2024.12.20
全国高校駅伝は12月22日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着で行われる。ここでは、58校(47都道府県代表+11地区代表)が5区間21.0975kmで競う女子第36回大会のレースを展望する。
【男子】前回王者・佐久長聖がレースの軸 連覇を阻むか八千代松陰、仙台育英、大牟田
実績やトラックでは“3強”
優勝争いは前回、最後まで手に汗握る1秒差の激戦を演じた神村学園(鹿児島)と仙台育英(宮城)、選手層の厚い薫英女学院(大阪)と、いずれもV経験のある3チームが中心になりそうだ。
連覇を目指す神村学園は、アンカーだった留学生を除き、前回優勝のメンバー4人が残る。なかでも瀬戸口凜、野口紗喜音の2年生コンビの安定感が増している。
国スポでは瀬戸口が少年A3000mで4位、野口が少年A800mで5位に入賞。駅伝でも県大会、九州大会で1区と2区を2人とも経験し、好走した。
前回3区の黒神璃菜と4区の小倉陽菜(いずれも3年)は九州大会に出場。小倉は4区で区間賞、黒神はアンカーとして危なげない走りを見せた。
3区は留学生のムトニ・マーガレット(1年)を起用。九州大会では区間記録を30秒近く塗り替える8分45秒で駆け抜けた。
前回はアンカーに留学生を配置して、先頭との1分20秒差をひっくり返したが、今回から留学生は3区と4区の3㎞区間限定となる。3区か4区にマーガレットを配置して、20~30秒のリードを作って最終区を迎えたい構えか。
3年ぶりVを目指す仙台育英は細川あおい、デイシー・ジェロップ、長岡みさきの3年生3人が順調に成長を遂げた。なかでも前回2区区間賞のジェロップが国スポ3000mを制している。
県大会では日本人選手のみで臨み、1時間8分03秒をマーク。都大路はここにジェロップが加わり、戦力はアップする。
留学生の起用区間は変わるが、今回も前が見える位置でジェロップにタスキを渡し、主導権を握るのが理想。ただ、日本人選手にも自信を持っており、アンカーで15秒程度のビハインドがあっても、逆転のドラマを描いている。
薫英女学院は留学生こそいないものの、3000mの自己ベストでは、前回1区9位だった塚本夕藍(3年)の9分10秒33を筆頭に、エントリー候補メンバー8人のうち、6人が9分20秒を切る。
今季の駅伝ではくらよし女子を制し、大阪府大会でも1時間8分34秒をマーク。オーダーを変えて臨んだ近畿大会でも、立命館宇治に1分10秒差をつけて1時間9分10秒で優勝した。駅伝では3戦負けなしで本番を迎えることとなる。
塚本や大阪府大会2区区間新の河村璃央(2年)でアドバンテージが取れるかがポイント。1区から攻めの姿勢を貫き、留学生と同じ区間で粘れば、総合力で上回りそう。8年ぶり3回目の頂点をつかめるか。
実績やトラックでは“3強”
優勝争いは前回、最後まで手に汗握る1秒差の激戦を演じた神村学園(鹿児島)と仙台育英(宮城)、選手層の厚い薫英女学院(大阪)と、いずれもV経験のある3チームが中心になりそうだ。 連覇を目指す神村学園は、アンカーだった留学生を除き、前回優勝のメンバー4人が残る。なかでも瀬戸口凜、野口紗喜音の2年生コンビの安定感が増している。 国スポでは瀬戸口が少年A3000mで4位、野口が少年A800mで5位に入賞。駅伝でも県大会、九州大会で1区と2区を2人とも経験し、好走した。 前回3区の黒神璃菜と4区の小倉陽菜(いずれも3年)は九州大会に出場。小倉は4区で区間賞、黒神はアンカーとして危なげない走りを見せた。 3区は留学生のムトニ・マーガレット(1年)を起用。九州大会では区間記録を30秒近く塗り替える8分45秒で駆け抜けた。 前回はアンカーに留学生を配置して、先頭との1分20秒差をひっくり返したが、今回から留学生は3区と4区の3㎞区間限定となる。3区か4区にマーガレットを配置して、20~30秒のリードを作って最終区を迎えたい構えか。 3年ぶりVを目指す仙台育英は細川あおい、デイシー・ジェロップ、長岡みさきの3年生3人が順調に成長を遂げた。なかでも前回2区区間賞のジェロップが国スポ3000mを制している。 県大会では日本人選手のみで臨み、1時間8分03秒をマーク。都大路はここにジェロップが加わり、戦力はアップする。 留学生の起用区間は変わるが、今回も前が見える位置でジェロップにタスキを渡し、主導権を握るのが理想。ただ、日本人選手にも自信を持っており、アンカーで15秒程度のビハインドがあっても、逆転のドラマを描いている。 薫英女学院は留学生こそいないものの、3000mの自己ベストでは、前回1区9位だった塚本夕藍(3年)の9分10秒33を筆頭に、エントリー候補メンバー8人のうち、6人が9分20秒を切る。 今季の駅伝ではくらよし女子を制し、大阪府大会でも1時間8分34秒をマーク。オーダーを変えて臨んだ近畿大会でも、立命館宇治に1分10秒差をつけて1時間9分10秒で優勝した。駅伝では3戦負けなしで本番を迎えることとなる。 塚本や大阪府大会2区区間新の河村璃央(2年)でアドバンテージが取れるかがポイント。1区から攻めの姿勢を貫き、留学生と同じ区間で粘れば、総合力で上回りそう。8年ぶり3回目の頂点をつかめるか。前々回覇者・長野東も注目
この3校を追いかけるのは、前回3位の立命館宇治、同5位の長野東、同6位の須磨学園、同7位の筑紫女学園(福岡)、同8位の青森山田の5校だろう。 その中で、前々回に初優勝を果たした長野東(長野)は神村学園、仙台育英、薫英女学院に迫る勢いがある。県大会は1時間9分02秒で18連覇を遂げたが、これは優勝した年の県大会と比べて12秒速い。 3000mでチームトップ(9分10秒74)の真柴愛里(2年)が1区を担い、2区は故障明けのエース・窪田舞(3年)が務めた。そして、3区・川上南海、4区・今井玲那の1年生コンビはトラックの自己ベストよりも速いタイムで、ロードの適性を示している。 また、アンカーの田畑陽菜(2年)は前回の都大路2区区間7位の実績を持つ。窪田が復調し、下級生が快走すれば、2度目の優勝へ可能性が広がる。 立命館宇治は、前回3区と4区で区間賞を獲得している芦田和佳(2年)、佐藤ゆあ(3年)を軸に連続メダルを狙う。3本柱を担う大西桃花(3年)が府大会、近畿大会と走っていないのが、やや気がかりだが、練習はできている様子。ベストオーダーが組めれば、優勝争いに絡んできそうだ。 都大路経験者4人が残る筑紫女学園は、前回1区8位のエース・金森詩絵菜(3年)を軸に駒がそろう。3000mの平均タイムでは9分31秒だが、伝統の力を生かし、本番に調子を上げてくるチーム。前回は、地区代表ながら入賞を果たした。 須磨学園はインターハイの1500mで7位、3000mで8位に入った池野絵莉(2年)が引っ張る。予選タイムは1時間10分台だが、例年都大路では大きくタイムを上げてきている。2年連続入賞を狙う青森山田は、インターハイ3000m2位のルーシー・ドゥータ(3年)に加え、前回以上に長距離区間での日本人選手がカギを握る。 東海大会を1時間8分40秒の好タイムで制した浜松市立(静岡)は、2年生エース・大谷芽以(2年)が流れを引き寄せられるか。初出場した前回に続く2年連続の近畿代表となる東大阪大敬愛(近畿地区/大阪)は、800m日本記録保持者・久保凛の快走が上位進出への必須条件だろう。 同じく初出場ながら前回9位と健闘した銀河学院(広島)は初の県代表として参戦。インターハイ1500m6位、3000m5位の細見芽生(3年)を軸に初入賞を狙う。また、和歌山北(和歌山)は3000mで大川菜々美(2年)が9分09秒68、宮崎彩湖(3年)が9分13秒71の自己ベストを持ち、先頭集団でレースを進める可能性も十分ある。 前回は優勝タイムが1時間7分28秒で、3位が1時間8分16秒、8位が1時間9分17秒だった。今回も優勝タイムは1時間7分中盤が予想される。戦力の比較でメダル獲得ラインは1時間8分切りが想定される。また、入賞ラインはトラックの平均タイムが上がっており、前回より速くなることもあり得る。 その流れを作る最長区間の1区(6km)は各校のエースが集う。優勝を狙う神村学園や仙台育英、薫英女学院の各校のエースだけでなく、3000mでも今季日本人高校生最速タイム(8分59秒74)を持つ東大阪大敬愛・久保や、5000mで15分37秒77の山田(高知)・穗岐山芽衣といった選手たちがどんなレースを展開するか。それによって総合タイムも変わってくるだろう。 また、留学生が3km区間限定となり、3区(9分21秒)、4区(8分59秒)の区間記録更新もありそうだ。 レースは10時20分スタート。試合の模様は、テレビがNHK総合、ラジオはNHK第一で生中継される。女子の大会記録や区間記録をチェック
■全国高校駅伝(女子36回) 12月22日(日)/京都・たけびしスタジアム京都発着 ■女子(5区間21.0975km)→10時20分スタート 1区6km-2区4.0975km-3区3km-4区3km-5区5km ●高校最高記録 1.06.26 埼玉栄(埼玉)/1996年全国 ●高校国内国際最高記録 1.06.04 神村学園(鹿児島)/2020年鹿児島県大会 ●大会記録 1.06.26 埼玉栄(埼玉)/1996年 [adinserter block="4"] ●区間記録 1区 18.52 新谷仁美(興譲館・岡山)05年 2区 12.15 T.ムッソーニ(世羅・広島)19年 2区日本人最高 12.35 小林祐梨子(須磨学園・兵庫)06年 3区 9.21 鷲見梓沙(豊川・愛知)12年 4区 8.59 田中梨沙(埼玉栄・埼玉)96年 5区 14.37 T.ムッソーニ(世羅・広島)20年 5区日本人最高 15.26 向井優香(世羅・広島)15年
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
-
2025.02.21
-
2025.02.21
2025.02.17
日本郵政グループ女子陸上部 「駅伝日本一」へのチームづくりとコンディショニング
2025.02.16
男子は須磨学園が逆転勝ち! 女子は全国Vの長野東が強さ見せる/西脇多可高校新人駅伝
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
-
2025.02.16
2025.02.02
【大会結果】第77回香川丸亀国際ハーフマラソン(2025年2月2日)
2025.02.02
大迫傑は1時間1分28秒でフィニッシュ 3月2日の東京マラソンに出場予定/丸亀ハーフ
-
2025.02.14
-
2025.02.09
-
2025.02.02
-
2025.01.26
-
2025.01.31
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.02.21
編集部コラム「奥が深い」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]
2025.02.21
ひらまつ病院にニューイヤー駅伝3年連続出走の三田眞司が加入 「チームの最高順位に貢献」
ひらまつ病院は2月16日付で、サンベルクスに所属していた三田眞司が加入したと発表した。 29歳の三田は神奈川県出身。光明学園相模原高では3年時に全国都道府県対抗男子駅伝4区9位と力走。国士大では3年時に全日本大学駅伝で3 […]
2025.02.21
斎藤将也、不破聖衣来、菖蒲敦司らが欠場を発表/日本選手権クロカン
福岡クロカン事務局は第108回日本選手権クロスカントリーの2月21日時点での欠場者リストを公開した。 男子では斎藤将也(城西大)や谷本昂士郎(順大)ら5人が新たに欠場を発表。女子は不破聖衣来、新井沙希(ともに拓大)、板井 […]
2025.02.21
国内唯一の室内100mに山縣亮太が登場 投てきは幸長慎一に注目 走幅跳8m40の台湾記録保持者参戦/JAG大崎
2025 Japan Athlete Games in Osakiが2月23日、鹿児島県大崎町のジャパンアスリートトレーニングセンター大隅で開催される。 この大会は2020年鹿児島国体がコロナ禍で中止(2023年に特別大 […]
2025.02.21
中央学大に全国高校駅伝出場の神吉惺翔ら、新たに5人が入学決定
2月20日、中央学大はSNSで今春入学の選手を発表した。1月にも13人の入学予定選手を発表していたが、新たに5人の合格が決まり、総勢18人の振優勢が入部する。 新たに発表された選手のうち、神吉惺翔(西脇工・兵庫)が昨年末 […]
Latest Issue
最新号

2025年3月号 (2月14日発売)
別府大分毎日マラソン
落合 晃×久保 凛
太田智樹、葛西潤
追跡箱根駅伝&高校駅伝