2019.05.13
【Web特別記事】
世界を体感した宮本大輔
「1つずつ積み上げる」
5月11、12日に横浜総合で開催された世界リレー。東洋大の宮本大輔は、4×200mリレーの1走を務め、日本の5位に貢献した。
「苦手な200mを2本でしたが、後半までしっかり粘れたと思います」
そう堂々と振り返った。
100m中学記録の10秒56を持ち、京都・洛南高時代はインターハイ連覇、世界ユース入賞と実績を残してきた宮本。4×100mリレーでも絶対的なエースとして高校記録を樹立した。
だが、鳴り物入りで大学に進学した昨シーズンは、充実の前半、苦しい後半を過ごした。前期は関東インカレ100m1年生優勝、アジア・ジュニア選手権2位、U20世界選手権入賞(7位)と結果を残したが、その後は初めて故障らしい故障をし、日本インカレ100m6位、国体100mで準決勝敗退。初めて100mの自己ベスト(10秒23/高3)を更新できずに終わった。
「冬は桐生先輩(祥秀)と同じ体幹トレーニングをしてきました」
本人は「タイトなユニフォームのせいですよ」と笑ったが、下半身はたくましくなり、実際に体重も増えている。冬の成果はシーズン早々に表れ、豪州では200mで20秒87(+2.0)と自己新、出雲陸上100mでは1本目に10秒30(+1.5)、2本目は10秒22(+3.4)と自己ベストに近い走り。世界リレーでも200m1日2本をしっかり走り切れた。
宮本が代表として走ったその日の朝。米国ではサニブラウン・アブデル・ハキーム(フロリダ大)が9秒99をマーク。同部屋だった多田修平(住友電工)と朝食をとっている時に知ったという。
「2017年にも10秒05で走っていますし、その時から9秒台の力はあったと思います。また離されてしまったという印象です」
1学年違いで、宮本が中3、サニブラウンが高1の時の国体少年B100mで対戦してから、国内でも国際大会でも一緒に走ってきた関係。無意識ではいられない。だからといって、意識し過ぎることはない。
「追いついていかないと話になりませんが、一気にそこ(9秒台)にいけるわけではありません。高いところに行くための階段を作るため、1つずつブロックを積み上げていきたい」
どれだけ注目を集め、持ち上げられ、時に忘れられても、自分の現在地を冷静に分析できる強さが宮本にはある。
「今回、初めてシニアの代表の一員として合宿をできて、『絶対に届かない場所ではない』と感じました。関東インカレでは100m、200mに出場予定です。まずは自己ベストを更新したい」
東京五輪のその先ももちろん考えている。だが、東京五輪をあきらめるつもりはない。5月23日から4日間、相模原ギオンスタジアムで開催される関東インカレでは、進化した宮本大輔の姿が見られそうだ。


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