2025.01.30
FOCUS! 高校生INTERVIEW
近藤いおん Kondo Ion
城西高3東京/流山ホークアイ
高校トップ選手にフォーカス!2025年の1回目は女子走幅跳の近藤いおん選手(城西3東京/流山ホークアイ)です。昨夏のインターハイで優勝。また、シニアの大会にも積極的に出場し、日本選手権では4位に入りました。高校1年時にはU20世界選手権に出場するなど、さまざまな実績を挙げた3年間を振り返り、次のステージに向けた意気込みをうかがいました。
1位しか狙っていなかった24年インターハイ
――2024年シーズンを振り返っていかがでしたか。
近藤 昨年は、日本選手権4位以内とインターハイ優勝という2つの目標を掲げて挑んだシーズンで、どちらも達成することができたので満足するシーズンでした。記録の点では5月の東京都大会で、風とコンディションが噛み合って6m22(+0.9)を出せましたが、そこから後半シーズンに向けて記録を上げていければ良かったのですが、調子が噛み合わなかったりして、そこは少し残念でした。
――日本選手権は6m16(+1.0)で目標どおりに4位入賞でした。
近藤 2022年と2023年は予選落ちだったので、今年は勝負をしたいという思いでした。うまく調整して、雨の中の試合でしたが、万全の状態で挑めたと思います。3本目で決勝進出を決めたので、もっと早い段階で決めておけば良かったという反省点はありますが、日本の一番大きな大会で堂々と記録を残せたのは自分を褒めてあげてもいいかなという感じです。
――自分自身の成長をどのように感じましたか。
近藤 日本選手権は3回目ということもあって、ガチガチの緊張もなく、顔見知りの先輩方もたくさんいたので、心地良い緊張がありました。割とリラックスした状態で試合に挑めたので、普段どおりの実力を出せたところが成長できた部分かなと思っています。
――それから1ヵ月後の福岡インターハイに臨む際の心境は。
近藤 高校生にとって一番大事な大会のインターハイでは絶対に勝ちたいと考えていました。2年生のインターハイは2位で、ものすごく悔しい思いをしたので、勝ち以外はないというか、1位しか狙っていなかったです。
――6回目の6m11(+0.3)で劇的な逆転優勝。勝負強かったですね。
近藤 ありがとうございます。前半3本で優勝できるような記録を出すというプランで、そのとおりには行きませんでしたが、最後の1本で冷静に判断できたのは良かったです。ファウルさえしなければ、1位になれる記録を出せる自信はあったので、そこまで焦ることなく、落ち着いた気持ちで6本目は挑めました。
――中学時代は全中2位。1年時にU20世界選手権に出場したり、国体やU18大会優勝といった実績はありますが、インターハイ優勝はやはり違うものですか。
近藤 「おめでとう」と言ってくれる人が多くて、インターハイ優勝はすごく価値があるものなんだなと改めて実感しました。
――10月の国民スポーツ大会でシーズン最終戦を終えてから少しはゆっくりできましたか。
近藤 はい、2週間ぐらい動かず、身体を休めました。11月ぐらいから徐々に冬季練習に入りました。
――冬季練習はどんなことに取り組んでいますか。
近藤 春から大学生になるにあたって、筋力が必要になってくるので、新たにウエイトトレーニングを取り入れて、週1回、ジムで少し本格的にやっています。主に下半身を強化する種目を猿山(力也)コーチから教えていただきながらやっています。
――ウエイトトレーニング以外の日は。
近藤 珍しいかもしれませんが、冬でもスパイクを履いて、暖かい日は思い切り跳びますし、寒い日は走るメニューが多いです。そのあたりは去年のシーズンと変わっていません。
――高校生として出場する試合予定は。
近藤 2月1日、2日の大阪室内です。国スポからだいぶ間が開いたので、試合勘を取り戻すことと、6mを2本そろえられればノルマのクリアかなと考えています。
――3月には高校卒業です。高校3年間の1番の思い出は。
近藤 高校1年生の4月に6m13を跳んで、そこからいろいろ世界が広がりました。U20世界選手権や日本選手権に出場できるようになって、日本の強い人たちと一緒に遠征したり、世界の舞台でさらに強い人たちを見ることができたのは一番の宝物になりました。
――春から日大に進学するそうですが、城西高顧問の山村(貴彦)先生や猿山コーチの母校というのも理由ですか。
近藤 いろいろな大学を考えましたが、3年後のロス五輪を目指すと考えた時、大事なのは今の練習環境を変えないことかなと。それができる日本大学に行きたいと思いました。
――2025年の目標、そして大学4年間での目標は。
近藤 大学4年時に行われるロス五輪に出場して結果を残すことが一番の目標です。3年生まではその準備期間というイメージです。ひとまず1年生ではワールドユニバーシティゲームズの選考会でもある4月の日本学生個人選手権には出たいです。
――自己記録の6m22は、今後どのように伸ばしていきたいですか。
近藤 近年の国際大会の参加標準記録が6m86前後なので、それを考えると6m40、6m60という感じで行かないといけません。だから今年は6m40台を跳べればいいなと思っています。
――競技者として将来の目標は。
近藤 陸上は自分が飽きるまで続けたいです。続けていく中で、オリンピックに出場したりしながら、常に第一線で活躍できる選手でありたいです。
1位しか狙っていなかった24年インターハイ
――2024年シーズンを振り返っていかがでしたか。 近藤 昨年は、日本選手権4位以内とインターハイ優勝という2つの目標を掲げて挑んだシーズンで、どちらも達成することができたので満足するシーズンでした。記録の点では5月の東京都大会で、風とコンディションが噛み合って6m22(+0.9)を出せましたが、そこから後半シーズンに向けて記録を上げていければ良かったのですが、調子が噛み合わなかったりして、そこは少し残念でした。 ――日本選手権は6m16(+1.0)で目標どおりに4位入賞でした。 近藤 2022年と2023年は予選落ちだったので、今年は勝負をしたいという思いでした。うまく調整して、雨の中の試合でしたが、万全の状態で挑めたと思います。3本目で決勝進出を決めたので、もっと早い段階で決めておけば良かったという反省点はありますが、日本の一番大きな大会で堂々と記録を残せたのは自分を褒めてあげてもいいかなという感じです。 ――自分自身の成長をどのように感じましたか。 近藤 日本選手権は3回目ということもあって、ガチガチの緊張もなく、顔見知りの先輩方もたくさんいたので、心地良い緊張がありました。割とリラックスした状態で試合に挑めたので、普段どおりの実力を出せたところが成長できた部分かなと思っています。 ――それから1ヵ月後の福岡インターハイに臨む際の心境は。 近藤 高校生にとって一番大事な大会のインターハイでは絶対に勝ちたいと考えていました。2年生のインターハイは2位で、ものすごく悔しい思いをしたので、勝ち以外はないというか、1位しか狙っていなかったです。 ――6回目の6m11(+0.3)で劇的な逆転優勝。勝負強かったですね。 近藤 ありがとうございます。前半3本で優勝できるような記録を出すというプランで、そのとおりには行きませんでしたが、最後の1本で冷静に判断できたのは良かったです。ファウルさえしなければ、1位になれる記録を出せる自信はあったので、そこまで焦ることなく、落ち着いた気持ちで6本目は挑めました。 ――中学時代は全中2位。1年時にU20世界選手権に出場したり、国体やU18大会優勝といった実績はありますが、インターハイ優勝はやはり違うものですか。 近藤 「おめでとう」と言ってくれる人が多くて、インターハイ優勝はすごく価値があるものなんだなと改めて実感しました。 ――10月の国民スポーツ大会でシーズン最終戦を終えてから少しはゆっくりできましたか。 近藤 はい、2週間ぐらい動かず、身体を休めました。11月ぐらいから徐々に冬季練習に入りました。 ――冬季練習はどんなことに取り組んでいますか。 近藤 春から大学生になるにあたって、筋力が必要になってくるので、新たにウエイトトレーニングを取り入れて、週1回、ジムで少し本格的にやっています。主に下半身を強化する種目を猿山(力也)コーチから教えていただきながらやっています。 ――ウエイトトレーニング以外の日は。 近藤 珍しいかもしれませんが、冬でもスパイクを履いて、暖かい日は思い切り跳びますし、寒い日は走るメニューが多いです。そのあたりは去年のシーズンと変わっていません。 ――高校生として出場する試合予定は。 近藤 2月1日、2日の大阪室内です。国スポからだいぶ間が開いたので、試合勘を取り戻すことと、6mを2本そろえられればノルマのクリアかなと考えています。 ――3月には高校卒業です。高校3年間の1番の思い出は。 近藤 高校1年生の4月に6m13を跳んで、そこからいろいろ世界が広がりました。U20世界選手権や日本選手権に出場できるようになって、日本の強い人たちと一緒に遠征したり、世界の舞台でさらに強い人たちを見ることができたのは一番の宝物になりました。 ――春から日大に進学するそうですが、城西高顧問の山村(貴彦)先生や猿山コーチの母校というのも理由ですか。 近藤 いろいろな大学を考えましたが、3年後のロス五輪を目指すと考えた時、大事なのは今の練習環境を変えないことかなと。それができる日本大学に行きたいと思いました。 ――2025年の目標、そして大学4年間での目標は。 近藤 大学4年時に行われるロス五輪に出場して結果を残すことが一番の目標です。3年生まではその準備期間というイメージです。ひとまず1年生ではワールドユニバーシティゲームズの選考会でもある4月の日本学生個人選手権には出たいです。 ――自己記録の6m22は、今後どのように伸ばしていきたいですか。 近藤 近年の国際大会の参加標準記録が6m86前後なので、それを考えると6m40、6m60という感じで行かないといけません。だから今年は6m40台を跳べればいいなと思っています。 ――競技者として将来の目標は。 近藤 陸上は自分が飽きるまで続けたいです。続けていく中で、オリンピックに出場したりしながら、常に第一線で活躍できる選手でありたいです。高校は都内、練習拠点はクラブチーム
――陸上はいつからどんなきっかけで始めましたか。 近藤 小学5年で地域のクラブチームに入って走幅跳を始めました。確か父の勧めだったと思います。中学1年から流山ホークアイ(千葉)に移り、猿山コーチから指導を受けています。 ――他のスポーツ歴は。 近藤 テニスと器械体操をやっていました。でも、6年生の時、県大会のリレーで奇跡の逆転で日清カップ(全国小学生交流大会)に出場できて、一気に陸上の楽しさを知り、これからも陸上をやりたいなと思うようになりました。 ――走幅跳の魅力を教えてください。 近藤 一人ひとり、助走の出だしや着地で個性が出るところと、助走、踏み切り、着地と3分割できる中で、1つでもミスしたらうまくいかないですし、一人ひとり、助走の出だしや着地で個性が出るのがやっていて楽しいです。 ――そういう中でご自身の強みは。 近藤 高校3年間、同世代の大会で予選落ちしたことがないので、試合に合わせられる調整力は他の人より高いと思います。あとはプレッシャーを感じて押しつぶされそうになることはありません。 ――城西高校に進学した経緯は。 近藤 顧問の山村先生と猿山コーチが日大の先輩と後輩で、入学後の練習拠点も流山でできるようにうまく連携を取ってくださったので進学を決めました。城西は先輩方がサングラスをつけて試合に出ていて、「かっこいい」という印象だったので、そんなチームの一員になれたのはとてもうれしかったです。 ――練習拠点は千葉・流山、学校は都内です。どんな生活サイクルだったのですか。 近藤 授業が終わったら埼玉に帰って、近所の競技場に猿山さんが来てくださって指導していただいています。城西高校のみんなとは、試合の時に一緒に臨むという感じです。 ――SNSでは城西のチームメイトの活躍などに刺激を受けているようですね。 近藤 陸上部の同期は女子が5人で、短距離のロス瑚花アディアと日高彩葉は同じクラスなので、よく陸上の話もしますし、お互いに高め合える仲間です。 ――入学当初に立てた高校3年間の目標。 近藤 1年生のシーズンは「インターハイに出場できれば」ぐらいの感じでしたが、4月に6m13を跳んで、「3年間でインターハイ優勝」と目標が明確になり、世界が広がった感じです。 [caption id="attachment_160660" align="alignnone" width="800"] 24年日本選手権で4位に入った近藤いおん選手[/caption] ――1年目はインターハイの出場権を得ながら、同時期に開催されたU20世界選手権に出場しました。世界の舞台で学んだことは。 近藤 「世界を見ておいたほうが良い」という猿山コーチのアドバイスでU20世界選手権を選びました。大学生の先輩たちの練習や大会への臨み方がわかりましたし、世界で入賞するような選手は覚悟が違うなと感じました。それを高校1年生で知れたのはありがたかったです。 ――普段の練習で他の選手の跳躍などを参考にするのですか。 近藤 はい、通学中などによく走幅跳の動画を見ています。最近で言うと、パリ五輪金メダリストのタラ・デービス選手(アメリカ)や日本のトップ選手の動画をずっと見ています。 ――部活動が休みの日はどんなふうに過ごしていますか。 近藤 家族で過ごすことが多いです。両親と姉とペットで出かけて、パンを買って川沿いで食べるのがお決まりです。夏には陸上部のみんなで海に行ったこともあります。 ――学校の授業はいかがでしたか?得意な教科や好きな教科は。 近藤 私のクラスはがんばれば、がんばるほど点数が伸びるような感じだったので、中学校の時より勉強は楽しかったです。中学までは文系が得意でしたが、高校では数学が得意になって、計算のワークをやるのは好きでした。 ――今のハマっているものは。 近藤 Netflixの「あいの里」にハマっています。大人の恋愛リアリティショーです。 ――競技以外で将来の夢はありますか。 近藤 穏やかで幸せな暮らしをしたいです。丸の内とかで普通にOLをやってみたい思いもあります。 ◎構成/小野哲史近藤いおんPROFILE
◎こんどう・いおん/2006年4月17日生まれ。埼玉県三郷市出身。出身校は彦成中―東京・城西高。小学5年で陸上を始め、6年時には2018年全国小学生交流大会に4×100mリレー(4走)で出場する。中学から流山ホークアイに所属し、2年時の2020年全国中学生大会走幅跳で8位。3年時には21年全中で2位に入り、U16大会を制している。高校1年時にはU20世界選手権に出場し、国体少年共通とU18大会は優勝。2年時の23年インターハイでは2位に入っている。3年時の昨年は、日本選手権で4位に入ると、インターハイでは頂点に立った。自己ベストは走幅跳6m22(24年) [caption id="attachment_160661" align="alignnone" width="800"] 24年インターハイで優勝した近藤いおん選手[/caption]RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2025.01.30
古豪復活へ!明大が創立150年記念事業「Mの輝きを再び」70年以上遠ざかる箱根駅伝Vへ
2025.01.30
東京世界陸上へのスタート!日本選手権室内に有力選手が今年初戦に挑む
-
2025.01.30
-
2025.01.29
2025.01.26
箱根駅伝連覇の青学大が練習拠点の相模原市で優勝パレード 「すごい人の多さにビックリ」
2025.01.26
設楽悠太が1時間1分47秒でV「勝つイメージがほしかった」東京で日本新照準/大阪ハーフ
-
2025.01.26
-
2025.01.26
-
2025.01.14
-
2025.01.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.01.30
古豪復活へ!明大が創立150年記念事業「Mの輝きを再び」70年以上遠ざかる箱根駅伝Vへ
明治大学は1月30日、明治大学創立150周年記念事業として「紫紺の襷プロジェクト ~Mの輝きを再び~」を立ち上げることを発表した。 古豪復活への大きな一歩となるか。学校法人明治大学の柳谷孝・理事長、上野正雄・学長の両名義 […]
2025.01.30
東京世界陸上へのスタート!日本選手権室内に有力選手が今年初戦に挑む
第108回日本選手権・室内競技が2月1日、2日に大阪城ホールで開かれる。今年9月には地元・東京で世界選手権が開催。そこに視線を向けながら、ワールドランキングのポイントの獲得、さらには5月のアジア選手権代表入りを目指して有 […]
2025.01.30
青梅マラソンに花尾恭輔が招待エントリー!東洋大・吉田周、宮崎優らも出場 女子は福居紗希が登録
青梅マラソンの大会事務局は1月30日、今年2月に開催される第57回青梅マラソンの招待選手を発表した。 30kmの部には花尾恭輔(トヨタ自動車九州)がエントリー。昨春に駒大を卒業した花尾は、6月に5000mで自己記録を更新 […]
2025.01.30
【高校生FOCUS】女子走幅跳・近藤いおん(城西高/流山ホークアイ)次のステージで目指すはロス五輪
FOCUS! 高校生INTERVIEW 近藤いおん Kondo Ion 城西高3東京/流山ホークアイ 高校トップ選手にフォーカス!2025年の1回目は女子走幅跳の近藤いおん選手(城西3東京/流山ホークアイ)です。昨夏のイ […]
2025.01.30
エア ズーム ユニットを搭載した新作ランニングシューズ「ナイキ ペガサス プレミアム」が登場!
ナイキは30日、初めて立体的な足の形状に合わせてデザインされたビジブル エア ズーム ユニットを搭載したナイキ ペガサス プレミアムを1月30日からNIKEアプリ、NIKE.COM、及び一部のNIKE販売店にて発売開始し […]
Latest Issue 最新号
2025年2月号 (1月14日発売)
駅伝総特集!
箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
高校駅伝、中学駅伝
富士山女子駅伝