2019.03.16
高校陸上界展望2019
Road to 沖縄インターハイ
今シーズンを彩る主役たち
トラックシーズンの幕が開く春。高校アスリートたちが大きく羽ばたく季節だ。中でも全国の高校生が目標としているのが沖縄インターハイだ。2010年以来9年ぶりの沖縄開催となる今回は、例年よりも会期が遅く、日程は8月4日~8日。会場の沖縄県総合運動公園陸上競技場(タピック県総ひやごんスタジアム)を目指して、今年も都府県大会、地区大会は激しくなりそうだ。
また、秋には茨城国体が10月4~8日に行われ、U20・U18日本選手権は昨年までの愛知から広島に会場を移し、10月18日?20日に開催される。今年はアジア・ユース選手権(3月15日~17日/香港)を除くと、U20・U18世代の大規模な国際大会はなく、高校アスリートは国内大会に注力していくだろう。
これらの大会で上位を争いそうな注目選手を紹介していく。
〝超高校級〟クレイら有力選手が多数
多くの高校生が意識するのは、インターハイ本番とその予選となる都府県大会や地区大会となるだろう。
だが、その〝規格〟を超えた活躍を見据える選手が何人かいる。その筆頭が、男子800mで高校記録(1分47秒51)を持つクレイ・アーロン竜波(相洋2神奈川)だ。インターハイ路線はもちろんだが、順調なら6月の日本選手権に照準を合わせていく。簡単な道のりではないが、視線の先にあるのは世界だ。
女子の走幅跳や円盤投で「高校生優勝」の文字が躍った昨年の日本選手権では、女子100mで御家瀬緑(恵庭北2北海道)が4位に入り、ジャカルタ・アジア大会4×100mリレーの代表に選ばれた。このほか400mで髙島咲季(相洋2神奈川)が5位、走幅跳で中津川亜月(浜松市立2静岡)が6位に入っており、いずれも今年の高校陸上界を牽引しそうだ。
今年はU20・U18で大きな国際大会がないため、日本選手権の活躍を視野に入れる一部のトップ選手以外は、インターハイ路線に集中するだろう。とはいえ、昨年のユース五輪やインターハイ、国体で実績を残すなど、国内外ビッグイベントの経験豊富な選手がズラリとそろう。
昨年のインターハイでは前出のクレイ、御家瀬、髙島の他、男子400mハードルの出口晴翔(東福岡2)、3000m障害のフィレモン・キプラガット(倉敷2岡山)、やり投の中村健太郎(清風南海2大阪)、女子1500mのアグネス・ムカリ(倉敷1岡山)が下級生優勝を果たした。出口は規格こそ違うものの、10月のユース五輪で金メダルを獲得。世界一に輝いた。
また、昨年の福井国体で2年生優勝を果たした少年男子A400mの藤好駿太(修猷館2福岡)、少年共通男子走高跳の坂井宏和(東海大仰星2大阪)、少年女子A100mの三浦由奈(柴田2宮城)、少年女子共通砲丸投の廣島愛亜梨(大阪2)も、各種目の主役候補だ。
陸上競技の〝花形〟である100mは男女ともに混戦の予感だ。男子はインターハイ4位で、U18日本選手権王者の中村彰太(浜松工2静岡)が実績面でリードしているものの、10秒5台が10人を数える。女子は御家瀬、三浦以外にも、U18日本選手権優勝の青山華依(大阪1)や、影山咲穗(市船橋2千葉)ら実力者も多い。
このほか、昨年のユース五輪男子棒高跳銀メダリスト・古澤一生(前橋育英1群馬)は、2月の日本室内大阪大会で自身の持つ高1最高を1cm更新する5m23に成功。今季は高2最高(5m36)がターゲットだ。
また男子中長距離は、インターハイでは男子1500mで林田洋翔(瓊浦2長崎)、男子3000m障害で菖浦敦司(西京2山口)らが上位に食い込み、三浦龍司(洛南2京都)が秋に高校歴代3位の8分46秒56をマークした。冬の全国高校駅伝や全国都道府県対抗駅伝でも3年生をしのぐ1、2年生の活躍が目立ち、躍進が大いに期待できそうだ。
※2019年3月14日発売の『月刊陸上競技』4月号では種目ごとに有力選手を紹介しています
高校陸上界展望2019 Road to 沖縄インターハイ

今シーズンを彩る主役たち
トラックシーズンの幕が開く春。高校アスリートたちが大きく羽ばたく季節だ。中でも全国の高校生が目標としているのが沖縄インターハイだ。2010年以来9年ぶりの沖縄開催となる今回は、例年よりも会期が遅く、日程は8月4日~8日。会場の沖縄県総合運動公園陸上競技場(タピック県総ひやごんスタジアム)を目指して、今年も都府県大会、地区大会は激しくなりそうだ。 また、秋には茨城国体が10月4~8日に行われ、U20・U18日本選手権は昨年までの愛知から広島に会場を移し、10月18日?20日に開催される。今年はアジア・ユース選手権(3月15日~17日/香港)を除くと、U20・U18世代の大規模な国際大会はなく、高校アスリートは国内大会に注力していくだろう。 これらの大会で上位を争いそうな注目選手を紹介していく。〝超高校級〟クレイら有力選手が多数
多くの高校生が意識するのは、インターハイ本番とその予選となる都府県大会や地区大会となるだろう。 だが、その〝規格〟を超えた活躍を見据える選手が何人かいる。その筆頭が、男子800mで高校記録(1分47秒51)を持つクレイ・アーロン竜波(相洋2神奈川)だ。インターハイ路線はもちろんだが、順調なら6月の日本選手権に照準を合わせていく。簡単な道のりではないが、視線の先にあるのは世界だ。 女子の走幅跳や円盤投で「高校生優勝」の文字が躍った昨年の日本選手権では、女子100mで御家瀬緑(恵庭北2北海道)が4位に入り、ジャカルタ・アジア大会4×100mリレーの代表に選ばれた。このほか400mで髙島咲季(相洋2神奈川)が5位、走幅跳で中津川亜月(浜松市立2静岡)が6位に入っており、いずれも今年の高校陸上界を牽引しそうだ。 今年はU20・U18で大きな国際大会がないため、日本選手権の活躍を視野に入れる一部のトップ選手以外は、インターハイ路線に集中するだろう。とはいえ、昨年のユース五輪やインターハイ、国体で実績を残すなど、国内外ビッグイベントの経験豊富な選手がズラリとそろう。 昨年のインターハイでは前出のクレイ、御家瀬、髙島の他、男子400mハードルの出口晴翔(東福岡2)、3000m障害のフィレモン・キプラガット(倉敷2岡山)、やり投の中村健太郎(清風南海2大阪)、女子1500mのアグネス・ムカリ(倉敷1岡山)が下級生優勝を果たした。出口は規格こそ違うものの、10月のユース五輪で金メダルを獲得。世界一に輝いた。 また、昨年の福井国体で2年生優勝を果たした少年男子A400mの藤好駿太(修猷館2福岡)、少年共通男子走高跳の坂井宏和(東海大仰星2大阪)、少年女子A100mの三浦由奈(柴田2宮城)、少年女子共通砲丸投の廣島愛亜梨(大阪2)も、各種目の主役候補だ。 陸上競技の〝花形〟である100mは男女ともに混戦の予感だ。男子はインターハイ4位で、U18日本選手権王者の中村彰太(浜松工2静岡)が実績面でリードしているものの、10秒5台が10人を数える。女子は御家瀬、三浦以外にも、U18日本選手権優勝の青山華依(大阪1)や、影山咲穗(市船橋2千葉)ら実力者も多い。 このほか、昨年のユース五輪男子棒高跳銀メダリスト・古澤一生(前橋育英1群馬)は、2月の日本室内大阪大会で自身の持つ高1最高を1cm更新する5m23に成功。今季は高2最高(5m36)がターゲットだ。 また男子中長距離は、インターハイでは男子1500mで林田洋翔(瓊浦2長崎)、男子3000m障害で菖浦敦司(西京2山口)らが上位に食い込み、三浦龍司(洛南2京都)が秋に高校歴代3位の8分46秒56をマークした。冬の全国高校駅伝や全国都道府県対抗駅伝でも3年生をしのぐ1、2年生の活躍が目立ち、躍進が大いに期待できそうだ。 ※2019年3月14日発売の『月刊陸上競技』4月号では種目ごとに有力選手を紹介しています
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