2024.12.22
◇全国高校駅伝(12月22日/京都・たけびしスタジアム京都発着 男子7区間42.195km、女子5区間21.0975km)
全国高校駅伝の女子が行われ、長野東が1時間7分27秒で2年ぶり2度目の優勝を果たした。
初優勝は最終区での劇的逆転。今回は1区終盤からトップを守り切る盤石の継走だった。
それを牽引したのが1区・真柴愛里(2年)。常に先頭集団の前方でレースを進めると、残り200mで満を持してスパートを放つ。上りとは思えない力強いストライドで、後続を突き離した。
中継所で待つのは1年生の川上南海。「不安もあると思うので、自分の走りで後半もカバーできるようにがんばりました」という真柴の力強い走りと思いは、しっかりとタスキに刻まれ、後続の選手たちの勇気となった。
2位の立命館宇治(京都)に4秒リードして走り出した川上が、勢いを加速させる。優勝候補に挙げられる薫英女学院(大阪)が2位に浮上する中で、リードを一気に17秒に拡大。区間賞こそ東大阪大敬愛(大阪)の久保凛に5秒及ばなかったが、12分52秒で1年生ながら堂々の区間2位だ。
レース展開の目標として「15秒リード」を掲げていたが、それを上回る貯金に横内史雄監督は「想定以上の走りをしてくれました」と称える。
ここからは、クロカンコースで培ってきたロードの力を全員が発揮した。2年前のVメンバーである3区の主将・窪田舞(3年)は9分53秒で区間11位にまとめ、首位をがっちりとキープ。「よく粘ってくれました」と横内監督もキャプテンの力走に目を細めた。
残り2区間は「単独走に強い2人」(横内監督)がその力を発揮した。4区の1年生・今井玲那(1年)は区間2位(9分11秒)の力走で、2位の薫英女学院、3区で3位に浮上した仙台育英(宮城)の追い上げを許さない。
そして、アンカーの田畑陽菜(2年)は「みんながここまで1位でタスきをつないでくれた。それをゴールまでつなぐ」と強い気持ちでスタート。それでも「5km全体で力を出せるように」と冷静なペース配分が光った。
2位に上がった仙台育英には18秒差。両手を広げて、2度目のVテープを切った。
1区からトップを譲らず優勝を飾ったのは2021年の仙台育英(宮城)以来3年ぶり。5人が見せた圧巻の継走を「優勝に値する走りを全員がしてくれました」と横内監督が言えば、田畑は「たくさん課題があったけど、それを11人全員で乗り越えたからの結果です」と胸を張った。
2年前の長野県勢女子初優勝の際には、「県民の方々が本当に喜んでくださった」と横内監督は振り返る。前回は5位を経て、再び頂点へ返り咲き。コース整備などを手伝ってくれるという地域の人たち、そして長野の人たちの笑顔が待っているはずだ。
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