2020.12.18
箱根駅伝直前Special
学生長距離Cross Talk
神林勇太×吉田圭太
Kanbayashi Yuta × Yoshida Keita
「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューを毎月お届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。本日から箱根駅伝直前Specialと題し、8チームの選手・監督のインタビュー記事を掲載していく。
第1回目は青学大を支える4年生ダブルエースの神林勇太と吉田圭太に、中学、高校時代のエピソードや、それぞれへの想い、最後の箱根に懸ける想いを語ってもらった。
ライバルからチームメイトへ
――いよいよ、2人にとって、最後の箱根駅伝が迫ってきました。それぞれの意気込みを聞かせてください。
神林 僕は箱根駅伝を走りたくて陸上を始めて、前回その夢を叶えることができました。今回は主将として、チームを勝たせて終わりたい気持ちが強いです。いろいろあった1年ですが、11月の全日本大学駅伝では、役割を果たす走り(7区区間賞で一時首位に立つ快走)ができたので、箱根でもしっかり走って終わりたいなと思います。
吉田 全日本では、僕が走れなかったのが敗因だったので、申し訳ないなと思っています。箱根で勝つために、今のチームに足りないのは“エース力”。そこは自分がしっかり走る部分だと思うので、まずは自分が100%の走りをして、チームに良い影響を与えたいと思っています。
――今ではチームメイトとして活躍するおふたりですが、中学の頃からのライバル関係でもありました。その初対決はいつですか。
神林 中学3年の全中(全日本中学校陸上選手権大会)ですね。その時は会話もなかったと思います。ただ、吉田は中学2年の頃から速かったので、僕の方は一方的に知ってはいましたけど。
(注:実際は中学2年時のジュニアオリンピックB1500mが初対決。ともに決勝に進出し、吉田が3位、神林が15位だった)
吉田 いや、全中は負けたし(3000mで神林が2位、吉田は5位)。神林は1500mも速かったので、よく覚えてますよ。ただ話をしたのは高校になってからですね。
――会話したという点では、最初の接点は覚えていますか。
神林 僕は今でも良く覚えていますよ。高2の4月にあった兵庫リレーカーニバル5000mで、吉田がラスト1000mくらいでスパイクが脱げてしまって、そのまま裸足で走って、足裏がむけてしまっていたんです。それを見て、恐る恐る近づいて、「足、大丈夫?」って声をかけました。それが初めてです(笑)
――それが後のチームメイトなるんですね。ちなみにこの世代は有力選手が揃い、全国大会では同じ顔ぶれが競い合ってきました。
吉田 彼らとも、高2の頃からは結構仲良かったですね。
神林 選抜合宿とかで一緒になる顔ぶれが多かったので、ライバルですけど自然と仲良くなりましたね。遠藤(日向/現・住友電工)、塩澤(稀夕/現・東海大)、西山(和弥/現・東洋大)とか。
――その頃から、進路についても話とかしていたんですか。
吉田 割としていましたね。僕が青学大を決めたのは結構遅くて、高校3年になってからでしたが、原(晋)監督と話していて、神林も来るということを聞いて、「じゃあ、オレも行こうかな」という感じでした。
神林 僕は高2の頃に決めていましたね。高校の監督も薦めてくれましたし、原監督も熱心に誘ってくれたので。そのあとに吉田も来ると聞いて、楽しみでしたね。
「最後の箱根は何が何でも勝ちたい」
――そして、チームメイトとなった大学4年間では誰よりも同じ時間を過ごしてきました。
吉田 人生で親の次に長い付き合いですね。
神林 大学でここまで成長できたのは、吉田が活躍する姿や練習に取り組む姿勢を見てきたからなので、今の自分があるのは吉田のおかげと言って間違いないと思います。
吉田 僕にとっては、神林のほうが先に学生駅伝デビューしたことが刺激になって、『追いつきたい』と思ったことががんばれたきっかけだったと思います。神林だったからこそ、一緒に高め合っていけたかなと今では思います。
――大学では高校時代に競い合ったライバルたちが各校の主力に成長し、いよいよ最後の箱根駅伝を迎えようとしています。
神林 大体、みんな同じくらいの力でずっとやってきて、もちろん勝負したら誰が勝つか分からないし、同じ区間になるかは分かりません。けど、誰よりも活躍したい、この学年で1番結果を残したいなと思っています。
吉田 僕は高3の全国高校駅伝の1区で名取(燎太/現・東海大)、塩澤、西田(壮志/現・東海大)にボコボコにやられたので、大学の舞台では勝って終わりたいです。高校時代はトラックで遠藤がいて、ロードでは名取らがいて、1番になることができなかったので、最後は勝ちたい気持ちが強いです。
――最後にチームとしての目標を聞かせてください。
吉田 とにかく最後は笑って終わりたいですし、箱根で勝つことの素晴らしさを後輩たちには味わってほしい。箱根では何がなんでも勝ちたいと思っています。
神林 全日本では4位に終わりましたが、収穫もありました。自分たちの力を出し切るレースすること、それができれば優勝できると考えています。
◎かんばやし・ゆうた/1998年5月8日生まれ。神奈川県出身。172cm、58kg。宮前平中(神奈川)→九州学院高(熊本)→青学大。5000m13分50秒58、10000m29分01秒43。
◎よしだ・けいた/1998年8月31日生まれ。広島県出身。172cm、52kg。高屋中(広島)→世羅高→青学大。5000m13分37秒34、10000m28分27秒40。
構成/田中 葵

ライバルからチームメイトへ
――いよいよ、2人にとって、最後の箱根駅伝が迫ってきました。それぞれの意気込みを聞かせてください。 神林 僕は箱根駅伝を走りたくて陸上を始めて、前回その夢を叶えることができました。今回は主将として、チームを勝たせて終わりたい気持ちが強いです。いろいろあった1年ですが、11月の全日本大学駅伝では、役割を果たす走り(7区区間賞で一時首位に立つ快走)ができたので、箱根でもしっかり走って終わりたいなと思います。 吉田 全日本では、僕が走れなかったのが敗因だったので、申し訳ないなと思っています。箱根で勝つために、今のチームに足りないのは“エース力”。そこは自分がしっかり走る部分だと思うので、まずは自分が100%の走りをして、チームに良い影響を与えたいと思っています。 ――今ではチームメイトとして活躍するおふたりですが、中学の頃からのライバル関係でもありました。その初対決はいつですか。 神林 中学3年の全中(全日本中学校陸上選手権大会)ですね。その時は会話もなかったと思います。ただ、吉田は中学2年の頃から速かったので、僕の方は一方的に知ってはいましたけど。 (注:実際は中学2年時のジュニアオリンピックB1500mが初対決。ともに決勝に進出し、吉田が3位、神林が15位だった) 吉田 いや、全中は負けたし(3000mで神林が2位、吉田は5位)。神林は1500mも速かったので、よく覚えてますよ。ただ話をしたのは高校になってからですね。 ――会話したという点では、最初の接点は覚えていますか。 神林 僕は今でも良く覚えていますよ。高2の4月にあった兵庫リレーカーニバル5000mで、吉田がラスト1000mくらいでスパイクが脱げてしまって、そのまま裸足で走って、足裏がむけてしまっていたんです。それを見て、恐る恐る近づいて、「足、大丈夫?」って声をかけました。それが初めてです(笑) ――それが後のチームメイトなるんですね。ちなみにこの世代は有力選手が揃い、全国大会では同じ顔ぶれが競い合ってきました。 吉田 彼らとも、高2の頃からは結構仲良かったですね。 神林 選抜合宿とかで一緒になる顔ぶれが多かったので、ライバルですけど自然と仲良くなりましたね。遠藤(日向/現・住友電工)、塩澤(稀夕/現・東海大)、西山(和弥/現・東洋大)とか。 ――その頃から、進路についても話とかしていたんですか。 吉田 割としていましたね。僕が青学大を決めたのは結構遅くて、高校3年になってからでしたが、原(晋)監督と話していて、神林も来るということを聞いて、「じゃあ、オレも行こうかな」という感じでした。 神林 僕は高2の頃に決めていましたね。高校の監督も薦めてくれましたし、原監督も熱心に誘ってくれたので。そのあとに吉田も来ると聞いて、楽しみでしたね。「最後の箱根は何が何でも勝ちたい」
――そして、チームメイトとなった大学4年間では誰よりも同じ時間を過ごしてきました。 吉田 人生で親の次に長い付き合いですね。 神林 大学でここまで成長できたのは、吉田が活躍する姿や練習に取り組む姿勢を見てきたからなので、今の自分があるのは吉田のおかげと言って間違いないと思います。 吉田 僕にとっては、神林のほうが先に学生駅伝デビューしたことが刺激になって、『追いつきたい』と思ったことががんばれたきっかけだったと思います。神林だったからこそ、一緒に高め合っていけたかなと今では思います。
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