第104回日本選手権クロスカントリーが27日に福岡・国営海の中道海浜公園の1周2kmのコースで行われ、男子10kmは3000m障害で日本歴代2位の8分19秒73を持つ19歳の三浦龍司(順大)が29分10秒で初優勝を飾った。
序盤は目まぐるしく先頭が入れ替わる中、三浦と松枝博輝(富士通)を先頭にラスト1周へ。残り1kmを前に田村友佑(黒崎播磨)と田村和希(住友電工)の兄弟が先頭に立ってペースアップを図ったものの、再び三浦と松枝による争いとなり、三浦が大学の先輩にあたる松枝を同タイムながら先着してレースを制した。3位には今井篤弥(トヨタ自動車九州)が入り、田村和が4位、鈴木塁人(SGホールディングスグループ)が5位となった。
三浦はレースを振り返り、「シニアの選手の背中を追って、粘って勝負できたらと思っていましたが、レースプラン通りに競り勝つことができました。正直最後でかわされると思ったけど、余力が残っていたので、トップを譲らなかったのは(自身の)成長を感じました」とコメント。今後は本職の3000m障害でオリンピック出場を目指すことになるが、「まずは確実に出場を決め、その後は日本記録を目指していきたいと思います」と意欲を見せた。
女子8kmは2周目で独走状態となった萩谷楓(エディオン)が逃げ切り、25分53秒で初優勝。高校生の酒井美玖(北九州市立高・福岡)が大健闘の2位に食い込み、3位は和田有菜(名城大)、前々回覇者で東京五輪5000m代表の田中希実(豊田自動織機TC)は4位でフィニッシュした。
積極的なレースで大会を制した萩谷は「いつもと違うレースをしたいと思って、自分のレースに徹しました。苦しくてダメダメになってもいいと思って飛び出しましたが、思ったより走れたので今後の自信になります」と笑顔でレースを振り返った。昨年は1学年上の田中とともに数々の好勝負を繰りひろげ、7月に5000mで日本歴代6位の15分05秒78をマーク。12月の日本選手権5000mでは3位に入っていた。
U20男子8kmは高校2年生の佐藤圭汰(洛南高・京都)が2位に28秒差をつける23分19秒で圧勝。同女子6kmは不破聖衣来(健大高崎高・群馬)が19分49秒で頂点に立った。
■上位成績
●男子10km
①三浦龍司(順大) 29.10
②松枝博輝(富士通) 29.10
③今井篤弥(トヨタ自動車九州) 29.16
④田村和希(住友電工) 29.17
⑤鈴木塁人(SGホールディングスグループ)29.18
⑥田村友佑(黒崎播磨) 29.20
⑦藤本珠輝(日体大) 29.21
⑧川瀬翔矢(皇學館大) 29.24
●女子8km
①萩谷 楓(エディオン) 25.54
②酒井美玖(北九州市立高・福岡) 26.20
③和田有菜(名城大) 26.21
④田中希実(豊田自動織機TC) 26.22
⑤川口桃佳(豊田自動織機) 26.35
⑥鷲見梓沙
(ユニバーサルエンターテインメント) 26.58
⑦山ノ内みなみ(京セラ) 27.11
⑧阿部有香里(しまむら) 27.16
●男子U20・8km
①佐藤圭汰(洛南高・京都) 23.19
②太田蒼生(大牟田高・福岡) 23.47
③南坂柚汰(倉敷高・岡山) 23.54
④田中悠登(敦賀気比高・福井)23.59
⑤山﨑皓太(洛南高・京都) 24.03
⑥山本歩夢(自由ケ丘高・福岡)24.04
⑦若林宏樹(洛南高・京都) 24.07
⑧堀田晟礼(千原台高・熊本) 24.07
●女子U20・6km
①不破聖衣来(健大高崎高・群馬) 19.49
②三原 梓(立命館宇治高・京都) 20.14
③小坂井智絵(成田高・千葉) 20.19
④小川陽香(順天高・東京) 20.27
⑤並木美乃(常磐高・群馬) 20.27
⑥永長里緒(筑紫女学園高・福岡) 20.29
⑦野田真理耶(北九州市立高・福岡)20.36
⑧土井菜月(須磨学園高・兵庫) 20.40


|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.31
京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走
-
2025.03.31
-
2025.03.31
-
2025.03.31
-
2025.03.31
-
2025.03.25
-
2025.03.26
-
2025.03.31
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.31
【世界陸上プレイバック】―91年東京―国立競技場がルイスに熱狂!マラソン谷口が殊勲の金メダル
今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]
2025.03.31
京セラの白井明衣が引退 22年にはプリンセス駅伝に出走
京セラの白井明衣が、3月23日に行われた鹿児島県実業団陸上競技記録会の女子3000mに出場。このレースをもって競技生活を引退することが公式Instagramで伝えられた。 白井は山口・中村女高を卒業後、2020年より京セ […]
2025.03.31
NDソフト ニューイヤー駅伝出場の大倉秀太とケニアと2拠点活動の鈴木太基が退部
NDソフトは2024年度で大倉秀太、鈴木太基の2選手が退部すると発表した。 鈴木は愛知・豊川工高を経て大東大に進学。4年時には全日本大学駅伝で7区4位、箱根駅伝7区9位と3大駅伝に出走している。卒業後はラフィネで活動し、 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報