高校大会では上級生がひしめく中で2位に食い込んでいる。
今季のベストは県大会で出した7m33。「昨年は(記録や結果が)良すぎたところもあったのですが、今年はこれまでできなかった動きができるようになってきました」と自信を持って今大会に臨んだ。
しかし、1回目がファウルとなり、2回目は7m27(+0.5)。「前半の3回は助走で失速してしまって、その状態で跳んでしまったのでうまくいきませんでした」と思うような跳躍はできず3位での折り返し。「予想以上に大会のレベルが高く、(7m)27を跳んでもまだ上がいたので、少し焦りもありました」と反省が口をついた。それでも菅間先生から「勢いで跳んでいけ」というアドバイスを受け、気持ちを切り替えて臨んだ4回目に「踏み切った瞬間に今まで以上に身体が上がった感じがした」と7m63(+0.6)を跳んでトップへ。ライバルも記録を伸ばすなか、最終6回目には自己記録にあと1cmと迫るジャンプで競技を締めくくった。
深沢だけでなく、2位の田中瑛一(豊橋南2愛知)が7m53(+0.7)、3位の清田偉斗(近大高専3三重)が7m52(+0.9)と従来の大会記録(7m50)を更新。深沢の先輩である北川は7m40で5位となり、インターハイ進出ラインとなる6位が7m39(+2.6)とハイレベルの争いとなった。全国大会さながらの緊張感のある試合を制したことは深沢にとっても大きな自信となる。夏の福井では「ベストを跳んで、北川さんとワンツーを取りたい」と決意を新たにした。
大会初日の男子110mハードルに大会記録を0秒02上回る14秒19(-1.8)で優勝を飾った高橋遼将(中京大中京3愛知)は、翌日の400mハードルでも51秒37の大会新でV。アンカーを務めた4×400mリレーにも勝って3冠を獲得した。男子800mでは兵藤ジュダ(東海大翔洋3静岡)が1分50秒04と26年ぶりの大会新で快勝。男子ハンマ投の小河彪(久居3三重)が63m49と従来の大会記録を更新した。女子では4×100mリレーで中京大中京が45秒89(大会新)の好タイムでライバルを圧倒。また長距離の兼子心晴(浜松市立3静岡)が1500m、3000mの2種目に優勝を飾った。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは7月28日から8月1日まで福井県で開催される。

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