HOME 駅伝、高校

2025.01.20

若き長野県チームがつかんだ栄冠 5区区間賞の佐々木哲「プレッシャーも楽しみに変えられた」/都道府県男子駅伝
若き長野県チームがつかんだ栄冠 5区区間賞の佐々木哲「プレッシャーも楽しみに変えられた」/都道府県男子駅伝

25年都道府県男子駅伝で優勝を飾った長野県のメンバー

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km)

中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ都道府県対抗男子駅伝が行われ、長野県が史上初の4連覇、通算11回目の優勝を達成した。優勝タイムは2時間16分55秒で、前回樹立したばかりの大会記録も5秒更新した。

昨年12月の全国高校駅伝男子優勝の佐久長聖高のメンバーを中心に、学生・社会人枠には佐久長聖OBの吉岡大翔(順大)や伊藤大志(早大)を招聘するなど、各世代に盤石のメンバーをそろえて挑んだ。高見澤勝監督は21歳以下で構成された若いチームに「プレッシャーを感じるのではなくて、力に変えていこう」と声をかけ、前人未到の4連覇を言葉で後押し。長年チームに携わってきた牛山通高コーチは「今年のチームは、自分が何をしないといけないのかわかって、すぐに行動に移すことができた。新しい親友であるような雰囲気があった」と、チームの一体感に連覇への可能性を感じていたと話す。

レースの流れを大きく左右する1区は、前回に引き続き濵口大和(佐久長聖高)が担った。前回は区間新を叩き出しながら区間4位。「1区でいい流れを作るのが役目。区間賞を目指して、強い気持ちで挑みました」と区間賞へ強いこだわりを持ってスタートラインに立った。その濵口は5kmで先頭に立つと、最後は持ち前のスプリント力で宮城を突き放し、区間記録にあと2秒に迫る19分33秒。2区の増田大誠(真田クラブ)もトップでつないだ。3区の吉岡で7位まで後退するも、4区の石川浩輝(佐久長聖高)が区間3位で3人を抜き、再び流れを引き戻した。

勝利をグッと引き寄せたのは、5区の佐々木哲(佐久長聖高)の快走だった。先行する福島、佐賀、福岡をターゲットに、1kmを2分39秒のハイペースで突っ込み、その後も2分45秒前後のタイムで刻む。「高校の集大成となるようなレースがしたいと思って、ラストはもう1段階上げました」と、5kmを過ぎてからギアを入れ替え後続を突き放すと、自ずとタイムをついてきた。

高校の先輩でもある吉岡が作った区間記録23分52を、20秒も更新する23分32秒の区間新記録には「本当に最後まで楽しく走り切ることができて、プレッシャーもむしろ楽しみに変えられました」と佐々木。高見澤監督も「驚きでしかない」と最大の賛辞を送った。

広告の下にコンテンツが続きます

佐々木で1分以上の貯金を作った長野は、6区の中澤侑己(堀金中)、7区の伊藤大志(早大)がトップを守って悲願達成。アンカーを任された伊藤は「4連覇に貢献できて感無量な気持ちと、プレッシャーのかかるアンカーを無事に走り切れてホッとした気持ちです。自分自身の走りは満点ではないけど、6区まで走ってくれた後輩たちのおかげで4連覇を成し遂げることができました」と饒舌だった。

文/田端慶子

◇天皇盃第30回全国都道府県対抗男子駅伝(1月19日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km) 中学生から高校生、社会人・大学生のランナーがふるさとのチームでタスキをつなぐ都道府県対抗男子駅伝が行われ、長野県が史上初の4連覇、通算11回目の優勝を達成した。優勝タイムは2時間16分55秒で、前回樹立したばかりの大会記録も5秒更新した。 昨年12月の全国高校駅伝男子優勝の佐久長聖高のメンバーを中心に、学生・社会人枠には佐久長聖OBの吉岡大翔(順大)や伊藤大志(早大)を招聘するなど、各世代に盤石のメンバーをそろえて挑んだ。高見澤勝監督は21歳以下で構成された若いチームに「プレッシャーを感じるのではなくて、力に変えていこう」と声をかけ、前人未到の4連覇を言葉で後押し。長年チームに携わってきた牛山通高コーチは「今年のチームは、自分が何をしないといけないのかわかって、すぐに行動に移すことができた。新しい親友であるような雰囲気があった」と、チームの一体感に連覇への可能性を感じていたと話す。 レースの流れを大きく左右する1区は、前回に引き続き濵口大和(佐久長聖高)が担った。前回は区間新を叩き出しながら区間4位。「1区でいい流れを作るのが役目。区間賞を目指して、強い気持ちで挑みました」と区間賞へ強いこだわりを持ってスタートラインに立った。その濵口は5kmで先頭に立つと、最後は持ち前のスプリント力で宮城を突き放し、区間記録にあと2秒に迫る19分33秒。2区の増田大誠(真田クラブ)もトップでつないだ。3区の吉岡で7位まで後退するも、4区の石川浩輝(佐久長聖高)が区間3位で3人を抜き、再び流れを引き戻した。 勝利をグッと引き寄せたのは、5区の佐々木哲(佐久長聖高)の快走だった。先行する福島、佐賀、福岡をターゲットに、1kmを2分39秒のハイペースで突っ込み、その後も2分45秒前後のタイムで刻む。「高校の集大成となるようなレースがしたいと思って、ラストはもう1段階上げました」と、5kmを過ぎてからギアを入れ替え後続を突き放すと、自ずとタイムをついてきた。 高校の先輩でもある吉岡が作った区間記録23分52を、20秒も更新する23分32秒の区間新記録には「本当に最後まで楽しく走り切ることができて、プレッシャーもむしろ楽しみに変えられました」と佐々木。高見澤監督も「驚きでしかない」と最大の賛辞を送った。 佐々木で1分以上の貯金を作った長野は、6区の中澤侑己(堀金中)、7区の伊藤大志(早大)がトップを守って悲願達成。アンカーを任された伊藤は「4連覇に貢献できて感無量な気持ちと、プレッシャーのかかるアンカーを無事に走り切れてホッとした気持ちです。自分自身の走りは満点ではないけど、6区まで走ってくれた後輩たちのおかげで4連覇を成し遂げることができました」と饒舌だった。 文/田端慶子

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.03.25

箱根駅伝予選会のスタート時刻を変更「温暖化の影響による選手の安全確保」

関東学生陸上競技連盟は3月25日、箱根駅伝予選会のスタート時刻について、次回から変更すると発表した。 前回までは午前9時35分スタートだったが、第102回大会予選会から午前8時30分スタートと、約1時間前倒しする。 「温 […]

NEWS 100mH福部真子「引退しないといけないのかな…」菊池病の公表に葛藤も「あとで後悔したくない」元気な姿アピール

2025.03.25

100mH福部真子「引退しないといけないのかな…」菊池病の公表に葛藤も「あとで後悔したくない」元気な姿アピール

女子100mハードル日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)がインタビューに応じ、昨年末に公表した「菊池病」と発覚した時の状況や、今の調子、復帰に向けた思いを聞いた。 「元気です!見てもらった通り!」。オンラインで画面越 […]

NEWS 大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート

2025.03.25

大阪に約270人の高校生アスリートが集結! 「切磋琢磨していきたい」 3泊4日の全国高体連合宿スタート

2024年度の日本陸連U-19強化研修合宿・全国高体連陸上競技専門部強化合宿が3月25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で始まった。全国から選手約270人が参加し、20度を超える汗ばむ陽気の中で打ち解けながら練習に取り組ん […]

NEWS HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」

2025.03.25

HOKAが「CLIFTON 10」発売に先駆けてイベント 鎧坂哲哉「クッション性とフィット感が良い」

デッカーズジャパンは3月25日、パフォーマンスフットウェア&アパレルブランド「HOKA」の人気シリーズの新作シューズ「CLIFTON 10(クリフトン 10)」の発売に先駆けてメディア向けの商品説明会・トークセッションを […]

NEWS 富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」

2025.03.25

富士通加入の平林樹「世界一になる」鈴木康也は「マラソンで世界へ」

富士通が3月25日、2025年度新加入選手の合同取材会見を開き、男子長距離の篠原倖太朗(駒大)、平林樹(城西大)、鈴木康也(麗澤大)、女子400mハードルの山本亜美(立命大)が登壇した。 城西大の主将を務めた平林は「こう […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

別冊付録 2024記録年鑑
山西 世界新!
大阪、東京、名古屋ウィメンズマラソン詳報

page top