2020.11.06
毎週金曜日更新!?
★月陸編集部★
攻め(?)のアンダーハンド
リレーコラム🔥
毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ!
陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。
編集スタッフが週替りで綴って行きたいと思います。
暇つぶし程度にご覧ください!
第67回「都大路も高速レースの予感」(井上 敦)
今年の都大路はびっくりする記録がでるかも?(写真は昨年の全国大会)
10月中旬から本格的な駅伝シーズンに突入しました。今年は、開催に向けた各方面の調整や、当日の運営に苦労もあったかと思いますが、選手は好レースを展開しました。特に大学の男女の全日本駅伝はいずれも大会記録が更新されました。
昨年あたりから一気に高速化が進む駅伝ですが(理由はいろいろありますけど……)、それは高校も一緒。各地で全国高校駅伝の都道府県予選が行われている最中、昨日(11月5日)の鹿児島県予選の女子では、神村学園が1時間6分04秒をマークしました。これは5区間21.0975㎞(1区6㎞、2区4.0975㎞、3区3㎞、4区3㎞、5区5㎞)でつなぐ女子の高校駅伝では、史上最速タイムです(留学生を含んだオーダーのため、全国高体連に従って専門誌では高校国際国内最高記録と表現します)。
それまでの最速は、埼玉栄が1996年の全国高校駅伝(京都)で出した1時間6分26秒。全区間日本人だったので日本高校最高記録となっています。埼玉栄にはその年のインターハイ3000mのチャンピオンがいましたが、当日は補欠に回るほどの選手層でした。レースは1区を除く4区間で区間賞を獲得し、3~5区は区間新。4区の8分59秒は23年間更新されず、現在も残ります。
そのチームの記録を24年ぶりに上回った神村学園。全国大会では前々回の女王として2年ぶり2度目の優勝が一番の目標だと思いますが、記録も注目されるでしょう。アップダウンのある京都のコースで、目前に迫った1時間5分台到達はありますでしょうか。
そして、昨年の全国大会優勝の仙台育英(宮城)も忘れてはいけません。宮城県予選で1時間6分59秒をマーク。昨年からコースが代わり初めて行われた会場で39秒上回りました。それも、全国大会1区区間賞の小海遥選手(3年)を外してのオーダーです。まだまだ記録を伸ばしそうですし、昨年、神村学園に競り勝った勝負強さも持っています。
一方の男子(7区間42.195㎞/1区10㎞、2区3㎞、3区8.1075㎞、4区8.0875㎞、5区3㎞、6区5㎞、7区5㎞)は、女子とともに昨年の都大路を制した仙台育英が2連覇へ着々と戦力を整えている様子。初コースとなった県予選は2時間2分41秒と、前年を15秒上回りました。それでも、記録には満足していなかったとか。昨年の全国では2時間1分32秒で駆け抜けましたが、それ以上の力を秘めているかもしれませんね。
さらに、長野県予選男子では佐久長聖(長野)が2時間3分35秒をマーク。終盤に上りがあり記録が出にくいコースと言われていますが、2008年に同校が出した大会記録(2時間4分56秒)を1分21秒更新しました。
2008年の佐久長聖は大迫傑選手(現・Nike)らを擁して都大路を2時間2分18秒の高校最高記録で優勝しましたが、そこから推測すると、今年のチームも県予選から2分半ぐらい短縮して……、2時間1分ちょうど、ひょっとしたら2時間0分台が出るかもしれません。2015年に世羅(広島)が出した大会記録及び高校駅伝史上最速の2時間1分18秒を上回ることになります。
11月6日までに代表となった主なチームから勝手にタイムを予測してみましたが、レースの流れで大きく変動します。特に男女とも1区の記録が左右するでしょう。男子は全距離の23.7%、女子は28.4%を占めます。28分台が6人を数えた昨年の男子のような超高速レースになると、フィニッシュタイムも全体的に上昇し、とんでもない記録が生まれるかもしれません。
今年の都道府県予選は、県によってはコロナ禍で駅伝を取りやめ、トラックレースの合算タイムで代表校を決めたり、駅伝ができたとしても距離を短縮したところがありました。観戦の自粛要請をしたり、感染対策も求められました。そして、今年は全国大会の出場に関係しませんが、4つの地区大会(北信越、東海、四国、九州)の中止が決まっています。
そんな状況ですが、都道府県予選はここまで中止になることなく開催することができ、11月6日時点で41都道府県の代表が決定。あと6府県の予選会を残すのみとなりました。その中には京都、兵庫、広島といった有力チームのいる府県もあり、どんなタイムを叩き出すのでしょうか。
今年の都大路は12月20日。まだ1ヵ月半も先に思えますが、あっという間にやってきます。前日の開会式、当日の閉会式を実施しない(代わりに入賞チームや区間賞を集めた表彰式を男女別に行う)など、さまざまな対策を講じて行われる予定ですが、まずは大会が開催され、そして記憶に残るレースになってほしいと願っています。
井上 敦(いのうえ あつし) 1978年8月生まれ。新潟市江南区出身。横越中→新潟明訓高→某大学(陸上界では有名だが、陸上部に入っていないので匿名)。月刊陸上競技編集部には2015年6月中旬から在籍。中学で最初は100mを始めたものの、その年の東京世界選手権でファイナリストとなった高野進選手に憧れて400mに転向。しかし、県大会に進めなかったうえに、中3秋の駅伝で区間賞獲得や県大会出場でまたまた転向を決意。高校では中距離をメインに、2年時の県新人大会1500mで6位入ったのが最高成績。 |
編集部コラム第66回「陸上競技を続けると……?」(山本)
編集部コラム第65回「強い選手の共通点?パート2」(向永)
編集部コラム第64回「2020年シーズンはまだこれから!!」(小川)
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