2021.05.21
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第95回「競技会に必要なもの」(井上 敦)
日本国内、世界各地の競技会が行われています。5月は例年、上旬の大型連休には日本グランプリシリーズ、それが終わるとインターハイ予選が続々と始まり、地区インカレ、地域実業団も開催。海外ではダイヤモンドリーグが行われます。ただ、1年前はそれが一切ありませんでした。
今年は、延期・中止となった競技会もありますが、いわゆる各地の主要大会の多くは開催されています。昨年のこの時期と違って前向きな気持ちにもなりますね。試合結果が入ってくると、時折一喜一憂するのがシーズン中の小誌編集部の風景ですが、そういったことも増えてきたような気がします。
先日、インターハイ神奈川県大会2日目の取材に行ってきました。毎年あったインターハイは昨年、初の中止となったため2年ぶりです。南関東大会やその先の全国大会を目指して必死な様子の高校生を目の当たりにして、競技内容以上に「こういう光景が戻ってきて良かったな」としみじみ思いました。
神奈川県大会は感染対策として家族やOBらの来場が禁止されています。そのため、スタンドにいるのは部員や指導者ぐらい。2年前も神奈川県大会(この時は最終日)にお邪魔しましたが、その時と比べるとやはり明らかに少なかったです。
なかでも、声援が無いというのは大きな違和感がありました。許されているのは拍手だけ。声を出してしまうと「拍手にしてください」とアナウンスが入ります。
この状況ですから、競技会ができるだけでもありがたさを感じますし、声を出せないというのは「止むを得ないし、やってはいけない」と重々承知していますが、一方で物足りなさも感じます。大声を出して応援するのも、特に学生スポーツを盛り上げる要素です。
◇2019年のインターハイ神奈川県大会最終日の三ツ沢公園競技場
個人的なことですが、昔自宅に8ミリカメラがあって、それで撮った素材を昨年まとめてDVD化しました。その中には高校時代の競技会を撮影したものもあって、私やチームメイトが、スタンドから声援を受けて競技している様子が映っていました。
種目によってその性質が違うと思いますが、私は周回種目の1500mが専門だったので、レース中は声援が割と耳に入っていました(走りに集中していなかったかも)。
陸上ではよくある「ゴーゴーレッツゴー!!」は言うまでもなく、「ガンバ!」とか「ファイト~!」など、あと「ここからっ~!」なんてのもありました。集団応援だけでなく、たまに1人だけの張り上げた声も聞こえてきて「あいつの声だな」と……。デジタル化した当時の映像にもその様子が収められていて、見返しながら思い出しました。
その声を聞いて、先頭集団から零れ落ちそうなしんどい局面を耐えたり、最後の力を振り絞ったりと。そういう、〝声援アシスト〟もありました。
それは競技に直接関わっている人だけでなく、観戦する人にとってもその大会を引きつけることになるだろうと思います。このブログがアップされる日は関東インカレの真っ最中ですが、大学でも特徴的な応援スタイルがあり、動きによるパフォーマンスもありますが、声援も大きな要素です。それがないのは、寂しさもあります。これも競技会(特に対校戦)には必要なものではないしょうか。
「すぐに」とはいきませんが、いつも通りの競技会の風景がなるべく早く戻ってきてほしいですね。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、3年間で個人では県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。 |
編集部コラム第94回「メンタルトレーニング」(山本)
編集部コラム第93回「努力は報われた」(向永)
編集部コラム第92回「2年ぶりの織田記念」(小川)
編集部コラム第91回「エゴイスト」(船越)
編集部コラム第90回「あらためて100m10秒台ってすごいタイムですよね??」(松永)
編集部コラム第89回「学生競技会の華 大学対校戦!」(大久保)
編集部コラム第88回「U20世界選手権の上位候補をリサーチ!」(井上)
編集部コラム第87回「編集部コラム「郷土の応援」(山本)
編集部コラム第86回「あこがれの松田耕作記者」(向永)
編集部コラム第85回「スポーツのチカラ」(小川)
編集部コラム第84回「初心」(船越)
編集部コラム第83回「高校生にとってのインターハイ」(松永)
編集部コラム第82回「2020年世界リストTop10入り日本人選手」(大久保)
編集部コラム第81回「〝きっかけ〟の提供を」(井上)
編集部コラム第80回「一番アツい夏」(山本)
編集部コラム第79回「前向きな言葉という魔法」(向永)
編集部コラム第78回「自分なりの『答え』を探す」(小川)
編集部コラム第77回「カメラマンの箱根駅伝」(船越)
編集部コラム第76回「専門誌記者の箱根駅伝」(松永)
編集部コラム第75回「データで見る箱根駅伝当日エントリー変更」(大久保)
編集部コラム第74回「2020年を振り返って」(井上)
編集部コラム第73回「プレッシャーとの向き合い方」(山本)
編集部コラム第72回「陸上競技のイメージを変えたい」(向永)
編集部コラム第71回「2020年ラストスパート!!」(小川)
編集部コラム第70回「理不尽なこと」(船越)
編集部コラム第69回「這い上がる」(松永)
編集部コラム第68回「都道府県対抗 男子十種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第67回「都大路も高速レースの予感」(井上)
編集部コラム第66回「陸上競技を続けると……?」(山本)
編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
編集部コラム第63回「質と量」(船越)
編集部コラム第62回「たかが2cm、されど2cm」(松永)
編集部コラム第61回「都道府県対抗 女子七種競技選手権」(大久保)
編集部コラム第60回「キソの大切さ」(井上)
編集部コラム第59回「思い込みを捨てる」(山本)
編集部コラム第58回「それ、ドーピングだよ」(向永)
編集部コラム第57回「東京五輪へ“もう1度”あと1年」(小川)
編集部コラム第56回「魔法の言葉」(船越)
編集部コラム第55回「月陸ってどんな雑誌?」(松永)
編集部コラム第54回「インターハイ種目別学校対抗(女子編)」(大久保)
編集部コラム第53回「明確なビジョン」(井上)
編集部コラム第52回「人間性を磨く」(山本)
編集部コラム第51回「指が痛い。」(向永)
編集部コラム第50回「温故知新」(小川)
編集部コラム第49回「対面取材」(船越)
編集部コラム第48回「日本選手権優勝者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第47回「インターハイ種目別学校対抗(男子編)」(大久保)
編集部コラム第46回「月陸に自分が載った」(井上)
編集部コラム第45回「陸上競技と関わり続ける」(山本)
編集部コラム第44回「逃げるとどうなる?」(向永)
編集部コラム第43回「成長のヒント」(小川)
編集部コラム第42回「日本実業団記録」(大久保)
編集部コラム第41回「思い出の2016年長野全中」(松永)
編集部コラム第40回「葛藤」(船越)
編集部コラム第39回「何も咲かない寒い日は……」(井上)
編集部コラム第38回「社会の一員としての役割」(山本)
編集部コラム第37回「大学生、高校生、中学生に光を」(向永)
編集部コラム第36回「Tokyo 2020+1」(小川)
編集部コラム第35回「善意」(船越)
編集部コラム第34回「ピンチをチャンスに」(松永)
編集部コラム第33回「日本記録アラカルト」(大久保)
編集部コラム第32回「独断で選ぶ2019年度高校陸上界5選」(井上)
編集部コラム第31回「記録と順位」(山本)
編集部コラム第30回「答えを見つけ出す面白さ」(向永)
編集部コラム第29回「初めてのオリンピック」(小川)
編集部コラム第28回「人生意気に感ず」(船越)
編集部コラム第27回「学生駅伝〝区間賞〟に関するアレコレ」(松永)
編集部コラム第26回「2019年度 陸上界ナンバーワン都道府県は?」(大久保)
編集部コラム第25回「全国男子駅伝の〝私見〟大会展望」(井上)
編集部コラム第24回「箱根駅伝の高速化を検証」(山本)
編集部コラム番外編「勝負師の顔」(山本)
編集部コラム第23回「みんなキラキラ」(向永)
編集部コラム第22回「国立競技場」(小川)
編集部コラム第21回「〝がんばれ〟という言葉の力と呪縛」(船越)
編集部コラム第20回「日本記録樹立者を世代別にまとめてみた」(松永)
編集部コラム第19回「高校陸上界史上最強校は?(女子編)」(大久保)
編集部コラム第18回「独断で選ぶ全国高校駅伝5選」(井上)
編集部コラム第17回「リクジョウクエスト2~そして月陸へ~」(山本)
編集部コラム第16回「強い選手の共通点?」(向永)
編集部コラム第15回「続・ドーハの喜劇?」(小川)
編集部コラム第14回「初陣」(船越)
編集部コラム第13回「どうなる東京五輪マラソン&競歩!?」(松永)
編集部コラム第12回「高校陸上界史上最強校は?(男子編)」(大久保)
編集部コラム第11回「羽ばたけ日本の中距離!」(井上)
編集部コラム第10回「心を動かすもの」(山本)
編集部コラム第9回「混成競技のアレコレ」(向永)
編集部コラム第8回「アナウンス」(小川)
編集部コラム第7回「ジンクス」(船越)
編集部コラム第6回「学生駅伝を支える主務の存在」(松永)
編集部コラム第5回「他競技で活躍する陸上競技経験者」(大久保)
編集部コラム第4回「とらんすふぁ~」(井上)
編集部コラム第3回「リクジョウクエスト」(山本)
編集部コラム第2回「あんな選手を目指しなさい」(向永)
編集部コラム第1回「締め切りとIHと五輪」(小川)
第95回「競技会に必要なもの」(井上 敦)
日本国内、世界各地の競技会が行われています。5月は例年、上旬の大型連休には日本グランプリシリーズ、それが終わるとインターハイ予選が続々と始まり、地区インカレ、地域実業団も開催。海外ではダイヤモンドリーグが行われます。ただ、1年前はそれが一切ありませんでした。 今年は、延期・中止となった競技会もありますが、いわゆる各地の主要大会の多くは開催されています。昨年のこの時期と違って前向きな気持ちにもなりますね。試合結果が入ってくると、時折一喜一憂するのがシーズン中の小誌編集部の風景ですが、そういったことも増えてきたような気がします。 先日、インターハイ神奈川県大会2日目の取材に行ってきました。毎年あったインターハイは昨年、初の中止となったため2年ぶりです。南関東大会やその先の全国大会を目指して必死な様子の高校生を目の当たりにして、競技内容以上に「こういう光景が戻ってきて良かったな」としみじみ思いました。 神奈川県大会は感染対策として家族やOBらの来場が禁止されています。そのため、スタンドにいるのは部員や指導者ぐらい。2年前も神奈川県大会(この時は最終日)にお邪魔しましたが、その時と比べるとやはり明らかに少なかったです。 なかでも、声援が無いというのは大きな違和感がありました。許されているのは拍手だけ。声を出してしまうと「拍手にしてください」とアナウンスが入ります。 この状況ですから、競技会ができるだけでもありがたさを感じますし、声を出せないというのは「止むを得ないし、やってはいけない」と重々承知していますが、一方で物足りなさも感じます。大声を出して応援するのも、特に学生スポーツを盛り上げる要素です。 ◇2019年のインターハイ神奈川県大会最終日の三ツ沢公園競技場 個人的なことですが、昔自宅に8ミリカメラがあって、それで撮った素材を昨年まとめてDVD化しました。その中には高校時代の競技会を撮影したものもあって、私やチームメイトが、スタンドから声援を受けて競技している様子が映っていました。 種目によってその性質が違うと思いますが、私は周回種目の1500mが専門だったので、レース中は声援が割と耳に入っていました(走りに集中していなかったかも)。 陸上ではよくある「ゴーゴーレッツゴー!!」は言うまでもなく、「ガンバ!」とか「ファイト~!」など、あと「ここからっ~!」なんてのもありました。集団応援だけでなく、たまに1人だけの張り上げた声も聞こえてきて「あいつの声だな」と……。デジタル化した当時の映像にもその様子が収められていて、見返しながら思い出しました。 その声を聞いて、先頭集団から零れ落ちそうなしんどい局面を耐えたり、最後の力を振り絞ったりと。そういう、〝声援アシスト〟もありました。 それは競技に直接関わっている人だけでなく、観戦する人にとってもその大会を引きつけることになるだろうと思います。このブログがアップされる日は関東インカレの真っ最中ですが、大学でも特徴的な応援スタイルがあり、動きによるパフォーマンスもありますが、声援も大きな要素です。それがないのは、寂しさもあります。これも競技会(特に対校戦)には必要なものではないしょうか。 「すぐに」とはいきませんが、いつも通りの競技会の風景がなるべく早く戻ってきてほしいですね。井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で陸上部に入部して最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、3年間で個人では県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得やチームの県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。 |
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