2025.02.28


専大の具志堅一斗
学生長距離Close-upインタビュー
具志堅一斗 Gushiken Itto 専大2年
「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。45回目は、専大の具志堅一斗(2年)をピックアップする。
1月の箱根駅伝では7区13位だったが、その後は2月の香川丸亀国際ハーフマラソンで自己記録を出すと、翌週の宮古島大学駅伝では最長区間の3区(20.1km)で区間賞に輝いた。
得意なロードで結果を残しており、新しく始まるシーズンに向けた意気込みなどを聞いた。
“地元”で6人抜きの快走
2月9日に沖縄県・宮古島市で行われた「宮古島大学駅伝ワイド―ズミ2025」で、終盤まで3位争いを繰り広げた専大が4位に食い込んだ。その立役者となったのが、地元・沖縄県出身の具志堅一斗(2年)だ。
「大会1週間前に学生ハーフで全力を出していたので、調整というよりは疲労を抜くことだけで精一杯でした」と言う状態ながら、各校の主力が集まる最長の3区(20.1km)を1時間1分00秒で走破。9位から6人抜きの快走で、区間賞を獲得した。
「今までのレースでは、どちらかというとイーブンで押していくことしかできませんでした。今回はアップダウンの激しい厳しいコースの中で、最初から前を追って突っ込んでいき、最後までしっかり粘ることができたので、良かったです」
2024年度はまさに飛躍のシーズンとなった。5月の関東インカレでは、2部ハーフマラソンに出場して14位で、「一時は10番前後で勝負できたので自信になりました」。その後は、チームのロード特化型強化プランで継続した練習を積み、10月の箱根駅伝予選会では、チーム4番手を占めて2位通過に貢献した。1月の本戦でも7区13位と粘り、往路最下位から順位を1つ押し上げた。
「初めての箱根駅伝は気づいたら、残り3kmくらいになっていて、『もう終わってしまう』というくらい、あっという間でした。2年生という立場もあって、プレッシャーよりも楽しめたと思います」
成長の要因は、トレーニングの継続にあると分析する。「高校時代は故障が多い時期もありました」と具志堅。その頃に母親が多方面に問い合わせて探してくれたトレーナーが所属する整骨院に通い、フォーム改造やトレーニングに着手する。
それによって、「故障しにくい身体の基盤を作ることができて、それが大学に入った昨年の継続した練習につながっています。その成果が今季出てくれたかなと感じています」と振り返る。
箱根後は「成人式もあって、帰省期間がズレたりして難しい部分もありました」が、2月2日の日本学生ハーフマラソン選手権では、1時間2分14秒の自己ベストをマーク。「帰省した時に多くの人に、箱根を走ったことを褒めてもらったりして、また頑張ろうと気持ちを切り替えることができました」と、気持ちを切らすことない。
その後の宮古島大学駅伝、さらには2月16日の青梅マラソン30kmで8位に入るなど、連戦も苦にすることなく、安定した走りを見せている。

“地元”で6人抜きの快走
2月9日に沖縄県・宮古島市で行われた「宮古島大学駅伝ワイド―ズミ2025」で、終盤まで3位争いを繰り広げた専大が4位に食い込んだ。その立役者となったのが、地元・沖縄県出身の具志堅一斗(2年)だ。 「大会1週間前に学生ハーフで全力を出していたので、調整というよりは疲労を抜くことだけで精一杯でした」と言う状態ながら、各校の主力が集まる最長の3区(20.1km)を1時間1分00秒で走破。9位から6人抜きの快走で、区間賞を獲得した。 「今までのレースでは、どちらかというとイーブンで押していくことしかできませんでした。今回はアップダウンの激しい厳しいコースの中で、最初から前を追って突っ込んでいき、最後までしっかり粘ることができたので、良かったです」 2024年度はまさに飛躍のシーズンとなった。5月の関東インカレでは、2部ハーフマラソンに出場して14位で、「一時は10番前後で勝負できたので自信になりました」。その後は、チームのロード特化型強化プランで継続した練習を積み、10月の箱根駅伝予選会では、チーム4番手を占めて2位通過に貢献した。1月の本戦でも7区13位と粘り、往路最下位から順位を1つ押し上げた。 「初めての箱根駅伝は気づいたら、残り3kmくらいになっていて、『もう終わってしまう』というくらい、あっという間でした。2年生という立場もあって、プレッシャーよりも楽しめたと思います」 成長の要因は、トレーニングの継続にあると分析する。「高校時代は故障が多い時期もありました」と具志堅。その頃に母親が多方面に問い合わせて探してくれたトレーナーが所属する整骨院に通い、フォーム改造やトレーニングに着手する。 それによって、「故障しにくい身体の基盤を作ることができて、それが大学に入った昨年の継続した練習につながっています。その成果が今季出てくれたかなと感じています」と振り返る。 箱根後は「成人式もあって、帰省期間がズレたりして難しい部分もありました」が、2月2日の日本学生ハーフマラソン選手権では、1時間2分14秒の自己ベストをマーク。「帰省した時に多くの人に、箱根を走ったことを褒めてもらったりして、また頑張ろうと気持ちを切り替えることができました」と、気持ちを切らすことない。 その後の宮古島大学駅伝、さらには2月16日の青梅マラソン30kmで8位に入るなど、連戦も苦にすることなく、安定した走りを見せている。「高校で14分30秒を切れたら続ける」
沖縄県うるま市出身。高洲江中時代はサッカー部に所属していたが、3年時に陸上経験のある担任の先生に誘われ、サッカー部の後輩とともに出た陸上大会で3位に。その後も何回か大会に出場したが、高校進学に向けては、当時の志望していた高校には陸上部がなかった。 「その頃にはサッカーよりも陸上のほうが勝負できると思っていたので、どうするか悩んでいました」。だが、1月には全国都道府県対抗男子駅伝に出場(2区46位)を果たしたことで、受験出願直前で、自宅から通学可能で陸上部のあるコザ高への進学を決めたという。 高校でも先輩を含めて部員が少なく、県高校駅伝では1、2年時は他の部活から助っ人を借りて出場。3年時は他校との合同によるオープン参加で出場した。 当時について、「先輩の力を借りて練習することがあまりできず、思い描いていた陸上生活ではありませんでした」と振り返るが、家族の協力もあって指導を受けたトレーナーの下で着実に力をつけた。 5000mでは、高2の秋に14分28秒82をマークし、「高校で陸上を辞めることも考えていましたが、大学から勧誘された時に、『高校で14分30秒を切れたら続ける』と思っていたので、続けることにしました」と、専大へ進むことを決めた。 チーム内には10月の箱根駅伝予選会でフリー走を任され、1月の本戦でも1~3区を担当した新井友裕(3年)、ダンカン・マイナ(1年)、上山詩樹(2年)、が残る。しかし、この2年で着実に力をつけた具志堅も、それに近づく存在となりつつある。 それでも自らを、「エースタイプではない」と分析したうえで、「チームとしては、箱根のシード権を目指しています。それにはエース3人が自分の力を発揮できることと、エース以外にも信頼できる選手が増えることが必要。その役割を果たすのが、自分だと考えています」と決意を語る。 「トラックはそんな得意ではないので、タイム的な目標は特にありません。箱根の予選会では総合70番以内、本戦では次はしっかり区間上位で勝負して、シード権獲得に貢献したいと思っています」 生まれ育った沖縄県では箱根駅伝の放送がなかったのもあり、大学に入るまではそこまで箱根への強い想いはなく、「自分の限界に挑戦する気持ち」で走り続けてきた具志堅。しかし、今やチームにとって欠かせないピースとなり、勝負の3年目を迎えようとしている。 [caption id="attachment_131366" align="alignnone" width="800"]
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.02.28
-
2025.02.28
-
2025.02.28
-
2025.02.28
-
2025.02.28
2025.02.24
青学大新主将・黒田朝日が2時間6分05秒!先輩・若林宏樹の学生記録を上回る/大阪マラソン
-
2025.02.22
-
2025.02.24
-
2025.02.24
-
2025.02.24
-
2025.02.22
-
2025.02.25
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.24
青学大新主将・黒田朝日が2時間6分05秒!先輩・若林宏樹の学生記録を上回る/大阪マラソン
-
2025.02.02
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.28
中距離特化の「Team Ambition」に400mインカレVの田邉奨と800m石元潤樹が加入
中距離の多くの選手が集まるトレーニンググループ「Team Ambition」に、昨年の日本インカレ400m優勝の田邉奨(中大)と国スポ800m2位の石元潤樹(日大)が、新たに加わったことが発表された。 同グループは中距離 […]
2025.02.28
青学大・田中悠登が地元のふくい桜マラソンでラストレース! 福村拳太や東洋大・薄根大河ら男女12人を招待
「ふくい桜マラソン2025」(3月30日)の大会実行委員会は2月27日、男女の招待選手を発表した。 男子の「サブ10チャレンジ部門」では、地元の福井放送でアナウンサーとしての就職が内定している田中悠登(青学大)、東洋大の […]
2025.02.28
U20アジア選手権銀メダルの奥本菜瑠海が日立を退社 「父とともに世界を目指して取り組む」
2月28日、日立に所属する奥本菜瑠海が自身のSNSを更新し、同日付で退社したことを発表した。 奥本は小学時代から父の手ほどきで陸上を始め、中学時代に全国大会への出場はなかったものの、島根県大会優勝の成績を残す。駅伝強豪校 […]
2025.02.28
新谷仁美が名古屋ウィメンズマラソンを欠場 「万全の状態でレースに臨むことが難しい」 中村優希も棄権
2月28日、名古屋ウィメンズマラソンの主催者は、3月9日に開催される大会に出場予定だった新谷仁美(積水化学)が左脚アキレス腱炎のため欠場することを発表した。 23年のヒューストンマラソンで2時間19分24秒を出した新谷は […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝