第101回箱根駅伝に出場する前回王者の青学大が、東京の青山キャンパスで壮行会を開き、原晋監督やエントリー選手たちが登壇した。その後、会見が開かれて報道陣の取材に応えた。
原監督が掲げた恒例の作戦名は「あいたいね大作戦」。これを受けて選手の反応はさまざま。主将の田中悠登(4年)は「最初に聞いた時は誰に会いたいんだろう? と思いましたが、喜び“あいたい”や“ラブの愛”などが込められていてさすがです」と言い、太田蒼生(4年)は「今年のスローガンは愛のある生活をやろうとチームで取り組んできました。自分が優勝して、愛している人に笑顔で会いたいと思える作戦名だという印象です」と話す。野村昭夢(4年)は「監督らしい」と笑顔を見せ、「10年後、20年後にもう一度会いたいと思えるような世代にしていきたい」と語った。
走りたい区間に、太田と田中がともに「10区」と答え、指揮官が苦笑いする場面も。大学で競技を引退する若林宏樹(4年)は5区、野村は6区を希望する。
4年目で復活を遂げた鶴川正也は最初で最後の箱根駅伝となる見込み。「苦しい期間に、たくさんの方の応援が力になりましたし、同世代、同期の走りや頑張りがあったからこそ、悔しくて自分も走りたいという気持ちが強くなった」と復活劇の原動力を明かす。
今年の青学大には10000m27分台が鶴川、若林、黒田朝日(3年)の3人がおり、太田もその力がある。他校も含めて記録の底上げがあるが、これについて原監督は「指導者の方々のトレーニングメソッドが体系化してきたことと、学生のポテンシャルが上がっていること、昔の選手とは手足の長さなど体型が違うこと、そして、フィジカルトレーニングが定着してきたこと」などを挙げる。
特にこの4年生世代は「そもそも、高校時代にポテンシャルが高かった選手たちが入ってきてくれて、きちっと成長してくれました。専門誌で書かれているような“S”ランクの選手が複数いる。速さと強さを兼ね備えている」と指揮官。さらに、「箱根駅伝では山決戦が重要。5区の若林と6区の野村という2人が区間新を出せるレベルで準備できている」と大きな自信を持つ。
過去7度の総合優勝を誇る青学大において、過去のチームと比較しても最高水準。個性派がそろうなか、「仲は良いですが、一方でライバル心もある。単なる仲良しクラブではありません。両方あるチームです」と雰囲気の良さも感じさせていた。
前回、走れず悔しい思いをした田中主将は「出られなくても、そこから逃げずにチームのために行動できた経験があります。走れない選手にも、最後の最後までチームと一緒に戦ってほしいと声かけしてきました。全員がそういう景色を見られれば、思い描いているチームができて大手町で笑えると思っています」とチーム一丸で臨む構えだ。
箱根駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が行われる。
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