HOME ニュース、国内

2021.05.04

キング健在!34歳の右代啓祐が十種競技優勝 七種競技は山崎が貫禄V/GP混成
キング健在!34歳の右代啓祐が十種競技優勝 七種競技は山崎が貫禄V/GP混成


サトウ食品グランプリシリーズのポイント対象大会の男子十種競技と女子七種競技が、5月2日、3日の2日間、鹿児島市の白波スタジアムで鹿児島記録会と合わせて開催された。初日は、スタンドに置いていたプログラムが風で遠くまで飛んでいくほどの強風が吹き荒れ、全体的に低調な滑り出し。翌日は快晴に恵まれ、2日目を得意とする選手が上位に進出した。

男子十種競技は、日本記録保持者の右代啓祐(国士舘クラブ)が7816点で優勝した。7800点超えは2年ぶり。初日の田上駿(順大院)とは220点差の7位だったが、2日目に得意の円盤投で48m43、やり投で62m45の記録を残し、最終種目の1500mをトップで迎えた。しかし、2位との差はわずか139点。昨年の日本選手権は1500mで4分57秒も要し、逆転優勝を許してしまったが、「この一年は、心肺機能とスピードのトレーニングをとにかくしてきました。嘔吐する日も、過呼吸になる日もあったけど、9月の日本選手権から一度も気持ちを切らさずにやってきた」と、自信をもってスタートラインに立った。

1500mを4分39秒67で走りきった右代は、4分26秒28の田上に52点差で勝利。若手のホープに「優勝できるかも……と思ったんですが。右代さんの偉大さが身にしみました。あっぱれとしか言いようがないです」と完敗を認めさせた。レース後「こんなに失敗しても7800点も取れるなんて、これからの自分が楽しみ」と言い切った、34歳のキング。日本選手権では東京五輪派遣標準記録をクリアするつもりだ。

2位の田上は7764点で日本歴代7位、学生歴代3位。インターハイ優勝など、将来を期待されてきた選手が飛躍した。昨年の日本選手権優勝の中村明彦(スズキ)は棒高跳を終えた後に途中棄権した。

女子七種競技は、山崎有紀(スズキ)が5692点で圧勝。自己ベスト(5873点)の更新も期待できるほどの状態だったというが、1種目の100mハードルで自己ベストに遠く及ばない14秒38だったことが、精神的に最後まで尾を引いた。4連覇が懸かる日本選手権は、優勝はもちろん、2018年以来更新できていない自己ベストの更新が最低目標。故障から復帰を目指すライバル・ヘンプヒル恵(アトレ)が戻って来れば、闘争心にもさらに火がつくだろう。

●十種競技
1位 7816点 右代啓祐(国士舘クラブ)
2位 7764点 田上 駿(順大院)
3位 7410点 清水剛士(三重陸協)
●七種競技
1位 5692点 山崎有紀(スズキ)
2位 5396点 大玉華鈴(日体大)
3位 5264点 利藤野乃花(わらべや日洋)

サトウ食品グランプリシリーズのポイント対象大会の男子十種競技と女子七種競技が、5月2日、3日の2日間、鹿児島市の白波スタジアムで鹿児島記録会と合わせて開催された。初日は、スタンドに置いていたプログラムが風で遠くまで飛んでいくほどの強風が吹き荒れ、全体的に低調な滑り出し。翌日は快晴に恵まれ、2日目を得意とする選手が上位に進出した。 男子十種競技は、日本記録保持者の右代啓祐(国士舘クラブ)が7816点で優勝した。7800点超えは2年ぶり。初日の田上駿(順大院)とは220点差の7位だったが、2日目に得意の円盤投で48m43、やり投で62m45の記録を残し、最終種目の1500mをトップで迎えた。しかし、2位との差はわずか139点。昨年の日本選手権は1500mで4分57秒も要し、逆転優勝を許してしまったが、「この一年は、心肺機能とスピードのトレーニングをとにかくしてきました。嘔吐する日も、過呼吸になる日もあったけど、9月の日本選手権から一度も気持ちを切らさずにやってきた」と、自信をもってスタートラインに立った。 1500mを4分39秒67で走りきった右代は、4分26秒28の田上に52点差で勝利。若手のホープに「優勝できるかも……と思ったんですが。右代さんの偉大さが身にしみました。あっぱれとしか言いようがないです」と完敗を認めさせた。レース後「こんなに失敗しても7800点も取れるなんて、これからの自分が楽しみ」と言い切った、34歳のキング。日本選手権では東京五輪派遣標準記録をクリアするつもりだ。 2位の田上は7764点で日本歴代7位、学生歴代3位。インターハイ優勝など、将来を期待されてきた選手が飛躍した。昨年の日本選手権優勝の中村明彦(スズキ)は棒高跳を終えた後に途中棄権した。 女子七種競技は、山崎有紀(スズキ)が5692点で圧勝。自己ベスト(5873点)の更新も期待できるほどの状態だったというが、1種目の100mハードルで自己ベストに遠く及ばない14秒38だったことが、精神的に最後まで尾を引いた。4連覇が懸かる日本選手権は、優勝はもちろん、2018年以来更新できていない自己ベストの更新が最低目標。故障から復帰を目指すライバル・ヘンプヒル恵(アトレ)が戻って来れば、闘争心にもさらに火がつくだろう。 ●十種競技 1位 7816点 右代啓祐(国士舘クラブ) 2位 7764点 田上 駿(順大院) 3位 7410点 清水剛士(三重陸協) ●七種競技 1位 5692点 山崎有紀(スズキ) 2位 5396点 大玉華鈴(日体大) 3位 5264点 利藤野乃花(わらべや日洋)

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.18

選抜女子駅伝オーダー発表 積水化学は1区松本明莉、パナソニック5区森田香織 高校3連覇狙う神村学園は5区瀬戸口凜

第36回選抜女子駅伝北九州大会(1月19日/福岡・北九州市の小倉城歴史の道発着)前日の1月18日、各チームのオーダーが発表された。 一般の部(5区間27.2km)は実業団チームと地元・北九州市一般選抜を含めた10チームが […]

NEWS 都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔

2025.01.18

都道府県男子駅伝オーダー発表!3区に塩尻和也と鶴川正也 7区は鈴木健吾、黒田朝日 4連覇狙う長野は3区吉岡大翔

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝前日の1月18日、オーダーリストが発表された。 エントリーされていた2人の日本記 […]

NEWS 西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

2025.01.17

西脇多可新人高校駅伝の出場校決定!男子は佐久長聖、大牟田、九州学院、洛南 女子は長野東、薫英女学院など有力校が登録

1月17日、西脇多可新人高校駅伝の実行委員会が、2月16日に行われる第17回大会の出場チームを発表した。 西脇多可新人高校駅伝は、兵庫県西脇市から多可町を結ぶ「北はりま田園ハーフマラソンコース(21.0795km)」で行 […]

NEWS 編集部コラム「年末年始の風物詩」

2025.01.17

編集部コラム「年末年始の風物詩」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

2025.01.17

中・高校生充実の長野“4連覇”なるか 実力者ぞろいの熊本や千葉、岡山、京都、福岡も注目/都道府県男子駅伝

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48.0km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ全国都道府県男子駅伝が1月19日に行われる […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年2月号 (1月14日発売)

2025年2月号 (1月14日発売)

駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝

page top