HOME 国内

2025.02.16

NEWS
世界記録塗り替えられた鈴木雄介さん「悔しいですが、山西選手なのはうれしい」/日本選手権20km競歩
世界記録塗り替えられた鈴木雄介さん「悔しいですが、山西選手なのはうれしい」/日本選手権20km競歩

山西の世界新を祝福する鈴木雄介さん(25年日本選手権20km競歩)

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース)

東京世界選手権代表選考会を兼ねた第108回日本選手権20km競歩が2月16日行われ、男子は山西利和(愛知製鋼)が1時間16分10秒の世界新記録で4大会ぶり3度目の優勝を果たし、東京世界選手権代表に内定した。

10年前に1時間16分36秒の前世界記録を作った鈴木雄介さん(サトウ食品新潟アルビレックスRC・新潟食料農業大コーチ)も現地で見守った。

「悔しいですし、あと数年で(距離が)ハーフ(21.0975km)になることが決まっているようなので、『20kmの世界記録』としてずっと残るかなとも思っていたのですが……」と苦笑い。ただ、フィニッシュ後も山西と「ずっと残ると思っていたのに」と言う鈴木に、「(20kmの)通過で更新していましたよ」と応えて、笑い合う姿が印象的だった。

鈴木は「一つの扉が開けた記録。海外の選手ではなく、2018、19年と一緒に練習した時間も長かった山西選手が抜いてくれたのはうれしいです」と言い、「山西選手の実力からすればもっと早くに出ていた可能性もある」とその力を認めていた。

実際の歩きについて「自分に合う厚底シューズを見つけ、それに合わせた歩き方をしている印象。安定してスピードを出しながら、失格にならないようにきれいなフォームでした」。加えて「ガツガツしたのではなく、省エネというか、なるべくエネルギーを使わずにスピードを出せているのが私との違い」だという。

広告の下にコンテンツが続きます

一方で、厚底シューズの浸透には警鐘も鳴らす。「山西選手もフィットに苦労しました。厚底を履けば速くなるのではなく、速く歩ける選手が世界と戦うために履く。現状で効果があるのは明らかですが、高校生や若年の選手は使いこなせていないとも思う」と、育成年代ではフォームをしっかり整えてから「動きを試行錯誤していくべき」と唱え、自身の指導でも意識していくとした。

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース) 東京世界選手権代表選考会を兼ねた第108回日本選手権20km競歩が2月16日行われ、男子は山西利和(愛知製鋼)が1時間16分10秒の世界新記録で4大会ぶり3度目の優勝を果たし、東京世界選手権代表に内定した。 10年前に1時間16分36秒の前世界記録を作った鈴木雄介さん(サトウ食品新潟アルビレックスRC・新潟食料農業大コーチ)も現地で見守った。 「悔しいですし、あと数年で(距離が)ハーフ(21.0975km)になることが決まっているようなので、『20kmの世界記録』としてずっと残るかなとも思っていたのですが……」と苦笑い。ただ、フィニッシュ後も山西と「ずっと残ると思っていたのに」と言う鈴木に、「(20kmの)通過で更新していましたよ」と応えて、笑い合う姿が印象的だった。 鈴木は「一つの扉が開けた記録。海外の選手ではなく、2018、19年と一緒に練習した時間も長かった山西選手が抜いてくれたのはうれしいです」と言い、「山西選手の実力からすればもっと早くに出ていた可能性もある」とその力を認めていた。 実際の歩きについて「自分に合う厚底シューズを見つけ、それに合わせた歩き方をしている印象。安定してスピードを出しながら、失格にならないようにきれいなフォームでした」。加えて「ガツガツしたのではなく、省エネというか、なるべくエネルギーを使わずにスピードを出せているのが私との違い」だという。 一方で、厚底シューズの浸透には警鐘も鳴らす。「山西選手もフィットに苦労しました。厚底を履けば速くなるのではなく、速く歩ける選手が世界と戦うために履く。現状で効果があるのは明らかですが、高校生や若年の選手は使いこなせていないとも思う」と、育成年代ではフォームをしっかり整えてから「動きを試行錯誤していくべき」と唱え、自身の指導でも意識していくとした。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.02.19

『ナイキ ボメロ 18』が2月27日に販売開始 シリーズ史上最も多くのクッショニング「究極のライド感」

ナイキは2月19日、「ナイキ ボメロ 18」を2月27日に発売すると発表した。 ボメロ シリーズは「究極の快適さをもたらすマキシマム クッショニングの新時代を代表するシューズ」で、「ランナーが最も好む要素であるクッショニ […]

NEWS 甲南大女子陸上部が今春入学7人を発表!千葉安珠、木梨光菜、別所みゆ、佐野釉梨ら短距離・ハードルの実力者ずらり

2025.02.19

甲南大女子陸上部が今春入学7人を発表!千葉安珠、木梨光菜、別所みゆ、佐野釉梨ら短距離・ハードルの実力者ずらり

甲南大女子陸上競技部が2月18日、SNSで今春入学予定の選手7名を発表した。 100mで23年U20日本選手権優勝の千葉安珠(常盤木学園・宮城)、100mハードルで23年U18大会覇者の木梨光菜(倉敷中央・岡山)と24年 […]

NEWS 東京マラソンに東大院の古川大晃が追加エントリー 今年の箱根駅伝出場

2025.02.19

東京マラソンに東大院の古川大晃が追加エントリー 今年の箱根駅伝出場

東京マラソン財団は2月19日、東京マラソン2025の男子マラソンエリート選手の追加選手を発表した。 東大院の古川大晃が追加で登録。古川は昨年の熊本城マラソンで2時間16分14秒をマーク。今年の箱根駅伝では関東学生連合(オ […]

NEWS 大迫傑が東京マラソン出場辞退 一色恭志、土方英和らも故障で欠場 女子はコスゲイ、ディババが不参加

2025.02.19

大迫傑が東京マラソン出場辞退 一色恭志、土方英和らも故障で欠場 女子はコスゲイ、ディババが不参加

2月19日、東京マラソン財団は、3月2日に開催される東京マラソン2025の欠場者リストを公表し、大迫傑(Nike)が出場を辞退することが発表された。 大迫は昨年のパリ五輪で13位。その後、28年のロサンゼルス五輪への出場 […]

NEWS 帰山侑大、村上響、エティーリの学生勢がニューヨークシティハーフにエントリー! パリ五輪マラソン8位マンツら出場予定

2025.02.19

帰山侑大、村上響、エティーリの学生勢がニューヨークシティハーフにエントリー! パリ五輪マラソン8位マンツら出場予定

ニューヨークシティ・ハーフマラソン(米国/3月16日)のエントリーが2月18日、主催のニューヨーク・ロードランナーズ(NYRR)から発表された。 日本からは男子に駒大勢の帰山侑大と村上響、ハーフで日本学生歴代2位の59分 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年3月号 (2月14日発売)

2025年3月号 (2月14日発売)

別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝

page top