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2020.12.01

【展望】五輪切符を懸けた大阪・冬の陣! 注目は女子5000m田中VS廣中/日本選手権長距離
【展望】五輪切符を懸けた大阪・冬の陣! 注目は女子5000m田中VS廣中/日本選手権長距離

 
直接対決が注目される田中(左)と廣中
 来年に延期された東京五輪の選考会となる、第104回日本選手権・長距離が12月4日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。マラソン・競歩を除くトラック&フィールド種目最初の五輪代表が決まりそうだ。

 コロナ禍により、世界陸連(WA)は五輪の参加標準記録の有効期間が11月末まで無効としたことを受け、日本陸連は日本選手権の5000m・10000m・3000m障害という長距離種目のみを12月4日に開催することを決定。今大会のフィニッシュ時点で参加標準記録を突破して優勝した選手は即五輪代表に内定する。

注目の女子5000m田中VS廣中

 最も見応えがありそうなのは女子5000m。参加標準記録15分10秒00を突破している田中希実(豊田自動織機TC)と廣中璃梨佳(日本郵政グループ)の直接対決が実現する。

 田中は昨年のドーハ世界選手権5000m代表。決勝にも進出し、15分00秒01をマークして参加標準記録をクリア。今季は1500mと3000mで日本新、5000mでも15分02秒62と記録を残した。800mから5000mまでハイレベルなレースを展開し、10月の長距離を除いた日本選手権では1500mで初優勝。その後も大小の試合を重ねながら修正を加えている。

 一方、高卒2年目の廣中は絶好調。9月の全日本実業団対抗5000mで日本歴代3位となる14分59秒37と記録面で田中を上回った。さらに全日本実業団対抗女子駅伝では1区で爆走。今最も勢いに乗っている成長著しいランナーだ。

 昨年の日本選手権は廣中が3位で田中が4位。キレ味鋭い田中か、長く良い脚を繰り出す廣中か。優勝した者が五輪代表の1枠目をゲットする。

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 女子10000mは新谷仁美(積水化学)が頭一つ抜け出した格好。18年に現役復帰した32歳の進化が止まらない。昨年はドーハ世界選手権10000mに出場し31分12秒99。五輪の参加標準記録31分25秒00を現在ただ1人突破済みだ。

 今年はハーフマラソンで日本記録を樹立し、全日本実業団対抗5000mでは日本歴代2位の14分55秒83をマーク。全日本実業団対抗女子駅伝3区では、10km通過が日本記録(30分48秒89)を上回る30分31秒で通過している。昨年は日本選手権で3位に終わっているだけに、勝負に懸ける思いは強い。独走での日本記録更新も十分に可能で、優勝すれば12年ロンドン五輪以来の代表が決まる。

 10000mで勝負となりそうなのはケガから復調した前回女王の鍋島莉奈(日本郵政グループ)か。女子マラソンで五輪に内定している一山麻緒(ワコール)も虎視眈々。残念ながら松田瑞生(ダイハツ)、福士加代子(ワコール)は欠場することが判明している。

 女子3000m障害は連覇を狙う吉村玲美(大東大)が最有力。石澤ゆかり(エディオン)や山中柚乃(愛媛銀行)、薮田裕衣(大塚製薬)らが追う展開か。

混戦の男子3種目 相澤、塩尻の仕上がりは?

 男子はいずれも混戦となりそうだ。5000mでエントリー選手中ランキングトップだった遠藤日向(住友電工)は欠場。前回王者の松枝博輝と坂東悠汰の富士通コンビが上位争いを展開するか。若い力も注目で、中大の黄金ルーキー・吉居大和は13分28秒31のU20日本記録を樹立。また、高校記録を2度塗り替えている石田洸介(東農大二高3年・群馬)ら、高校生たちもどれだけシニア相手に自分の走りができるかもみどころだ。

相澤は初優勝なるか

 10000mの今季ランキングトップは服部勇馬(トヨタ自動車)だが、2日後の福岡国際マラソンに出場する。優勝争いは前回覇者の田村和希(住友電工)や鈴木健吾(富士通)、そして注目の実業団ルーキー・相澤晃(旭化成)あたりか。相澤は10月のデビュー戦で10000m27分55秒76とケガから復調した。また、マラソン五輪代表の大迫傑(Nike)が5000mを取りやめ10000mに出場予定。勝てば2017年以来、3年ぶりとなる。

 3000m障害では、残念ながら最も注目されていた三浦龍司(順大)が欠場。有効期間外ながら参加標準記録8分19秒37(日本歴代2位)をマークしていただけに惜しまれる。より一層混戦模様となり、山口浩勢(愛三工業)や青木涼真(Honda)ら夏場に好記録を連発したランナーに加え、復帰を果たしたリオ五輪代表の塩尻和也(富士通)らが中心となる。前回優勝の阪口竜平(SGHグループ)も注目だ。

 男子3種目は五輪の参加標準記録を突破している選手がおらず、今大会のレースで記録を出して優勝することが内定の条件となる。

 レースは観客を入れて開催。12月4日、大阪・冬の陣はアツい戦いとなりそうだ。

■第104回日本選手権・長距離
12月4日(金)/大阪・ヤンマースタジアム長居
15:30~ 女子3000mSC(9.30.00)
16:05~ 男子3000mSC(8.22.00)
16:24~ 男子5000m(13.13.50)
16:50~ 女子5000m(15.10.00)
    田中希実、廣中璃梨佳
17:15~ 女子10000m(31.25.00)
    新谷仁美
17:53~ 男子10000m1組
18:29~ 男子10000m2組(27.28.00)
※男子10000mはタイムレース決勝
※カッコ内の記録は参加標準記録
※選手名は参加標準記録突破者

◎TV放送 NHK BS1 16時00分~19時10分

  直接対決が注目される田中(左)と廣中  来年に延期された東京五輪の選考会となる、第104回日本選手権・長距離が12月4日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。マラソン・競歩を除くトラック&フィールド種目最初の五輪代表が決まりそうだ。  コロナ禍により、世界陸連(WA)は五輪の参加標準記録の有効期間が11月末まで無効としたことを受け、日本陸連は日本選手権の5000m・10000m・3000m障害という長距離種目のみを12月4日に開催することを決定。今大会のフィニッシュ時点で参加標準記録を突破して優勝した選手は即五輪代表に内定する。

注目の女子5000m田中VS廣中

 最も見応えがありそうなのは女子5000m。参加標準記録15分10秒00を突破している田中希実(豊田自動織機TC)と廣中璃梨佳(日本郵政グループ)の直接対決が実現する。  田中は昨年のドーハ世界選手権5000m代表。決勝にも進出し、15分00秒01をマークして参加標準記録をクリア。今季は1500mと3000mで日本新、5000mでも15分02秒62と記録を残した。800mから5000mまでハイレベルなレースを展開し、10月の長距離を除いた日本選手権では1500mで初優勝。その後も大小の試合を重ねながら修正を加えている。  一方、高卒2年目の廣中は絶好調。9月の全日本実業団対抗5000mで日本歴代3位となる14分59秒37と記録面で田中を上回った。さらに全日本実業団対抗女子駅伝では1区で爆走。今最も勢いに乗っている成長著しいランナーだ。  昨年の日本選手権は廣中が3位で田中が4位。キレ味鋭い田中か、長く良い脚を繰り出す廣中か。優勝した者が五輪代表の1枠目をゲットする。  女子10000mは新谷仁美(積水化学)が頭一つ抜け出した格好。18年に現役復帰した32歳の進化が止まらない。昨年はドーハ世界選手権10000mに出場し31分12秒99。五輪の参加標準記録31分25秒00を現在ただ1人突破済みだ。  今年はハーフマラソンで日本記録を樹立し、全日本実業団対抗5000mでは日本歴代2位の14分55秒83をマーク。全日本実業団対抗女子駅伝3区では、10km通過が日本記録(30分48秒89)を上回る30分31秒で通過している。昨年は日本選手権で3位に終わっているだけに、勝負に懸ける思いは強い。独走での日本記録更新も十分に可能で、優勝すれば12年ロンドン五輪以来の代表が決まる。  10000mで勝負となりそうなのはケガから復調した前回女王の鍋島莉奈(日本郵政グループ)か。女子マラソンで五輪に内定している一山麻緒(ワコール)も虎視眈々。残念ながら松田瑞生(ダイハツ)、福士加代子(ワコール)は欠場することが判明している。  女子3000m障害は連覇を狙う吉村玲美(大東大)が最有力。石澤ゆかり(エディオン)や山中柚乃(愛媛銀行)、薮田裕衣(大塚製薬)らが追う展開か。

混戦の男子3種目 相澤、塩尻の仕上がりは?

 男子はいずれも混戦となりそうだ。5000mでエントリー選手中ランキングトップだった遠藤日向(住友電工)は欠場。前回王者の松枝博輝と坂東悠汰の富士通コンビが上位争いを展開するか。若い力も注目で、中大の黄金ルーキー・吉居大和は13分28秒31のU20日本記録を樹立。また、高校記録を2度塗り替えている石田洸介(東農大二高3年・群馬)ら、高校生たちもどれだけシニア相手に自分の走りができるかもみどころだ。 相澤は初優勝なるか  10000mの今季ランキングトップは服部勇馬(トヨタ自動車)だが、2日後の福岡国際マラソンに出場する。優勝争いは前回覇者の田村和希(住友電工)や鈴木健吾(富士通)、そして注目の実業団ルーキー・相澤晃(旭化成)あたりか。相澤は10月のデビュー戦で10000m27分55秒76とケガから復調した。また、マラソン五輪代表の大迫傑(Nike)が5000mを取りやめ10000mに出場予定。勝てば2017年以来、3年ぶりとなる。  3000m障害では、残念ながら最も注目されていた三浦龍司(順大)が欠場。有効期間外ながら参加標準記録8分19秒37(日本歴代2位)をマークしていただけに惜しまれる。より一層混戦模様となり、山口浩勢(愛三工業)や青木涼真(Honda)ら夏場に好記録を連発したランナーに加え、復帰を果たしたリオ五輪代表の塩尻和也(富士通)らが中心となる。前回優勝の阪口竜平(SGHグループ)も注目だ。  男子3種目は五輪の参加標準記録を突破している選手がおらず、今大会のレースで記録を出して優勝することが内定の条件となる。  レースは観客を入れて開催。12月4日、大阪・冬の陣はアツい戦いとなりそうだ。 ■第104回日本選手権・長距離 12月4日(金)/大阪・ヤンマースタジアム長居 15:30~ 女子3000mSC(9.30.00) 16:05~ 男子3000mSC(8.22.00) 16:24~ 男子5000m(13.13.50) 16:50~ 女子5000m(15.10.00)     田中希実、廣中璃梨佳 17:15~ 女子10000m(31.25.00)     新谷仁美 17:53~ 男子10000m1組 18:29~ 男子10000m2組(27.28.00) ※男子10000mはタイムレース決勝 ※カッコ内の記録は参加標準記録 ※選手名は参加標準記録突破者 ◎TV放送 NHK BS1 16時00分~19時10分

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