HOME 駅伝

2025.01.07

NEWS
石川県が学生三大駅伝と言われた「能登駅伝」の復活を検討 被災地の創造的復興への寄与を期待
石川県が学生三大駅伝と言われた「能登駅伝」の復活を検討 被災地の創造的復興への寄与を期待

かつて行われた能登駅伝のコース図(日本列島駅伝史より引用)

かつて石川県の能登半島を舞台に行われた「能登駅伝」の復活開催に向けて、石川県が動き出していることがわかった。石川県の馳浩知事が1月6日に開いた年頭会見で明らかにした。

能登駅伝は正式名称を「全日本大学選抜能登半島一周駅伝競走選手権大会」とし、能登半島が国定公園に指定されたことを記念して1968年に第1回大会を開催。読売新聞社北陸支社や北信越学連が主催となり、富山県高岡市をスタート、能登半島の珠洲市や輪島市を回り、金沢市にフィニッシュする26区間341.6kmのコース(大会によって距離変更あり)に全国の大学が参加して行われた。

大会は11月下旬に3日間に分けて行われ、のちにオリンピックに出場する中村孝生、新宅雅也(当時・日体大)なども出場している。当時は出雲駅伝が行われておらず、1970年から始まった全日本大学駅伝、関東の箱根駅伝とあわせて、学生三大駅伝と称されることもあった。1977年の第10回大会まで開催され、日体大が9度の優勝を果たし、第7回のみ大東大が制している。

当時行われていた九州一周駅伝や東日本縦断駅伝(青東駅伝)のように、1人が3日で複数区間走るケースもあったほか、日本海からの強風が選手に吹き付けることから、日本一過酷な駅伝とも呼ばれていたという。第11回大会も予定されていたが、関東勢は正月の箱根駅伝の開催が近いことで出場を見送った大学も多く、選手をそろえるのに苦労する大学が多かったこと、また長距離駅伝での大会運営の困難さなどを理由に開催されなくなった。

石川県は昨年の元日に発生した能登半島地震からの復興の一環として、能登駅伝の復活を立案。参加者に災害からの復興の過程を実感してもらい、参加者と能登の住民の交流を通して地域に活力をもたらすことで、能登の住民の背中をスポーツの力で押し、能登の創造的復興に大きく寄与することを期待しているという。

すでに日本学連、日本陸連、大学スポーツ協会(UNIVAS)などにヒアリングも実施し、大会の復活に賛同を得た一方、道路などのインフラの復旧、宿泊施設の復旧と確保、開催資金の確保が懸念点として指摘されたという。

県は、かつての大会と同様に大学生の参加を基本に、開催時期やコースなどの大枠について庁内で検討するとし、新年度から準備委員会の設置などを進めていくとしている。

広告の下にコンテンツが続きます

馳知事は、実行委員会の調査を踏まえて準備すると前置きした上で、「七尾市もしくは志賀町を発着点として、奥能登の6市町(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)を回れば、2日間で230kmから240kmのコースになる」とコースの構想を明かした。

かつて石川県の能登半島を舞台に行われた「能登駅伝」の復活開催に向けて、石川県が動き出していることがわかった。石川県の馳浩知事が1月6日に開いた年頭会見で明らかにした。 能登駅伝は正式名称を「全日本大学選抜能登半島一周駅伝競走選手権大会」とし、能登半島が国定公園に指定されたことを記念して1968年に第1回大会を開催。読売新聞社北陸支社や北信越学連が主催となり、富山県高岡市をスタート、能登半島の珠洲市や輪島市を回り、金沢市にフィニッシュする26区間341.6kmのコース(大会によって距離変更あり)に全国の大学が参加して行われた。 大会は11月下旬に3日間に分けて行われ、のちにオリンピックに出場する中村孝生、新宅雅也(当時・日体大)なども出場している。当時は出雲駅伝が行われておらず、1970年から始まった全日本大学駅伝、関東の箱根駅伝とあわせて、学生三大駅伝と称されることもあった。1977年の第10回大会まで開催され、日体大が9度の優勝を果たし、第7回のみ大東大が制している。 当時行われていた九州一周駅伝や東日本縦断駅伝(青東駅伝)のように、1人が3日で複数区間走るケースもあったほか、日本海からの強風が選手に吹き付けることから、日本一過酷な駅伝とも呼ばれていたという。第11回大会も予定されていたが、関東勢は正月の箱根駅伝の開催が近いことで出場を見送った大学も多く、選手をそろえるのに苦労する大学が多かったこと、また長距離駅伝での大会運営の困難さなどを理由に開催されなくなった。 石川県は昨年の元日に発生した能登半島地震からの復興の一環として、能登駅伝の復活を立案。参加者に災害からの復興の過程を実感してもらい、参加者と能登の住民の交流を通して地域に活力をもたらすことで、能登の住民の背中をスポーツの力で押し、能登の創造的復興に大きく寄与することを期待しているという。 すでに日本学連、日本陸連、大学スポーツ協会(UNIVAS)などにヒアリングも実施し、大会の復活に賛同を得た一方、道路などのインフラの復旧、宿泊施設の復旧と確保、開催資金の確保が懸念点として指摘されたという。 県は、かつての大会と同様に大学生の参加を基本に、開催時期やコースなどの大枠について庁内で検討するとし、新年度から準備委員会の設置などを進めていくとしている。 馳知事は、実行委員会の調査を踏まえて準備すると前置きした上で、「七尾市もしくは志賀町を発着点として、奥能登の6市町(七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町)を回れば、2日間で230kmから240kmのコースになる」とコースの構想を明かした。

【画像】石川県が発表した能登駅伝の復活について

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.01.08

明大 山本豪駅伝監督が退任 今年の箱根駅伝出場ならず 当面は園原健弘競走部監督が駅伝監督兼務

明大は1月8日、山本豪駅伝監督の指導体制を終了したと発表した。当面は競走部の園原健弘監督が駅伝監督を兼務し、後任の駅伝監督については正式決定次第、発表するとしている。 山本豪氏は1973年生まれ。現役時代は91年インター […]

NEWS NDソフトに地元・山形出身の荒生実慧が加入 酒田南高1年時に全国高校駅伝1区出走、東洋大OB

2025.01.08

NDソフトに地元・山形出身の荒生実慧が加入 酒田南高1年時に全国高校駅伝1区出走、東洋大OB

NDソフトアスリートクラブは1月8日、SNSを更新し、1月1日付で男子長距離の荒生実慧が加入したことを発表した。 荒生はNDソフトが活動拠点を置く山形県出身。酒田一中時代から全中など全国大会に出場し、酒田南高では1年時の […]

NEWS パリ五輪1万m銀のバットクレッティ快勝 男子は19年世界陸上5000m4位ベケレが制す/WAクロカンツアー

2025.01.08

パリ五輪1万m銀のバットクレッティ快勝 男子は19年世界陸上5000m4位ベケレが制す/WAクロカンツアー

世界陸連(WA)クロスカントリーツアー・ゴールドのカンパチオ国際クロスカントリーが1月6日、イタリア・ミラノ近郊のサン・ジョルジョ・ス・レニャーノで行われ、女子(6.0km)は昨年のパリ五輪10000m銀メダリスト、N. […]

NEWS 選抜女子駅伝北九州に積水化学、パナソニック、肥後銀行がエントリー 高校は薫英女学院、立命館宇治、神村学園と強豪校そろう

2025.01.07

選抜女子駅伝北九州に積水化学、パナソニック、肥後銀行がエントリー 高校は薫英女学院、立命館宇治、神村学園と強豪校そろう

1月6日、選抜女子駅伝北九州の主催者は1月19日に開催される第36回大会の出場34チームを発表した。 同駅伝は小倉城歴史の道をスタート、八幡東区前田で折り返す27.2kmのコースで行われ、一般は5区間、高校は6区間と区間 […]

NEWS 麗澤大に新監督に池谷寛之氏が就任「学生たちの夢である箱根駅伝を実現」大東大OB

2025.01.07

麗澤大に新監督に池谷寛之氏が就任「学生たちの夢である箱根駅伝を実現」大東大OB

麗澤大は1月7日、陸上競技部の監督に池谷寛之氏が就任したことを発表した。 池谷氏は1975年生まれの49歳。静岡県出身で、大東大時代には箱根駅伝に3度出場。卒業後は本田技研(現・Honda)、日清食品グループ、NTN、新 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年12月号 (11月14日発売)

2024年12月号 (11月14日発売)

全日本大学駅伝
第101回箱根駅伝予選会
高校駅伝都道府県大会ハイライト
全日本35㎞競歩高畠大会
佐賀国民スポーツ大会

page top