HOME ニュース、国内

2021.04.30

100mH寺田明日香が0.01秒日本記録更新!10年ぶりの舞台で愛娘に見せた「1番」/織田記念
100mH寺田明日香が0.01秒日本記録更新!10年ぶりの舞台で愛娘に見せた「1番」/織田記念


◇織田記念(4月29日/広島・エディオンスタジアム)

サトウ食品日本グランプリシリーズの織田記念が行われ、女子100mハードルで寺田明日香(ジャパンクリエイト)が、自身の日本記録を0.01秒更新する12秒96(+1.6)で優勝した。

雨が降り続いた予選は「寒くて身体が動かなかった」。だが、雨が上がり日差しが出てきた決勝の頃には気温も上がり、絶好の追い風が吹く。「10年ぶりなので、どんな感じだったかなと緊張して臨んだ」と寺田。直前に男子110mハードルで金井大旺(ミズノ)が日本新を出し、「あ、(記録が)出るんだ」と気持ちを高めて決勝のスタートに立った。

鋭く飛び出した寺田は、「せっかくスピードが上がったのに、ハードリングが粗い。7、8台目で珍しくぶつけてしまってバランスを崩してしまいました」と振り返る。だが、他を圧倒するスピードで駆け抜けると、タイマーは12秒97で止まった。これまでU20日本記録(13秒05/09年)を2度マークしたり、一度目の日本記録を出した19年には金沢イボンヌの記録に並ぶ13秒00だったりと、「タイ記録を出すことが多いので、またか……と思いました」と苦笑い。だが、公式記録は12秒96。堂々とフィニッシュタイマーの記念撮影に向かうと、スタンドに向かって「早くおいで!」と呼びかけた。愛娘の果緒ちゃんだ。

娘を抱っこすると、涙を拭う娘を見て寺田の瞳も潤んだ。「娘がうれしいから泣いているというのでウルッときました。うれしくて泣くというのが彼女の中にある。大きな成長を感じます」と、アスリートとして、そして母として感慨に浸った。この日の朝は「1番がいいよ」と言って送り出された寺田は、その言葉に100点満点で応えて見せた。

3月の室内で脚を痛めたこともあり、織田記念に向けて不安も大きく「怖かった」と言う。その不安を払拭する快走で「吹っ切れた。自信になる良いレースだったと思います」と手応えをつかんだ。それでも東京五輪の参加標準記録12秒84まで「もう少し(ある)」というのもまた現実。ハードリングの精度を上げて、初の五輪に向けさらに加速していく。

広告の下にコンテンツが続きます
◇織田記念(4月29日/広島・エディオンスタジアム) サトウ食品日本グランプリシリーズの織田記念が行われ、女子100mハードルで寺田明日香(ジャパンクリエイト)が、自身の日本記録を0.01秒更新する12秒96(+1.6)で優勝した。 雨が降り続いた予選は「寒くて身体が動かなかった」。だが、雨が上がり日差しが出てきた決勝の頃には気温も上がり、絶好の追い風が吹く。「10年ぶりなので、どんな感じだったかなと緊張して臨んだ」と寺田。直前に男子110mハードルで金井大旺(ミズノ)が日本新を出し、「あ、(記録が)出るんだ」と気持ちを高めて決勝のスタートに立った。 鋭く飛び出した寺田は、「せっかくスピードが上がったのに、ハードリングが粗い。7、8台目で珍しくぶつけてしまってバランスを崩してしまいました」と振り返る。だが、他を圧倒するスピードで駆け抜けると、タイマーは12秒97で止まった。これまでU20日本記録(13秒05/09年)を2度マークしたり、一度目の日本記録を出した19年には金沢イボンヌの記録に並ぶ13秒00だったりと、「タイ記録を出すことが多いので、またか……と思いました」と苦笑い。だが、公式記録は12秒96。堂々とフィニッシュタイマーの記念撮影に向かうと、スタンドに向かって「早くおいで!」と呼びかけた。愛娘の果緒ちゃんだ。 娘を抱っこすると、涙を拭う娘を見て寺田の瞳も潤んだ。「娘がうれしいから泣いているというのでウルッときました。うれしくて泣くというのが彼女の中にある。大きな成長を感じます」と、アスリートとして、そして母として感慨に浸った。この日の朝は「1番がいいよ」と言って送り出された寺田は、その言葉に100点満点で応えて見せた。 3月の室内で脚を痛めたこともあり、織田記念に向けて不安も大きく「怖かった」と言う。その不安を払拭する快走で「吹っ切れた。自信になる良いレースだったと思います」と手応えをつかんだ。それでも東京五輪の参加標準記録12秒84まで「もう少し(ある)」というのもまた現実。ハードリングの精度を上げて、初の五輪に向けさらに加速していく。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.27

【男子5000m】吉田星(東海大札幌高2)13分46秒49=高2歴代7位

日体大長距離競技会兼NITTAIDAI Challenge Gamesが4月27日、神奈川・横浜市の同大学健志台陸上競技場で行われ、NCG男子5000m1組で吉田星(東海大札幌高2北海道)が高2歴代7位の13分46秒49 […]

NEWS 七種競技は田中友梨がセカンドベストの5551点で制す 2位梶木菜々香、3位熱田心/東京選手権

2025.04.27

七種競技は田中友梨がセカンドベストの5551点で制す 2位梶木菜々香、3位熱田心/東京選手権

第88回東京選手権が4月25日~27日の日程で東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場で行われ、前日に続いて最終日に実施された女子七種競技では田中友梨(スズキ)が5551点で優勝した。 田中は初日の100mハードルを自己ベス […]

NEWS アセファが女子単独レース世界新の2時間15分50秒 男子はサウェ2時間2分27秒/ロンドンマラソン

2025.04.27

アセファが女子単独レース世界新の2時間15分50秒 男子はサウェ2時間2分27秒/ロンドンマラソン

ワールドマラソンメジャーズの一つで、世界陸連プラチナラベルレースのロンドン・マラソンが4月27日、英国の同地で行われ、女子はパリ五輪銀メダリストのティギスト・アセファ(エチオピア)が、女子単独レースとしては世界新記録とな […]

NEWS 【“陸女”インタビュー】テレ東期待のアナウンサー・山本倖千恵さん リレー全国3位も経験「負けん気が身についた3年間」

2025.04.27

【“陸女”インタビュー】テレ東期待のアナウンサー・山本倖千恵さん リレー全国3位も経験「負けん気が身についた3年間」

オリンピックの花形である陸上競技! 球技に比べると、すこーし“地味”な印象があるかもしれない……。しかし、中高生合わせて、なんと約30万人以上が「陸部」なんです。 実は芸能界で活躍するあの人も、この人も、結構、陸上経験者 […]

NEWS 壹岐元太200m20秒65の自己新で初制覇 急成長も「遠すぎる目標は掲げたくない」/日本学生個人

2025.04.27

壹岐元太200m20秒65の自己新で初制覇 急成長も「遠すぎる目標は掲げたくない」/日本学生個人

◇日本学生個人選手権(4月25日~27日/神奈川・レモンガススタジアム平塚)3日目 ワールドユニバーシティゲームズ代表選考会を兼ねた日本学生個人選手権が行われ、男子200mは壹岐元太(京産大)が20秒65(+1.2)で初 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top