2020.12.20
◇全国高校駅伝(12月20日/京都・たけびしスタジアム京都)
全国高校駅伝の女子が12月20日に京都で行われ、世羅(広島)が1時間7分13秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。
「開催されたことに感謝したい」と優勝した世羅の中川久枝監督。多くの選手たちから同じ言葉を聞いた。前評判では連覇を狙う仙台育英(宮城)と、前々回優勝の神村学園(鹿児島)の一騎打ちの様相を呈していた。世羅にとっても、一番の目標は1時間8分台で8位以内。だが、主将で1区を務めた山際夏芽(3年)は「この1年、優勝を目標にしてきた」と堂々話す。
前回、1、2年生のみで12位だった世羅。前回同様1区の山際は「最初は落ち着いて入りました。ラスト1kmでレースが動くと思っていた」と冷静なレース運びを見せ、「とにかく仙台育英と神村学園を見える位置で渡そうと思った」と、区間4位で中継。続く加藤小雪(3年)が区間10位、3区の細迫由野(2年)が区間12位で粘り9位4区へ。中川監督が「よく走ってくれた」という加藤美咲(3年)は1人抜いて8番手まで上がった。
「調子が良かった」というアンカーのテレシア・ムッソーニ(3年)が驚異的な走りを見せる。1人、また1人と順位を上げると、先頭を行く神村学園に3km過ぎに追いつくと、別次元の走りを見せて差を広げた。5kmをなんと男子並みの14分37秒の区間新記録。ちなみに、今季の5000mの世界ランキングで6位相当という破格のタイムだ。総合力とエースの力で、1時間7分13秒で5年ぶり2度目の優勝だった。
長くチームを率いた岩本真弥監督が2年前に退任。伝統を引き継ぎながら新しいスタートを切った。山際は「岩本先生に頼ってしまっていた部分があったので、自律できるようにチームを作ってきた」と話す。主将として「月に1回ミーティングをして、チーム全員で目標を設定してきました」と、一体感を持って都大路に臨んだ。
ムッソーニは日本語も流ちょうで、「先生方、チームメイト、地域の方々に感謝したい」と第一声。中川監督は「練習に関しては選手たちが考えながら、コーチ陣たちと一緒になってやってくれていました」と称える。新たな歴史を切り開いた女子の世羅。優勝9回を誇る男子のように、強豪として優勝回数を重ねていくつもりだ。
■世羅の優勝記録
世羅(広島) 1時間7分13秒
1区 山際夏芽(3年) 19.48=区間4位
2区 加藤小雪(3年)13.19=区間10位
3区 細迫由野(2年)10.03=区間12位
4区 加藤美咲(3年)9.26=区間5位
5区 テレシア・ムッソーニ(3年)14.37=区間1位、区間新

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.03.25
箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」
-
2025.03.25
-
2025.03.25
-
2025.03.25
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.19
-
2025.03.19
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
-
2025.03.02
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.25
箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」
関東学生陸上競技連盟は3月25日、箱根駅伝予選会のスタート時刻について、次回から変更すると発表した。 前回までは午前9時35分スタートだったが、第102回大会予選会から午前8時30分スタートと、約1時間前倒しする。 「温 […]
2025.03.25
100mH福部真子「引退しないといけないのかな…」菊池病の公表に葛藤も「あとで後悔したくない」元気な姿アピール
女子100mハードル日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)がインタビューに応じ、昨年末に公表した「菊池病」と発覚した時の状況や、今の調子、復帰に向けた思いを聞いた。 「元気です!見てもらった通り!」。オンラインで画面越 […]
2025.03.25
大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート
2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で始まった。全国から選手約270人が参加し、20度を超える汗ばむ陽気の中で打ち解けながら練習に取り組ん […]
2025.03.25
HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」
デッカーズジャパンは3月25日、パフォーマンスフットウェア&アパレルブランド「HOKA」の人気シリーズの新作シューズ「CLIFTON 10(クリフトン 10)」の発売に先駆けてメディア向けの商品説明会・トークセッションを […]
2025.03.25
富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」
富士通が3月25日、2025年度新加入選手の合同取材会見を開き、男子長距離の篠原倖太朗(駒大)、平林樹(城西大)、鈴木康也(麗澤大)、女子400mハードルの山本亜美(立命大)が登壇した。 城西大の主将を務めた平林は「こう […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報