2021.03.27
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第87回「郷土の応援」(山本慎一郎)
いよいよ聖火リレーが始まり、東京五輪が再び開幕に向けて動き出しているのを実感しつつあります。当初予定されていた2020年から1年延期になったり、海外からの一般観客を受け入れないなどイレギュラーな対応が続きますが、どういう形であれ世界トップレベルの選手が本気でぶつかる姿を見たい! というのが私の希望です。
さて、先日はそんな東京五輪の日本代表に内定している女子中長距離の田中希実選手(豊田自動織機TC)を取材すべく、兵庫県小野市まで行ってきました。小野市と言えば小林祐梨子さんの出身地でもあり、女子1500mの日本記録保持者を2代続けて輩出した、陸上界にとっては“聖地”とも言うべき町です(月陸10月号では2人の対談企画も実現しています)。
東北出身である私は初めて行く場所ということで楽しみにしていました。
ところが、取材の日程が決まってからは忙しくなり、毎日が綱渡りのようなスケジュールになりました。それでも、何とか一通りの段取りを整え、あとは現地で取材をするだけになりました。
その「はず」でした。
ここで私は気づいたのです。
取材をする上で、小野市の競技場に申請を出さなければいけなかったことを。
取材は月曜日で、申請が必要だと気づいたのは金曜日の夕方でした。
慌てて競技場に電話をしたものの、「田中選手に取材をする場合は競技場だけでなく、小野市スポーツ振興課への申請が必要」と言われて途方に暮れかけます。
通常、市役所は夕方になると電話すらつながらなくなるケースも多いからです。
しかし、「田中選手側の許可は取っていますか?」と確認されると、「では、スポーツ振興課には私からも話をしてみます」と助け舟を出されます。
それから市役所に電話をしてみると、
「田中選手の許可があるなら大丈夫です」
「取材中は専有使用にします」
「申請書は不要です」
「専有使用料もかかりません」
と、電話だけで全部の手続きを済ませてくれました。
きっと田中選手のところには今までもたくさんの取材依頼があったのだと思います。
それでも、これほどまでに取材に協力していただける小野市の“神対応”には圧倒されました。
そして、いざ小野市に着いてみると、競技場や市役所には田中選手の代表内定を祝う横断幕が張られ、市を挙げて地元のヒロインを応援しようという雰囲気が伝わってきました。
これを見て私は「小野市から偉大なランナーが2人も続けて生まれたのは決して偶然ではないだろう」と感じました。
アスリートが強くなるためには身体能力やトレーニングも大切ですが、それと同じくらいに「環境」も大事なのではないかと思う時があります。
初めて訪問した小野市は、人の温かさを感じる取材となりました。
山本慎一郎(やまもとしんいちろう) 月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、月陸Onlineでは「シューズレポ」を連載中。 |
編集部コラム第86回「あこがれの松田耕作記者」(向永)
編集部コラム第85回「スポーツのチカラ」(小川)
編集部コラム第84回「初心」(船越)
編集部コラム第83回「高校生にとってのインターハイ」(松永)
編集部コラム第82回「2020年世界リストTop10入り日本人選手」(大久保)
編集部コラム第81回「〝きっかけ〟の提供を」(井上)
編集部コラム第80回「一番アツい夏」(山本)
編集部コラム第79回「前向きな言葉という魔法」(向永)
編集部コラム第78回「自分なりの『答え』を探す」(小川)
編集部コラム第77回「カメラマンの箱根駅伝」(船越)
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編集部コラム第73回「プレッシャーとの向き合い方」(山本)
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山本慎一郎(やまもとしんいちろう) 月刊陸上競技 編集部(兼企画営業部)企画課長 1983年1月生まれ。福島県いわき市出身。160cm、47kg(ピーク時)。植田中→磐城高→福島大→法大卒。中学では1学年下の村上康則(2010年日本選手権1500m覇者)と一緒に駅伝を走り、その才能を間近で見て挫折。懲りずに高校で都大路、大学で箱根駅伝を目指すも、いずれも未達に終わる。引退するタイミングを逸して現在も市民ランナーとして活動中。シューズマニアの一面も持ち、月陸Onlineでは「シューズレポ」を連載中。 |
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