◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km)
中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ都道府県対抗男子駅伝が行われ、長野県が史上初の4連覇、通算11回目の優勝を達成した。優勝タイムは2時間16分55秒で、前回樹立したばかりの大会記録も5秒更新した。
昨年12月の全国高校駅伝男子優勝の佐久長聖高のメンバーを中心に、学生・社会人枠には佐久長聖OBの吉岡大翔(順大)や伊藤大志(早大)を招聘するなど、各世代に盤石のメンバーをそろえて挑んだ。高見澤勝監督は21歳以下で構成された若いチームに「プレッシャーを感じるのではなくて、力に変えていこう」と声をかけ、前人未到の4連覇を言葉で後押し。長年チームに携わってきた牛山通高コーチは「今年のチームは、自分が何をしないといけないのかわかって、すぐに行動に移すことができた。新しい親友であるような雰囲気があった」と、チームの一体感に連覇への可能性を感じていたと話す。
レースの流れを大きく左右する1区は、前回に引き続き濵口大和(佐久長聖高)が担った。前回は区間新を叩き出しながら区間4位。「1区でいい流れを作るのが役目。区間賞を目指して、強い気持ちで挑みました」と区間賞へ強いこだわりを持ってスタートラインに立った。その濵口は5kmで先頭に立つと、最後は持ち前のスプリント力で宮城を突き放し、区間記録にあと2秒に迫る19分33秒。2区の増田大誠(真田クラブ)もトップでつないだ。3区の吉岡で7位まで後退するも、4区の石川浩輝(佐久長聖高)が区間3位で3人を抜き、再び流れを引き戻した。
勝利をグッと引き寄せたのは、5区の佐々木哲(佐久長聖高)の快走だった。先行する福島、佐賀、福岡をターゲットに、1kmを2分39秒のハイペースで突っ込み、その後も2分45秒前後のタイムで刻む。「高校の集大成となるようなレースがしたいと思って、ラストはもう1段階上げました」と、5kmを過ぎてからギアを入れ替え後続を突き放すと、自ずとタイムをついてきた。
高校の先輩でもある吉岡が作った区間記録23分52を、20秒も更新する23分32秒の区間新記録には「本当に最後まで楽しく走り切ることができて、プレッシャーもむしろ楽しみに変えられました」と佐々木。高見澤監督も「驚きでしかない」と最大の賛辞を送った。
佐々木で1分以上の貯金を作った長野は、6区の中澤侑己(堀金中)、7区の伊藤大志(早大)がトップを守って悲願達成。アンカーを任された伊藤は「4連覇に貢献できて感無量な気持ちと、プレッシャーのかかるアンカーを無事に走り切れてホッとした気持ちです。自分自身の走りは満点ではないけど、6区まで走ってくれた後輩たちのおかげで4連覇を成し遂げることができました」と饒舌だった。
文/田端慶子
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.22
【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
-
2025.02.21
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.22
【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日)
【大会結果】第108回日本選手権クロスカントリー(2025年2月22日/福岡・海の中道海浜公園) ●男子10km 1位 三浦龍司(SUBARU) 28分24秒 2位 井川龍人(旭化成) 28分25秒 3位 塩尻和也 […]
2025.02.22
今年も福岡でクロカン日本一決定戦! 日本選手権&U20日本選手権クロカンに有力選手が多数出場
第108回日本選手権クロスカントリー、第40回U20日本選手権クロスカントリーは今日2月22日、福岡・海の中道海浜公園の1周2kmのコースを舞台に行われる。 日本選手権は男子が10km、女子が8kmで争われ、男子にはパリ […]
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝