HOME 国内

2024.12.04

五輪代表・飯塚翔太が東ティモールで子どもと交流 3年連続JICA活動「スポーツは共通言語」
五輪代表・飯塚翔太が東ティモールで子どもと交流 3年連続JICA活動「スポーツは共通言語」

東ティモールから会見を行った飯塚翔太

リオ五輪男子4×100mリレー銀メダリストで、今夏のパリ五輪200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が12月4日、訪問先の東ティモールからオンラインで現地の活動について報告会見を行った。

独立行政法人国際協力機構(JICA)が主催した公式事業の一環で、飯塚はこれまで2022年にバングラデシュ、昨年はルワンダを訪れており、3年連続で渡航。パーソナルコーチを務める豊田裕浩氏(中大コーチ)とともに参加した。

JICAでは1965年から各地にボランティアを派遣しているが、そのうち約1割がスポーツ関連だという。

初日はスポーツとゴミ拾いを掛け合わせた『スポGOMI』で、子どもたちとビーチのゴミ拾い。東ティモールはゴミ問題を抱えているそうで、ゲーム性を持たせて楽しみながら清掃して73.5kgのゴミが集まった。

2日目には「UNDOKAI」を実施。地元の4校から約100人が参加し、ミズノ特製ハチマキを身につけ、つなひきや玉入れ、障害物競争などで汗を流した。最初はシャイな子どもたちも、最後のリレーになると本気モードとなり、「身体を前に入れられて負けました。負けん気の強さも見えました」と飯塚は笑う。

活動最終日は学校を訪れて陸上教室。これまでは現地のトップアスリートや、国内での期待の選手、また日本語学校の生徒らとの交流が多かったが、今回はJICAの活動では初めて一般の子どもたちへの陸上教室。現地スタッフ手作りのハードルを使ったドリルなどを伝授した。

広告の下にコンテンツが続きます

現役選手だからこそデモンストレーションで魅せられる飯塚は「こうした活動をしていると、ずっと速く走り続けないといけないと思う」と言い、「いつもこちらがモチベーションもらって帰る。機会があれば(他のアスリート)みんなも取り組んでほしい」と語る。

東ティモールは「テトゥン語」が公用語で、もちろん会話することはできないが、文化などを含め「言っていることやお願いごとはしっかり伝わりました」とし、各地に訪問するたびに「スポーツは共通言語だと感じます」と話す。

「陸上競技は誰でもできるのが魅力で、可能性があります。シューズ、スパイクがあれば試合に出られるし、各国1人オリンピックにも出られる可能性も陸上競技は高い。近い距離で見る機会があれば、速さ、高さも体感できるので、学校の校庭を使ったり、みんなが遊んでいく場所だったり、日常に近づけていくのが大事です」

また、こうした発展途上国を訪れると、毎回感じることがあるという。

「日本だと『できないのが恥ずかしい』『勝てないからやらない』となりがちですが、こうした国々の人たちは、できなくてもいい、勝つことにこだわりがないというのを感じます。関係なしにやってみよう、という純粋な気持ちを感じますし、いつも刺激を受けます」

飯塚は過去にも2013年から交流のある友人でありオリンピック代表のシブシソ・マツェンジワとの縁から、アフリカ大陸南部のエスワティニ(旧・スワジランド)に赴くなどしてきた。今後もこうした活動を続けながら「トップ選手との交流のその先」を見据えている。今後は「リレーの大会を開いてみたい」とJICAにリクエストを送っていた。

もちろん、競技面でもまだまだトップをひた走る。来年の東京世界選手権に向けて「脚の痛みも取れているので、そこに向かっていきたい」と力強かった。

リオ五輪男子4×100mリレー銀メダリストで、今夏のパリ五輪200m代表の飯塚翔大(ミズノ)が12月4日、訪問先の東ティモールからオンラインで現地の活動について報告会見を行った。 独立行政法人国際協力機構(JICA)が主催した公式事業の一環で、飯塚はこれまで2022年にバングラデシュ、昨年はルワンダを訪れており、3年連続で渡航。パーソナルコーチを務める豊田裕浩氏(中大コーチ)とともに参加した。 JICAでは1965年から各地にボランティアを派遣しているが、そのうち約1割がスポーツ関連だという。 初日はスポーツとゴミ拾いを掛け合わせた『スポGOMI』で、子どもたちとビーチのゴミ拾い。東ティモールはゴミ問題を抱えているそうで、ゲーム性を持たせて楽しみながら清掃して73.5kgのゴミが集まった。 2日目には「UNDOKAI」を実施。地元の4校から約100人が参加し、ミズノ特製ハチマキを身につけ、つなひきや玉入れ、障害物競争などで汗を流した。最初はシャイな子どもたちも、最後のリレーになると本気モードとなり、「身体を前に入れられて負けました。負けん気の強さも見えました」と飯塚は笑う。 活動最終日は学校を訪れて陸上教室。これまでは現地のトップアスリートや、国内での期待の選手、また日本語学校の生徒らとの交流が多かったが、今回はJICAの活動では初めて一般の子どもたちへの陸上教室。現地スタッフ手作りのハードルを使ったドリルなどを伝授した。 現役選手だからこそデモンストレーションで魅せられる飯塚は「こうした活動をしていると、ずっと速く走り続けないといけないと思う」と言い、「いつもこちらがモチベーションもらって帰る。機会があれば(他のアスリート)みんなも取り組んでほしい」と語る。 東ティモールは「テトゥン語」が公用語で、もちろん会話することはできないが、文化などを含め「言っていることやお願いごとはしっかり伝わりました」とし、各地に訪問するたびに「スポーツは共通言語だと感じます」と話す。 「陸上競技は誰でもできるのが魅力で、可能性があります。シューズ、スパイクがあれば試合に出られるし、各国1人オリンピックにも出られる可能性も陸上競技は高い。近い距離で見る機会があれば、速さ、高さも体感できるので、学校の校庭を使ったり、みんなが遊んでいく場所だったり、日常に近づけていくのが大事です」 また、こうした発展途上国を訪れると、毎回感じることがあるという。 「日本だと『できないのが恥ずかしい』『勝てないからやらない』となりがちですが、こうした国々の人たちは、できなくてもいい、勝つことにこだわりがないというのを感じます。関係なしにやってみよう、という純粋な気持ちを感じますし、いつも刺激を受けます」 飯塚は過去にも2013年から交流のある友人でありオリンピック代表のシブシソ・マツェンジワとの縁から、アフリカ大陸南部のエスワティニ(旧・スワジランド)に赴くなどしてきた。今後もこうした活動を続けながら「トップ選手との交流のその先」を見据えている。今後は「リレーの大会を開いてみたい」とJICAにリクエストを送っていた。 もちろん、競技面でもまだまだトップをひた走る。来年の東京世界選手権に向けて「脚の痛みも取れているので、そこに向かっていきたい」と力強かった。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.17

【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日)

【大会結果】第6回U18アジア選手権(2025年4月15日~18日/サウジアラビア・ダンマーム) 男子 100m(+2.3) 金 清水空跳(星稜高2石川) 10秒38 銀 代泓宇(中国)     10秒39 銅 古綽峰( […]

NEWS 末續慎吾ら参加の「アースグランプリ」が5月に香川で初開催 本気のレースとイベントが共存

2025.04.17

末續慎吾ら参加の「アースグランプリ」が5月に香川で初開催 本気のレースとイベントが共存

アースグランプリ実行委員会は5月17、18日に「アースグランプリ2025Kagawa」を観音寺総合運動公園陸上競技場で開催すると発表した。 同委員会は男子棒高跳の2016年リオデジャネイロ五輪代表の荻田大樹さんが委員長を […]

NEWS 日本体育施設が「作業者の健康を守るため」新たな環境対応型ウレタン材開発 陸上トラックなどに活用

2025.04.17

日本体育施設が「作業者の健康を守るため」新たな環境対応型ウレタン材開発 陸上トラックなどに活用

スポーツ施設の施工・管理・運営を専門とする日本体育施設株式会社が今年1月28日に、同社が開発した環境対応型ポリウレタン系表層材料「レオタンS」が国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録されたことを発表した。 […]

NEWS プーマ史上最速・最軽量の新作ランニングシューズ「FAST-R NITRO™ ELITE 3」が4月25日より数量限定発売!

2025.04.17

プーマ史上最速・最軽量の新作ランニングシューズ「FAST-R NITRO™ ELITE 3」が4月25日より数量限定発売!

プーマ ジャパンは4月17日、ブランド史上最速のランニングシューズ「FAST-R NITRO™ ELITE 3(ファスト アール ニトロ エリート 3)」を4月25日より数量限定で発売することを発表した。 FAST-R […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】―93年シュツットガルト―男子マイルリレーで米国が驚異的な世界新!マラソン浅利純子が日本女子初の金

2025.04.17

【世界陸上プレイバック】―93年シュツットガルト―男子マイルリレーで米国が驚異的な世界新!マラソン浅利純子が日本女子初の金

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top