2021.05.28
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第96回「追い風最高記録」(大久保雅文)
先日行われた関東インカレ男子1部110mハードルの決勝で、泉谷駿介選手(順大)が13秒05をマークして優勝しました。この種目の日本記録は4月に金井大旺選手(ミズノ)が出した13秒16。泉谷選手の記録はそれを上回るものでしたが、この時は5.2mの追い風が吹いていたため、追い風参考記録となりました。
陸上競技では風がパフォーマンスに大きく影響することから、200m以下のトラック種目と走幅跳、三段跳で風速を計測し、2.1m以上の追い風となった場合は参考記録として扱われます。また、これらの種目が組み込まれている混成競技でも風速が計測され、計測する種目の平均で2.1mの追い風となった場合は参考記録となります。(2010年にルール改定)
そこで今回は、世界と日本の追い風最高記録を紹介します。
(右は公認での最高記録)
<男子>
●100m
世界 9秒68(+4.1) T.ゲイ(米国) 2008年 /9秒58
日本 9秒87(+3.3) 桐生祥秀 2015年 /9秒97
●200m
世界 19秒49(+6.1) K.ベドナレク(米国) 2019年 /19秒19
日本 20秒09(+4.5) 髙瀨 慧 2015年 /20秒03
●110mH
世界 12秒87(+2.6) R.キングダム(米国) 1989年 /12秒80
日本 13秒05(+5.2) 泉谷駿介 2021年 /13秒13
●走幅跳
世界 8m99(+4.4) M.パウエル(米国) 1992年 /8m95
日本 8m34(+3.0) 森長正樹 2000年 /8m40
●三段跳
世界 18m43(+2.4)J.エドワーズ(英国) 1995年 /18m29
日本 17m10(+3.0)山下訓史 1987年 /17m15
<女子>
●100m
世界 10秒54(+3.0)F.グリフィス・ジョイナー(米国) 1988年 /10秒49
日本 11秒16(+3.4)福島千里 2011年 /11秒21
●200m
世界 21秒80(+3.2)K.ダンカン(米国) 2013年 /21秒34
日本 23秒12(+2.8)信岡沙希重 2007年 /22秒88
●100mH
世界 12秒28(+2.7)C.オシュケナート(東ドイツ) 1987年 /12秒20
日本 12秒87(+2.1)青木益未 2020年 /12秒96
●走幅跳
世界 7m63(+2.1) H.ドレクスラー(東ドイツ) 1992年 /7m52
日本 6m82(+2.3) 花岡真帆 2005年 /6m86
●三段跳
世界 15m24(+4.2) M.マルティネス(イタリア) 2004年 /15m50
日本 13m38(+2.7) 桝見咲智子 2012年 /14m04
なお、これらの追い風最高記録を公認の最高記録と比較すると、世界では10種目中7種目で公認の最高記録のほうが良い記録となっています。
「世界陸上統計者協会」による調査では、男子100mにおいて2.1mの追い風が吹いた場合は無風時に比べ0秒168速くなり、風速10mなら0秒448、風速20mなら0秒896も速くなると試算されています。ただし、追い風が強すぎるとハードル間や助走時の歩幅にも影響するため、取材時には「追い風が強くて足があいませんでした」と話す選手も少なくありません。
そもそも5m以上の風が吹くという天候は、台風が接近していたり、大気が不安定な天候でもありますので、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしということでしょうか。
大久保雅文(おおくぼ・まさふみ) 月刊陸上競技編集部 1984年9月生まれ。175cm、63kg。三重県伊勢市出身。小学1年から競泳、レスリング、野球などをするも、吉田沙保里さんにタックルを受けたこと以外は特にこれといった実績も残せず。中学で「雨が降ったら練習が休みになるはず」という理由から陸上部に入部。長距離を専門とし、5000mと3000m障害で県インターハイ決勝出場 |
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