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2024.12.20

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連覇狙う神村学園に仙台育英、薫英女学院が激突 勢いある長野東も注目/全国高校駅伝展望・女子
連覇狙う神村学園に仙台育英、薫英女学院が激突 勢いある長野東も注目/全国高校駅伝展望・女子

左から神村学園・瀬戸口、仙台育英・細川、薫英女学院・塚本、長野東・窪田

前々回覇者・長野東も注目

この3校を追いかけるのは、前回3位の立命館宇治、同5位の長野東、同6位の須磨学園、同7位の筑紫女学園(福岡)、同8位の青森山田の5校だろう。

その中で、前々回に初優勝を果たした長野東(長野)は神村学園、仙台育英、薫英女学院に迫る勢いがある。県大会は1時間9分02秒で18連覇を遂げたが、これは優勝した年の県大会と比べて12秒速い。

3000mでチームトップ(9分10秒74)の真柴愛里(2年)が1区を担い、2区は故障明けのエース・窪田舞(3年)が務めた。そして、3区・川上南海、4区・今井玲那の1年生コンビはトラックの自己ベストよりも速いタイムで、ロードの適性を示している。

また、アンカーの田畑陽菜(2年)は前回の都大路2区区間7位の実績を持つ。窪田が復調し、下級生が快走すれば、2度目の優勝へ可能性が広がる。

立命館宇治は、前回3区と4区で区間賞を獲得している芦田和佳(2年)、佐藤ゆあ(3年)を軸に連続メダルを狙う。3本柱を担う大西桃花(3年)が府大会、近畿大会と走っていないのが、やや気がかりだが、練習はできている様子。ベストオーダーが組めれば、優勝争いに絡んできそうだ。

都大路経験者4人が残る筑紫女学園は、前回1区8位のエース・金森詩絵菜(3年)を軸に駒がそろう。3000mの平均タイムでは9分31秒だが、伝統の力を生かし、本番に調子を上げてくるチーム。前回は、地区代表ながら入賞を果たした。

須磨学園はインターハイの1500mで7位、3000mで8位に入った池野絵莉(2年)が引っ張る。予選タイムは1時間10分台だが、例年都大路では大きくタイムを上げてきている。2年連続入賞を狙う青森山田は、インターハイ3000m2位のルーシー・ドゥータ(3年)に加え、前回以上に長距離区間での日本人選手がカギを握る。

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東海大会を1時間8分40秒の好タイムで制した浜松市立(静岡)は、2年生エース・大谷芽以(2年)が流れを引き寄せられるか。初出場した前回に続く2年連続の近畿代表となる東大阪大敬愛(近畿地区/大阪)は、800m日本記録保持者・久保凛の快走が上位進出への必須条件だろう。

同じく初出場ながら前回9位と健闘した銀河学院(広島)は初の県代表として参戦。インターハイ1500m6位、3000m5位の細見芽生(3年)を軸に初入賞を狙う。また、和歌山北(和歌山)は3000mで大川菜々美(2年)が9分09秒68、宮崎彩湖(3年)が9分13秒71の自己ベストを持ち、先頭集団でレースを進める可能性も十分ある。
        
前回は優勝タイムが1時間7分28秒で、3位が1時間8分16秒、8位が1時間9分17秒だった。今回も優勝タイムは1時間7分中盤が予想される。戦力の比較でメダル獲得ラインは1時間8分切りが想定される。また、入賞ラインはトラックの平均タイムが上がっており、前回より速くなることもあり得る。

その流れを作る最長区間の1区(6km)は各校のエースが集う。優勝を狙う神村学園や仙台育英、薫英女学院の各校のエースだけでなく、3000mでも今季日本人高校生最速タイム(8分59秒74)を持つ東大阪大敬愛・久保や、5000mで15分37秒77の山田(高知)・穗岐山芽衣といった選手たちがどんなレースを展開するか。それによって総合タイムも変わってくるだろう。

また、留学生が3㎞区間限定となり、3区(9分21秒)、4区(8分59秒)の区間記録更新もありそうだ。

レースは10時20分スタート。試合の模様は、テレビがNHK総合、ラジオはNHK第一で生中継される。

全国高校駅伝は12月22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着で行われる。ここでは、58校(47都道府県代表+11地区代表)が5区間21.0975kmで競う女子第36回大会のレースを展望する。 【男子】前回王者・佐久長聖がレースの軸 連覇を阻むか八千代松陰、仙台育英、大牟田

実績やトラックでは“3強”

優勝争いは前回、最後まで手に汗握る1秒差の激戦を演じた神村学園(鹿児島)と仙台育英(宮城)、選手層の厚い薫英女学院(大阪)と、いずれもV経験のある3チームが中心になりそうだ。 連覇を目指す神村学園は、アンカーだった留学生を除き、前回優勝のメンバー4人が残る。なかでも瀬戸口凜、野口紗喜音の2年生コンビの安定感が増している。 国スポでは瀬戸口が少年A3000mで4位、野口が少年A800mで5位に入賞。駅伝でも県大会、九州大会で1区と2区を2人とも経験し、好走した。 前回3区の黒神璃菜と4区の小倉陽菜(いずれも3年)は九州大会に出場。小倉は4区で区間賞、黒神はアンカーとして危なげない走りを見せた。 3区は留学生のムトニ・マーガレット(1年)を起用。九州大会では区間記録を30秒近く塗り替える8分45秒で駆け抜けた。 前回はアンカーに留学生を配置して、先頭との1分20秒差をひっくり返したが、今回から留学生は3区と4区の3㎞区間限定となる。3区か4区にマーガレットを配置して、20~30秒のリードを作って最終区を迎えたい構えか。 3年ぶりVを目指す仙台育英は細川あおい、デイシー・ジェロップ、長岡みさきの3年生3人が順調に成長を遂げた。なかでも前回2区区間賞のジェロップが国スポ3000mを制している。 県大会では日本人選手のみで臨み、1時間8分03秒をマーク。都大路はここにジェロップが加わり、戦力はアップする。 留学生の起用区間は変わるが、今回も前が見える位置でジェロップにタスキを渡し、主導権を握るのが理想。ただ、日本人選手にも自信を持っており、アンカーで15秒程度のビハインドがあっても、逆転のドラマを描いている。 薫英女学院は留学生こそいないものの、3000mの自己ベストでは、前回1区9位だった塚本夕藍(3年)の9分10秒33を筆頭に、エントリー候補メンバー8人のうち、6人が9分20秒を切る。 今季の駅伝ではくらよし女子を制し、大阪府大会でも1時間8分34秒をマーク。オーダーを変えて臨んだ近畿大会でも、立命館宇治に1分10秒差をつけて1時間9分10秒で優勝した。駅伝では3戦負けなしで本番を迎えることとなる。 塚本や大阪府大会2区区間新の河村璃央(2年)でアドバンテージが取れるかがポイント。1区から攻めの姿勢を貫き、留学生と同じ区間で粘れば、総合力で上回りそう。8年ぶり3回目の頂点をつかめるか。

前々回覇者・長野東も注目

この3校を追いかけるのは、前回3位の立命館宇治、同5位の長野東、同6位の須磨学園、同7位の筑紫女学園(福岡)、同8位の青森山田の5校だろう。 その中で、前々回に初優勝を果たした長野東(長野)は神村学園、仙台育英、薫英女学院に迫る勢いがある。県大会は1時間9分02秒で18連覇を遂げたが、これは優勝した年の県大会と比べて12秒速い。 3000mでチームトップ(9分10秒74)の真柴愛里(2年)が1区を担い、2区は故障明けのエース・窪田舞(3年)が務めた。そして、3区・川上南海、4区・今井玲那の1年生コンビはトラックの自己ベストよりも速いタイムで、ロードの適性を示している。 また、アンカーの田畑陽菜(2年)は前回の都大路2区区間7位の実績を持つ。窪田が復調し、下級生が快走すれば、2度目の優勝へ可能性が広がる。 立命館宇治は、前回3区と4区で区間賞を獲得している芦田和佳(2年)、佐藤ゆあ(3年)を軸に連続メダルを狙う。3本柱を担う大西桃花(3年)が府大会、近畿大会と走っていないのが、やや気がかりだが、練習はできている様子。ベストオーダーが組めれば、優勝争いに絡んできそうだ。 都大路経験者4人が残る筑紫女学園は、前回1区8位のエース・金森詩絵菜(3年)を軸に駒がそろう。3000mの平均タイムでは9分31秒だが、伝統の力を生かし、本番に調子を上げてくるチーム。前回は、地区代表ながら入賞を果たした。 須磨学園はインターハイの1500mで7位、3000mで8位に入った池野絵莉(2年)が引っ張る。予選タイムは1時間10分台だが、例年都大路では大きくタイムを上げてきている。2年連続入賞を狙う青森山田は、インターハイ3000m2位のルーシー・ドゥータ(3年)に加え、前回以上に長距離区間での日本人選手がカギを握る。 東海大会を1時間8分40秒の好タイムで制した浜松市立(静岡)は、2年生エース・大谷芽以(2年)が流れを引き寄せられるか。初出場した前回に続く2年連続の近畿代表となる東大阪大敬愛(近畿地区/大阪)は、800m日本記録保持者・久保凛の快走が上位進出への必須条件だろう。 同じく初出場ながら前回9位と健闘した銀河学院(広島)は初の県代表として参戦。インターハイ1500m6位、3000m5位の細見芽生(3年)を軸に初入賞を狙う。また、和歌山北(和歌山)は3000mで大川菜々美(2年)が9分09秒68、宮崎彩湖(3年)が9分13秒71の自己ベストを持ち、先頭集団でレースを進める可能性も十分ある。          前回は優勝タイムが1時間7分28秒で、3位が1時間8分16秒、8位が1時間9分17秒だった。今回も優勝タイムは1時間7分中盤が予想される。戦力の比較でメダル獲得ラインは1時間8分切りが想定される。また、入賞ラインはトラックの平均タイムが上がっており、前回より速くなることもあり得る。 その流れを作る最長区間の1区(6km)は各校のエースが集う。優勝を狙う神村学園や仙台育英、薫英女学院の各校のエースだけでなく、3000mでも今季日本人高校生最速タイム(8分59秒74)を持つ東大阪大敬愛・久保や、5000mで15分37秒77の山田(高知)・穗岐山芽衣といった選手たちがどんなレースを展開するか。それによって総合タイムも変わってくるだろう。 また、留学生が3㎞区間限定となり、3区(9分21秒)、4区(8分59秒)の区間記録更新もありそうだ。 レースは10時20分スタート。試合の模様は、テレビがNHK総合、ラジオはNHK第一で生中継される。

女子の大会記録や区間記録をチェック

■全国高校駅伝(女子36回) 12月22日(日)/京都・たけびしスタジアム京都発着 ■女子(5区間21.0975km)→10時20分スタート 1区6km-2区4.0975km-3区3km-4区3km-5区5km ●高校最高記録 1.06.26 埼玉栄(埼玉)/1996年全国 ●高校国内国際最高記録 1.06.04 神村学園(鹿児島)/2020年鹿児島県大会 ●大会記録 1.06.26 埼玉栄(埼玉)/1996年 [adinserter block="4"] ●区間記録 1区 18.52 新谷仁美(興譲館・岡山)05年 2区 12.15 T.ムッソーニ(世羅・広島)19年 2区日本人最高 12.35 小林祐梨子(須磨学園・兵庫)06年 3区  9.21 鷲見梓沙(豊川・愛知)12年 4区  8.59 田中梨沙(埼玉栄・埼玉)96年 5区 14.37 T.ムッソーニ(世羅・広島)20年 5区日本人最高 15.26 向井優香(世羅・広島)15年

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