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2025.01.03

新たな100年への一歩も青学大!大会新で2年連続8度目V「部員62人全員でつかみ取った優勝」/箱根駅伝
新たな100年への一歩も青学大!大会新で2年連続8度目V「部員62人全員でつかみ取った優勝」/箱根駅伝

25年箱根駅伝総合優勝の青学大(10区・小河原陽琉)

◇第101回箱根駅伝(東京・大手町~神奈川・箱根町往復/10区間217.1km)

箱根駅伝の復路が行われ、青学大が10時間41分19秒の大会新で2年連続8度目の総合優勝を果たした。

第100回王者が、新たな100年に向けても、力強い第一歩を刻んだ。駒大、國學院大との「3強」と見られた中で、青学大強さを強烈に示した青学大の2日間。原晋監督は「本当にありがとうと言いたいですね」と感慨深げに語った。

1区で中大に大きく先行を許したものの、宇田川瞬矢(3年)が「みんながいることを考えたことで、ラスト3kmで粘ることができた」と振り返るように、全員が全員をカバーできる力が青学にはある。

2区・黒田朝日(3年)がそれをすぐさま体現・区間記録を上回る1時間5分44秒の激走で7人抜きを演じて3位へ。「3、4区に非常に心強い先輩が待っていたので、自身を持ってスタートラインに立つことができた」。

3区の箱根初登場の鶴川正也(4年)が終盤に差し込み(腹痛)が来て1つ順位を落とす展開に「自分の思い通りにはいかなかったけど、みんなに助けられた」。今季、日本選手権5000m4位など学生相手に圧倒的な強さを見せてきた鶴川の苦戦も、4区にも太田蒼生(4年)がいる。

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「予想外の位置でもらうことになったけど、僕のできる仕事をやろう」と太田。区間歴代2位の1時間0分24秒の力走で2位へと押し上げた。

そして、「山」で勝負を決定づけた。2年連続3度目の5区に入った若林宏樹(4年)が「初めて2位でもらった」と追う展開にも動じず、9.5kmでトップ・中大をついに逆転。そのままリードを拡大する1時間9分11秒の区間新で初の区間賞、そして3度目の往路Vテープを切った。「全力で21kmを走り切った結果」と胸を張る。

連覇への流れを、6区・野村昭夢(4年)が確固たるものとした。2年連続の山下りを史上初の57分切りとなる56分47秒で駆ける。「アンカーが1年生。4年生の役割は1秒でも話して楽をさせてあげること」と、チームのために力を尽くした。

7区では駒大・佐藤圭汰の区間新の快走で追撃を許したものの、4年生の白石光星は「きつくても我慢するレースができた」。すかさず8区の塩出翔太が2年連続区間賞で流れを引き戻し、「役割を果たせた」。

9区の主将・田中悠登は区間2位、アンカーの1年生・小河原陽琉が区間歴代2位の1時間8分27秒で区間賞と、最後は“ピクニックラン”へと持ち込んだ。

田中が「沿道で声を送ってくれるチームメイトの顔が見えて、走った10人だけじゃなく、部員62名でつかみ取った優勝」と言えば、Vテープを切った小河原は「すごくきつかったけど、みんなが見えた瞬間に吹っ飛んで、気持ち良くゴールできました」と笑顔がこぼれた。

春から5000mのスピードを強化し、鶴川ら個々がトラックで存在感を発揮した。それでも、出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに3位とその力を発揮し切れずにいた。満を持した箱根駅伝でも、出足から想定した流れは作れなかったかもしれない。

原監督は“打倒・青学大”に向かってくるライバル校について、「研究をし、学問的なことにも取り組んで、いわゆる“原メソッド”を作り上げましたが、各大学のメソッド対決になっている」。

それでも、青学大は揺るがない。「自らトレーニングし、寮生活もしっかりとやる」(原監督)学生たちの強さがあるからだ。

終わってみれば、まさに盤石の“横綱相撲”。王者として、時代はまだまだ続いていく。

◇第101回箱根駅伝(東京・大手町~神奈川・箱根町往復/10区間217.1km) 箱根駅伝の復路が行われ、青学大が10時間41分19秒の大会新で2年連続8度目の総合優勝を果たした。 第100回王者が、新たな100年に向けても、力強い第一歩を刻んだ。駒大、國學院大との「3強」と見られた中で、青学大強さを強烈に示した青学大の2日間。原晋監督は「本当にありがとうと言いたいですね」と感慨深げに語った。 1区で中大に大きく先行を許したものの、宇田川瞬矢(3年)が「みんながいることを考えたことで、ラスト3kmで粘ることができた」と振り返るように、全員が全員をカバーできる力が青学にはある。 2区・黒田朝日(3年)がそれをすぐさま体現・区間記録を上回る1時間5分44秒の激走で7人抜きを演じて3位へ。「3、4区に非常に心強い先輩が待っていたので、自身を持ってスタートラインに立つことができた」。 3区の箱根初登場の鶴川正也(4年)が終盤に差し込み(腹痛)が来て1つ順位を落とす展開に「自分の思い通りにはいかなかったけど、みんなに助けられた」。今季、日本選手権5000m4位など学生相手に圧倒的な強さを見せてきた鶴川の苦戦も、4区にも太田蒼生(4年)がいる。 「予想外の位置でもらうことになったけど、僕のできる仕事をやろう」と太田。区間歴代2位の1時間0分24秒の力走で2位へと押し上げた。 そして、「山」で勝負を決定づけた。2年連続3度目の5区に入った若林宏樹(4年)が「初めて2位でもらった」と追う展開にも動じず、9.5kmでトップ・中大をついに逆転。そのままリードを拡大する1時間9分11秒の区間新で初の区間賞、そして3度目の往路Vテープを切った。「全力で21kmを走り切った結果」と胸を張る。 連覇への流れを、6区・野村昭夢(4年)が確固たるものとした。2年連続の山下りを史上初の57分切りとなる56分47秒で駆ける。「アンカーが1年生。4年生の役割は1秒でも話して楽をさせてあげること」と、チームのために力を尽くした。 7区では駒大・佐藤圭汰の区間新の快走で追撃を許したものの、4年生の白石光星は「きつくても我慢するレースができた」。すかさず8区の塩出翔太が2年連続区間賞で流れを引き戻し、「役割を果たせた」。 9区の主将・田中悠登は区間2位、アンカーの1年生・小河原陽琉が区間歴代2位の1時間8分27秒で区間賞と、最後は“ピクニックラン”へと持ち込んだ。 田中が「沿道で声を送ってくれるチームメイトの顔が見えて、走った10人だけじゃなく、部員62名でつかみ取った優勝」と言えば、Vテープを切った小河原は「すごくきつかったけど、みんなが見えた瞬間に吹っ飛んで、気持ち良くゴールできました」と笑顔がこぼれた。 春から5000mのスピードを強化し、鶴川ら個々がトラックで存在感を発揮した。それでも、出雲駅伝、全日本大学駅伝ともに3位とその力を発揮し切れずにいた。満を持した箱根駅伝でも、出足から想定した流れは作れなかったかもしれない。 原監督は“打倒・青学大”に向かってくるライバル校について、「研究をし、学問的なことにも取り組んで、いわゆる“原メソッド”を作り上げましたが、各大学のメソッド対決になっている」。 それでも、青学大は揺るがない。「自らトレーニングし、寮生活もしっかりとやる」(原監督)学生たちの強さがあるからだ。 終わってみれば、まさに盤石の“横綱相撲”。王者として、時代はまだまだ続いていく。

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