【シューズレポ】
サブスリー編集者が語る!!
ホカオネオネ「ROCKET X(ロケット エックス)」
中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回はHOKA ONEONE(ホカオネオネ)の「ROCKET X(ロケット エックス)」(税込み24,200円)を紹介する。
2大トップモデルから襲名した
ブランド最速シューズ
厚底シューズの“元祖”であるHOKA ONEONE(ホカ オネオネ)からブランド最速モデルが登場した。その名も「ROCKET X(ロケット エックス)」。スピードモデルである「EVO CARBON ROCKET(エボ カーボンロケット)」と、長い距離向けのレースモデル「CARBON X(カーボン エックス)」からそれぞれ名前を受け継ぎ、「HOKAで最もエネルギッシュなシューズ」として11月6日に発売された。
HOKA ONEONE(ホカオネオネ)のトップレーシングモデル「ROCKET X(ロケット エックス)」
ホカ オネオネが誇る2大レーシングモデルから襲名しただけあって、ROCKET Xには同ブランドがこれまでに培ったテクノロジーが惜しみなく投入されている。ミッドソールには反発性の高いカーボンファイバープレートを内蔵し、それを挟み込むコンプレッションEVAフォームにはホカ オネオネ史上最軽量のものを採用。メッシュアッパーも軽量で、ソールは最大30mmの厚さながら重さは27.0cmのシューズで約210gに抑えられている。
ホカ オネオネの中でも軽量なRINCON(リンコン)2やEVO CARBON ROCKETよりもさらに軽くなり、高反発のカーボンファイバープレートも搭載。“ブランド最軽量のレーシングフラット”と呼ぶのにふさわしいスペックとなっている。
東京五輪代表選手も着用
もともとROCKET Xはエリートアスリート向けに開発されたもので、「あらゆるスピード(ペース)に対応するレース用シューズ」と紹介されている。2月に開催された東京五輪マラソン米国代表選考会ではROCKET Xを履いたアリフィン・トゥリアムクが女子の部で優勝。すでに世界的には実績を上げている。
実際に足を入れてみると、最初に感じたのは高いクッション性だ。ただし、柔らかさは過去に紹介したRINCON 2やCLIFTON(クリフトン)7ほどではなく、CLIFTON EDGE(クリフトンエッジ)を思わせる水準。ソールの厚底感はあるものの、柔らかさの中にもコシが感じられ、“柔らかすぎる”というほどではない。
見た目にはソールの厚さが印象的だが、実際に走ると“厚底感”はそれほど感じない
オフセット(前足部と踵の高低差)は5mmで、接地感はフラットに近い。サイズ感は通常25.0~25.5cmの靴を履くことが多い筆者は24.5cmがジャスト。アッパーの幅がやや広いように感じるが、このあたりは足の形や好みによって意見が分かれるところだろう。
厚底と薄底の特徴を
“いいとこ取り”したシューズ
走行時の感覚としては厚底モデル特有のクセがなく、素直に走れるシューズという印象だ。RINCON 2やCLIFTON 7のような“わかりやすい柔らかさ”はなく、重心移動の際に前足部が“転がる”ような構造もしていないが、逆に言えば薄底のレーシングシューズに近い感覚で走れる。それでいて薄底モデルよりはクッション性があり、カーボンプレートによる反発も感じられるため、両方の特徴を“いいとこ取り”したシューズと言える。
トラックで200mなどをダッシュしてみても違和感はなく、厚底シューズにありがちな反発のタイムラグも少ない。ショートインターバルなどのスピード練習にもある程度は対応できそうだ。強いて言えば5000mのレースペースなどある程度高い出力を長く持続する時には、もう少し反発が欲しいと感じた。
もっとも、マラソンの時と同じように長い距離を“楽に速く”走りたい時には適度なクッション性とカーボンプレートの反発がマッチし、推進力が増している感覚があった。フォームもフォアフット(前足部着地)である必要はなく、踵から入ってもフラットに接地しても、どういうタイプのランナーでもシューズの性能を引き出せるのは大きなセールスポイントだろう。
アッパーには軽量のメッシュを採用しており、重さは27.0cmで約210g。通気性も高く、夏のレースには最適だ
反発よりはクッション性優位のバランスになっているため、マラソンやウルトラマラソンなどの長い距離を“確実に走り切る”需要に応えるシューズと言えそうだ。そして、クセのない走行感を考えると、これまで厚底レーシングシューズを「苦手だな」と敬遠してきたランナーこそ試す価値があるかもしれない。
文/山本慎一郎
<関連記事>
【PR】ホカ オネオネのエリート向けシューズ「ROCKET X」軽量&カーボンプレート搭載の新モデルが発売
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CARBON X(カーボン エックス)2」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON(クリフトン)7」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「RINCON(リンコン)2」
【シューズレポ】サブスリー編集者が語る!! ホカ オネオネ「CLIFTON EDGE(クリフトン エッジ)」
【シューズレポ】 サブスリー編集者が語る!! ホカオネオネ「ROCKET X(ロケット エックス)」
中学時代から陸上競技に取り組み、今も市民ランナーとして走り続けている月陸編集者(マラソンの自己ベストは2時間43分)が、注目のシューズをトライアル! 今回はHOKA ONEONE(ホカオネオネ)の「ROCKET X(ロケット エックス)」(税込み24,200円)を紹介する。2大トップモデルから襲名した ブランド最速シューズ
厚底シューズの“元祖”であるHOKA ONEONE(ホカ オネオネ)からブランド最速モデルが登場した。その名も「ROCKET X(ロケット エックス)」。スピードモデルである「EVO CARBON ROCKET(エボ カーボンロケット)」と、長い距離向けのレースモデル「CARBON X(カーボン エックス)」からそれぞれ名前を受け継ぎ、「HOKAで最もエネルギッシュなシューズ」として11月6日に発売された。
東京五輪代表選手も着用
もともとROCKET Xはエリートアスリート向けに開発されたもので、「あらゆるスピード(ペース)に対応するレース用シューズ」と紹介されている。2月に開催された東京五輪マラソン米国代表選考会ではROCKET Xを履いたアリフィン・トゥリアムクが女子の部で優勝。すでに世界的には実績を上げている。 実際に足を入れてみると、最初に感じたのは高いクッション性だ。ただし、柔らかさは過去に紹介したRINCON 2やCLIFTON(クリフトン)7ほどではなく、CLIFTON EDGE(クリフトンエッジ)を思わせる水準。ソールの厚底感はあるものの、柔らかさの中にもコシが感じられ、“柔らかすぎる”というほどではない。
厚底と薄底の特徴を “いいとこ取り”したシューズ
走行時の感覚としては厚底モデル特有のクセがなく、素直に走れるシューズという印象だ。RINCON 2やCLIFTON 7のような“わかりやすい柔らかさ”はなく、重心移動の際に前足部が“転がる”ような構造もしていないが、逆に言えば薄底のレーシングシューズに近い感覚で走れる。それでいて薄底モデルよりはクッション性があり、カーボンプレートによる反発も感じられるため、両方の特徴を“いいとこ取り”したシューズと言える。 トラックで200mなどをダッシュしてみても違和感はなく、厚底シューズにありがちな反発のタイムラグも少ない。ショートインターバルなどのスピード練習にもある程度は対応できそうだ。強いて言えば5000mのレースペースなどある程度高い出力を長く持続する時には、もう少し反発が欲しいと感じた。 もっとも、マラソンの時と同じように長い距離を“楽に速く”走りたい時には適度なクッション性とカーボンプレートの反発がマッチし、推進力が増している感覚があった。フォームもフォアフット(前足部着地)である必要はなく、踵から入ってもフラットに接地しても、どういうタイプのランナーでもシューズの性能を引き出せるのは大きなセールスポイントだろう。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.03.26
-
2025.03.26
2025.03.23
女子は長野東が7年ぶりの地元V アンカー・田畑陽菜が薫英女学院を逆転/春の高校伊那駅伝
-
2025.03.25
-
2025.03.21
2025.03.02
初挑戦の青学大・太田蒼生は途中棄権 果敢に先頭集団に挑戦/東京マラソン
2025.03.02
太田蒼生は低体温症と低血糖で途中棄権 「世界のレベルを知れて良い経験」/東京マラソン
-
2025.03.23
-
2025.03.19
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.03.26
日本陸連が暑熱環境下の大会について対応検討 今年は日本選手権、インターハイなど「WBGT31度」目安に「踏み込んだ対策を」
日本陸連は3月26日に行われた理事会で、暑熱環境下における大会運営に対しての考えを示した。 日本陸連の田﨑博道専務理事は、最近の気候変動の大きさに触れたうえで、特に夏の競技会について「暑熱環境下で競技をすることの危険性は […]
2025.03.26
日本選手権の大会要項と競技実施日が発表! 男子100mは初日に予選、準決勝 2日目に決勝 女子やり投は1日目に実施
日本陸連は3月26日、第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)の大会要項ならびに競技実施日を発表した。 今年の日本選手権は9月に行われる東京世界選手権の選考会を兼ねて実施される。昨年まではU20日本選手権 […]
2025.03.26
日本選手権まであと100日 キービジュアル第1弾公開! 9月の東京世界陸上代表選考会
日本陸連は3月26日、第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場)まであと100日を迎えて、キービジュアルの第1弾を公開した。 日本選手権の国立競技場の開催は、2005年以来20年ぶりで、今秋の東京世界選手権 […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報